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351『例え法律上、問題なくても。』

 

「ところでさ、ガロスの事・・父さん達に誰か喋った?

なんか、事情通っぽかったんだけど」


「あ、アタシじゃ無いわよっ!?

ガロスの事で辟易してんのは、アタシも一緒なんだし」


「わ、我等が【巫女】様を裏切る事は有り得ません!」


「ソレなんだけど・・」




即座に否定する、彩佳と【人土じんど】達。


すると、クラッゲさんとナムァコさんが困った感じで話しかけてきた。




「国境の村でもちょい話したけどさ。

オレ達とジンイチロウさんは、一緒の仕事になる事も有るんだよね」




行商人母娘と付き合っている、クラッゲさんとナムァコさん。


母親の彼女は、【人土じんど村】商工ギルドに所属しており・・【人土じんど村】の各部署と顔繋ぎがある父さんとは、たまに一緒に成るそうだ。




「あの人、ニホンで何の仕事してたの?

探偵? スパイ??

・・情報収集能力がハンパ無いんだけど」


「た・・唯の、サラリーマンの筈なんですけど」




基本、相変わらずビジネススーツのままです。




「以前見かけた時は、ジキアが捕まってたなあ・・。

『そんな事で、カンタを守る事は許さん!』とか何とか、怒られてたっけ・・」


「「「・・・・・・」」」




・・ジキアも割とテンパる癖が有る。

父さんがサラリーマン時代に培った手練手管をジキアへ、十全に発揮したら・・本人の意志と関係なく喋っちゃいそうだなあ。




「・・ふーん♡

ジキアがスパイだったのね」


「締めますわ♡」


「さ、流石にソレはジキアが可哀想かな・・」




責めるべきは父さん?

父さんは心配症?


ま、まあ・・父さんの過干渉も、見知らぬ土地の大貴族が相手だからだ。

ソレ以外なら、こんなプライバシー侵害ギリギリの情報収集なんてされた事無いし。




「逆にそのお陰で、会議を父さん達に任せられるんだから助かった・・と、しとこう」




この台詞には・・みんな黙る。

あんな面倒くさ───責任有る場に立つ資格の無い身で会議に行きたく無いのはココにいる全員の本心だし。



◆◆◆



「カンタおねえちゃん!」


「やあ!」




以前救った村に居た、3歳ぐらいの魔法使いの少年だ。


俺達が『男尊女卑に苦しむ女性を救いたい』っていう気持ちが、彼なら魔法使いの目にて分かるけど───




「お母さんは?

まだ、俺達にビビっているのかい?」




彼の母親達は。

男尊女卑の呪縛に囚われた女性達は、そうはいかなかった。


『女』である自分が『男』から暴力を奮われるのは当たり前であり・・ソレから救う、救われる───という意味を理解してくれなかった。


俺達を信用してくれないのだ。




「カンタおねえちゃんと、アヤカおねえちゃんが、ガロス様とけっこんしないなら、怒られないって」


「結婚しようと怒らないよ・・。

・・いや、結婚しないけど」




俺達への警戒・恐怖は多少薄れたみたいだけど・・まだ、ガロス様云々で───って感じか。




「ククク・・少年よ、安心するが良い」


「ん?」




人土じんど】代表の一人、池上さん(中二病少女)が少年を呼びとめる。




「我等【人土じんど】が来たからには安心するが良いぞ。

全てを『正義執行ジャッジメント』するが故に」


「ホントっ!?

うわぁい♡

おねえちゃん、ありがとう!」




そうだなあ。

【空の口】の洗脳は解いた。

クズ男は【人茸じんたけ化】した。

けど彼女達への心のケアは、魔力附与料理《トラウマ削除》だけだった。


本格的なカウセリングは【人土じんど村】なら専門家や・・嘗て同じ立場だったディッポファミリー傭兵団の奥様方がフォローしてくれる。


せめて、この村に居る間ぐらいは、彼女達との距離を───




「【巫女】様、違うから」


「へっ?」


「その、か・・甘美なる想いを汚す者達から救って・・ハアハア───」




・・うわあ。




池上さん(中二病少女)、ドショタだから」


「あー・・うん」


「変態だな、ナムァコ」


「ああ、クラッゲ。

あんな小さい子供に行くか?」




わぁお、絶対に言われたくない人達に言われてるぅ。


俺も、理太郎君(9歳児)にトキメいてしまった事はあった。

けどアレは呪いで、だし・・自分で自分に引く理性があった。

俺は変態じゃない。




「い、今まで手は───」


「出させてませんから。

【人土《魔法使い》】総出で、嘘発見器になりましたから」




まあ、性癖はともかく・・。

俺達に懐いてくれる少年と、男尊女卑に苦しむ女性達は救いたいし。




「【空の口】に攻めるにあたり、医療班も充実させているんですよね?」


「ええ、心理ケア担当も居ます。

男尊女卑の専門家では在りませんが・・」


「相乗効果を狙いましょう。

俺の魔力附与料理を食いながらカウセリングを受けられるとか。

ビタ。

以前の、気分を落ち着かせるクイーン・ラベンダーみたいな・・楽しくなる香りの植物って有るかな?」


「有るのです!

キング・カモミールと、ジャック・ローズマリーなのです!」




・・誰のネーミングセンスなんだろう。

彩佳が、その・・ゴニョゴニョだし、ビタと仲良しだった、彩佳の妹の奈々のセンスかなあ。




「カモミールとローズマリーか。

紅茶やケーキかなあ?」




女体化して日本に戻った後、そんなに好きではなかった甘い物も食えるようになり、その手の甘味屋にはソレなりに行った。

( 特に甘味好きになった颯太に合わせて、が大きい理由だけど。)




「では、材料を探してきます」


「お願いします」

 

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