348『ほぼ、覚えられていないであろうキャラだけで一話。』
とある機械が壊れたせいで仕事場じゅうがグチャグチャになってしまい、休み時間どころでは有りませんでした。
という訳で、今回短いです。
申し訳有りません。
「あ」
「おや、どうも。
カンタさん」
夜、なんとなく国境の村を散歩していたら・・ココから旅の仲間になり、各村々の物流関連のアレコレ、自失した行商人の保護説得など・・・・色々と助けて貰った、商工ギルド職員と出会った。
どうしたんだろう?
今の彼はとても忙しく、こんな所で散歩する余裕なんて無いハズなんだけど・・。
「どうですか?
商工ギルド国境の村支部の、幹部になれそうですか?」
「ええ、お陰様で」
「こちらこそ、お陰様で旅を続けられて・・色々と有難う御座いました」
【銀星王国】や【連合】・・この大陸に存在する商工ギルド中、最大勢力だった国境の村支部。
ソレが突然、第二位勢力になった。
国境の村支部を押し退け、一位に躍り出たのは───
この大陸一位にして、世界の一位たりうる【人土村】支部。
彼は、その【人土村】から来た俺達の手伝い・・兼、監視役であり、役を全うすれば国境の村支部の幹部になれる───という事で付いてきた。
だけど彼は、ソレ以上に俺達の味方になってくれていた気がする。
彼のお陰で助かった局面も多い。
「・・実を言うと、【人土村】からスカウトを受けました」
「・・・・」
「正直、迷いました。
ですが・・恩を取らせて頂きました」
「10歳の時に、奉公でコチラに来たとか」
「ええ。
当時この国は戦争中で、両親を失いまして・・ココに拾われなければ死んでいましたよ。
・・・・ソレ程の大恩無くば決断できない程に、貴女達との旅は楽しかった」
「俺達も貴方に沢山教わりました」
「・・ココから先は、足手まといです。
今まで、有難う御座いました」
深く、頭を下げて・・彼は立ち去ってゆく。
・・彼が居るなら、これからも【人土村】と国境の村の仲は安泰だろう。
俺も深く、頭を下げて・・散歩を終える。
◆◆◆
「【巫女】様。
全てのチェック、完了いたしました」
「分かりました。
───出発っ!」
俺は国境の村に向け、手を振る。
「あんたって・・オヤジキラーよねえ」
「ん?
なにが??」
徐々に小さくなってゆく国境の村を眺める俺に、彩佳から謎のツッコミ。
オヤジを殺す・・?
「───クズ男なら?」
「そうゆう意味じゃ無いわよ。
ねえ? イーストさん?」
「・・何故、そこで私に振る?
アヤカ?」
「別にぃ?
ただ・・あそこに、最近見たのと同じ表情をするオヤジが居るなあって。
・・天然がモテる秘訣なのかしら?」
「勘弁してくれ・・」
「???」
謎のやり取りをする彩佳とイーストさん。
意味はサッパリ分からんけど───
俺の話なのか?
俺の話じゃ無いよな?
・・まあイイや。
源太ちゃんとすれ違っただとか、行商人母娘や『三者を超えし者』と出会った地だとかは在っても・・俺自身、国境の村自体にソコまで思い入れは無い。
今、手を降っているのは個人に対して・・だ。




