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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
三者を超えし者
340/547

340『子供扱いどころか・・・・』

 

増員された【人土じんど村】の一級戦力は、旅から帰ってきた『ディッポファミリー傭兵団』と、洗脳が解けた『ウェスト傭兵団』。


たかが数十人。

・・されど数十人。




「【人土じんど】の皆さんが、種族総出で頑張っているのは知っていますが・・」


「ええ。

事、魔物との戦いにおいては【人土じんど】総出と比べても、ディッポファミリー傭兵団の皆さんに負けるでしょう。

・・現在は」




人土じんど】に感謝はしているけど・・やはり、俺達にとってはディッポファミリー傭兵団は偉大なる存在だからな。




「だったらモテない兄貴分、からかって遊ぶの止めなさいよ」


「し、失礼なっ!? 」




からかってなどいない。

ファミリー内で、唯一彼女が居なくて焦っている二人が本気で可哀想だったのだ。




「可哀想とか・・それ、絶っっ体に兄さん達に言っちゃ駄目ッスよ?」




心配してるだけなのに?




「・・っと、着いたな」


「わあ、魔物だあ。

みんな戦ってるねぇ」


「幹太、颯太・・来たのか」


「父さん!」




人土じんど村】の外周。

防壁代わりに使っているビルの屋上。

戦っている傭兵団達の、作戦補佐員の中に父さんがいた。




「傭兵団や三種族の皆が、今回は流石に【三巫女】達には休んで貰おうとしたんだがな」


「大丈夫ですわ、御義父様っ!」


「まあね。

逆に発散したいって言うか」


「そうか・・まあ、そうかもな。

ビタちゃん達は下の補給基地に居るしな」


「そうなん?」




ビタは例のイベントを、そこそこ楽しんでいたし・・気疲れしてなさそうけど。




「アナナゴ君とウーニ君が『村破級』の肉を採って帰ると、ビタちゃん姉妹に約束していたな」


「あー・・」




まあ上手くいくと良いな。

微笑んでいると、ジキアがクチに指を当てて「 しーっ! 」ってやってきた。

なんか軽く、子供扱いされてない?




「まあ、そうゆう訳でさ。

ちょっとみんなの陣形を変えて貰える?」


「どうゆう希望が有るのかね?」




父さんに伝えた事を受け、作戦基地の【人土じんど】の人達が動いてくれる。


颯太は源太ちゃんと戦っていた村破級とは反対側の村破級へ。

ディッポファミリー傭兵団のいる辺り。


ザレと、ザレ付きの【人狼じんろう】達は、下で戦っていた他の【人狼じんろう】達の下へ。


俺は、群がやってくる方角。

魔物の列を縦断出来る場所を空けてもらう。




「直線攻撃のつもり?

いくらアンタでも、距離が・・」


「───ずっと考えていたんだ」


「・・何をッスか?」


「だいぶ治ったとはいえ・・みんなこの腕を、見て見ぬフリをするんだ」


「・・そうだな。

いずれ治る。

日本に居た頃より治っている。

・・分かってはいても、見ててツラくはある」




今の俺の腕は、ソコソコ骨と肉と皮は出来あがってはいる。

けど・・変色し、ボコボコと変形した腕は、ゾンビの腕を連想したらいいかな。


指は・・かろうじて、有る? っぽい? って程度。




「あと、【巫女化】による・・俺の体内で【スライム細胞】を増やす事を危険視してもいる」


「そりゃそうよ。

自分の体内で、自分以外の危険生物を暴れさす技術なんですもの」


「だから、いっそ二つを合わせてみる」


「「「・・は?」」」




俺の自己再生魔法を弱めてゆく。

全身の【スライム細胞】を、両腕に追い立てるように。




「か・・幹太・・・・!

その腕───」




ピンク色の───

【スライム】の色をした、完全な形の腕が俺の肘から先に出現する。




「【スライム】の腕だ・・!」

 

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