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354『総ダメージ数は、敵からより味方からの方が───』

 

土魔法バスで【ジート村】に帰る作業中、やはり惜しいので【スライムの穴】を周囲の土ごとくり抜き、計3つ持って帰る。


人土じんど】が、ただ穴を掘っても・・この安心感には成らない。

ならば、天然物を探すしかないのだ。




「後は出入口の無い壁を作って封印・・と」


「幹太・・アンタ、納得してんの!?」


『・・・・』




『三者を超えし者』が、【ジート砦】を封印命令を出した。

そして、その理由は教えてくれない。




「【空の口】退治に必要なんだろ?」


『・・退治には必要ない』


「じゃあ、何なのよ!?」


『・・・・』




ずっと、こんな感じ。




「ソレに・・【ジート砦】だって分かった途端に、何らかの魔法を使ったわよねっ!?

アレは何っ!?」


『・・・・』


「感情レーダー魔法で、『三者を超えし者』から悪意は見えないんだし・・もう良いだろ?」


「だからそうやって、なあなあで済まして・・はあ。

もう良いわよ」


『・・・・すまない』




気に成らない・・とは言い難い。

けど悪意が無いなら、後はプライバシーの問題だしな。




「彩佳が、皆を心配してくれているってのは分かっているからさ」


「・・ふんっ」




んで【ジート村】に到着。

【スライムの穴】の2つを秋原家敷地内に、1つは【ジート村】内に。


【ジート砦】内に、【穴】は10以上あった。


本当はあの【穴】全部を持って帰って、【人土じんど村】に贈ってあげたいけど・・今は、帰せるトラックが無いからなあ。

【魔物の森】にもあった【穴】も、いつか持って帰りたい。




『全てが終わったら、砦は開放する。

その時は、好きなだけ持って帰って良い』


「分かった」




帰ってきた俺達に、三種族・各傭兵団・村民が集まるものの───

まずは、【人土じんど】達から。


やっぱり皆、引寄せられるように【穴】へと入ってゆく。




「こ、コレは・・!」「ああ・・イイっ!」「らめぇ!?」「はうぅ!」「こんなの、覚えちゃったらっ!?」「極楽だあ!」「あっあっああっ!」




次々と【スライムの穴】の中に入っては・・皆、満足していた。




「うんうん、良かった良かった」


「いや・・【人土じんど】以外、皆引いてるじゃないの」




そうかなあ?

種族ごとの差違は多少、ある。


だけど・・『三者を超えし者』の血を直接は継いでいない故に、【人土じんど】特有の本能を持っていない俺や颯太ですらウットリしちゃうからなあ。




「彩佳も入ってみたら分かるって」


「い、嫌よ」


「ちょっとだけ、ソレ以外何もしないから!」




急に顔を紅くした彩佳には咽側から、突然怒りだしたザレには延髄側からWラリアットを喰らう。

なにゆえ。



◆◆◆



「あ"あ"あ"あ"・・。

確かにコレは良いね・・若返る思いだよ・・」


「型取り・・量産」


「『堕天せし(ダーク)・・』ああ、そんなのもう良いわああ・・。

あの子と一緒にぃぃひヒヒ♡」




丸半日近く使って、会議は漸く八割終了とのこと。

残りは明日。

戻ってきた山柄さん達、【人土じんど】の代表団も【スライムの穴】の中でリフレッシュ。


俺は・・料理中。


各種族の長・長の補佐が、会議に参加している間・・【ジート村】村民に魔力付与料理を作った事を知ったピヒタ(人花の長)が、血涙を流さんばかりに悔しがってきたから。


ヒマしてた【人花じんか】までもが料理を食ったと知ったピヒタが、「 長を辞めるっ! 」とまで言いだしたので「 当然、長用の特注品が有りまっせ♡ 」という言葉でやっと大人しくなる。


そして( キング・カモミールやジャック・ローズマリーを使用しない特注 )料理を作成中なのだ。




「まアったく・・。

半日、目ェ離したらすぐ厄介事を拾ってきやがって・・。

大した才能だぜ」


「いやあ~───」


「褒めてねェからな」




ディッポ団長がゲンナリした様子。

半日も会議をやっていれば疲れもするだろうけど。




「『三者を超えし者』は、嘘も悪意も抱いてねェンだな?」


「みたいッス」




【ジート村】へ帰る途中・・意識を分身体(きょじん)から本体へと戻した『三者を超えし者』は会議中、突然『【ジート砦】は封鎖する 』と宣言したらしい。


ガロスも、本格的な復旧は世界から洗脳が無くなり、人材確保できてから・・と、予定していたので、今すぐ困る訳では無いが───


『三者を超えし者』の、一方的な物言いに・・思う所が無い訳では無いらしい。




「仲間の魔女の眠る場所といい・・俺達に言えないことは多いみたいですけど、俺達の不利益になる事をしているんじゃ無いって宣言してくれましたから」


「まあ、御姉チャンが納得してンなら・・俺はなンも言わンがよ」




ディッポ団長は、その豊富な人生経験で大概の事は許容してくれる。

有難や。




「コッチで決まったのは───

人土じんど村】を国として認める。

【銀星王国】の民に、不当な差別はしない。

男尊女卑は不当な差別に値する。

───戦後に関するデカイ取り決めはこンなトコか」


「飽くまで、【銀星王国】側の人間ってガロスだけですか」


「まアな、俺等や傭兵団は中立に立たせて貰ったゼ。

・・まあ、ムカつくクズ共にゃ容赦は要らねえとは言ったがよ」




人花じんか】や【人狼じんろう】は、政治にさほど興味はなく、

『三種族が他種族に差別を受けないようにする』

『次の千年にはちゃんと三種族の名を残す』

といった事を約束させたぐらい。


だから実質、【人土じんど】vsガロスの対決になった訳だな。

人土じんど】は・・超文明を盾に、リャター商会や、各商工ギルドが付いている。


ソレから言えば、【銀星王国】の待遇はかなりの破格っぽい。

(【銀星王国】は出来るだけ【人土じんど村】に従う。

だから他国は知ったこっちゃ無いし、侵略するなら手伝う・・辺りで落としたのかな。)

 

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