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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
三者を超えし者
339/547

339『当然本人たちは、エロい目的で抱きついてきます。幹太以外、全員気づいています。』

 

「まあ【人狼じんろうの巫女】は、謎は残りつつも・・問題なく覚醒してるんだし、この辺を落とし処にすべきじゃないかしら」


「そうッスね。

洗脳を解けるようになった、って事は【空の口】に対抗出来るって事ッスから」


「そうだなあ・・。

『三者を超えし者』はどう思う?」




今いる小会議スペースの管理人である【人土じんど】の女性が、飲み物を持ってきてくれたので頂く。


あ、初めての風味だけど良い御茶だ。


父さんと【人花じんか】の協力で作られた御茶だそうで、俺の立ち寄りそうな場所には常備されているとの事。

頭が下がります。


『三者を超えし者』は糖分多めのコーヒーを飲みつつ、思案顔で答える。




『なんとも言えない』


「と、言うと?」


『歴代と比べ、今回の【空の口】討伐隊は・・歪すぎる』


「歪?」


『弱くは無いが・・戦士で無い者が多すぎる』


「戦士でない者・・」


『千年前、二千年前は・・『街破級』が溢れていた。

ゆえに『対、街破級』が溢れていた。

イチ農民ですら、戦いの心得が出来ていた』




飲み物を持ってきてくれた【人土じんど】の女性が「 ジムで鍛えようかしら 」等言っているが・・そもそもの話だからなあ。

彼女とて【人土じんど】である以上、ド素人よかは戦える。


けど、求められるのは『ディッポファミリー傭兵団』や『ウェスト傭兵団』レベルの戦力・・いや、気構えの話だ。

彼等はチートなど持たずに、俺達より凄い事をやってのける。




「ペリオラ傭兵団も質の上下が大きいし・・」


「【人茸じんたけ】はねー・・微妙なのが多いしねー」




旧ペリオラ傭兵団は『街破級【ニーズホッグ】』を倒した時の肉体・精神的な傷が癒えていない───【空の口】の洗脳のチカラだけで動いていた人も多い。


現ペリオラ傭兵団の・・【人土じんど】はともかく【人茸じんたけ】は、『元』が立場の弱い女性に暴力を振るって喜ぶクズだしな。




「前は男尊女卑主義だった傭兵団達もなあ・・。

気構えという意味ではなあ・・」




黒い川事件(魔物の大はっせい)』にて心変わりしてくれた傭兵団などは・・洗脳を解いた直後に「 姐御~♡ 愛してます~♡♡ 」と言って抱きついてきた。


事件当時はまだ、善意ある男に惚れまくっていたので彼等に対しても・・まあ、『そうゆう感情』は在る。


・・ので、一斉に抱きつかれるのは───恥ずい。


人土じんど】が、一斉に根刮ぎ魔力を吸い付くし・・彩佳がクワガタの餌にしようとしてきたので慌てて止めたが。




『【空の口】は【空の口】で、追い詰められている』


「あれっ!?

そうなん?」


『下が歴代以下なら、上は歴代最強と言って良い。

アキハラカンタ、貴女は異常。

ことわりの外』




失礼な言い種にも聞こえるが───


まあ、糧たる魔法使いは減ったし・・虎の子・・『異世界侵略用』の、魔物の群を無計画に放つぐらいだしな。

追い詰めた感は有るか。




「そういや、魔物といやあ・・まだ次の魔物の群って来ないのか?」


「日程的にはそろそろよね?」


「・・あ。

ジキアに俺を任して、ディッポ団長達が居ないの・・って」


「・・たぶん、そうッスね。

ウェスト傭兵団(【人土村】警備団)も、村内で見なかった事を考えると」




死んだ魚の目で一晩中洗脳を解いていた俺を気遣って、と・・洗脳が解けて遠慮なく戦える喜びからだろうけど。




「今、【人土じんど村】に来ているのは・・最後の方まで残った魔物───重量級だよな?」


「そうらしいね、幹太姉ちゃん」


「デカイんだろうか?」


「うーん・・どうだろ?」


「・・よーし。

突撃! となりの傭兵団、だ」


「行くの?

幹太姉ちゃんっ!?」


「ああっ!

たぶん源太ちゃんもソッチにいるだろうしさ」




人土じんど村】に迫る魔物群。

その殆んどが『破級外』『道破級』。

希に『村破級』が混ざる。

基本、『村破級』は源太ちゃん一人で。


残りは主に戦いの素人だった【人茸じんたけ】と【人土じんど】で構成された、『ペリオラ傭兵団』に【人狼じんろう】【人花じんか】が担当。


コレに、旅から帰ってきたディッポファミリー傭兵団と・・洗脳が解け、貴重品である精密機械の【変換機】を必要としなくなったウェスト傭兵団が参戦する。


ザリー(人狼の元・長)と王族擬き相手には、皆に丸任せになった。

洗脳を解く儀式では散々な目にあった。


・・久々にカマしてやろう。

 

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