表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
三者を超えし者
337/547

337『両親がどうやって君達を産んだか・・分かるかい?』

 

人生の黒歴史、その2たるイベントが終わって。


夜通し仕事だったので、一日お休み。

どうせ『三者を超えし者』は俺の部屋に侵入するのだろう。

なので本日は颯太の部屋で就寝。


・・すっかりピンクとフリルの部屋だなあ。

んで、次の日。

着替えは俺の部屋でなので、俺の部屋へ。




『御早う』


「・・御早う」




・・分かってたしね。




『昨日チラッと話に出た少女マンガとやらは、貴女の部屋には無かった』


「あー・・日本に居た頃( 女体化前 )は、あんま興味は無かったしな」




彩佳が少年マンガ畑で育ったクチで、少女マンガを好まなかったから俺もそんなには・・ってのもある。


けど、浮いた話好きになったり・・人の恋愛成就に首を突っ込んだり。

今の俺なら、少女マンガにハマりかねん。




「たぶん、ああゆう系はその漫画より日本語が読めないとキツいぞ。

あと人のマンガ、はよ返せ」


『古い日本語は以前習った。

今は現代日本語と擦り合わせ中』




なに、その語学力。

羨ましい。

未だに俺は、この国の文字修得に苦慮しているっつうのに・・。


文字といえば、【人土じんど村】・リャター商会・商工ギルド間で、契約書作りに難儀しているらしい。


人土じんど村】側には魔法使いが溢れているからまだなんとかなるけど、相手側はハッキリ言って俺の顔を立ててくれているようなもんだ。

有難や。


着替えを終え、朝食を頂き、彩佳( 【人土じんど村】内のマンションの一室が自宅 )と、ザレ( 彩佳の隣 )達と、ジキア( ディッポファミリー傭兵団で空き倉庫を借りている )が来宅。


今回は『三者を超えし者』と夜の相席していませんよ、と、キツく弁明。

人土じんど村】の小会議用みたいな場所へ。




「ジキア、みんな(ファミリー)は?」


「さあ?

オレにカンタさん達を任せて、どっか行ったッス」


「ふーん・・」




魔力パスを通じて、皆の居所を探そうかとも思ったけど・・日本風に言えば

「 スマホにGPSアプリを入れさせて、常に監視 」しているようなモンだしな。


ジキアに俺を任したというなら、俺はジキアに任されよう。




「ザレ、【人狼じんろう】達に【人狼じんろうの巫女】の資格云々の話は?」


「いいえ、御姉様。

色々あった事も理由ですけど・・御姉様が睨まれた一件ですので、御姉様が絞めるべきかと」




人狼じんろう】達がちょい、シュンとする。

以前、俺が【人狼じんろうの巫女】の資格云々の話をした時・・ザレを侮辱したように聞こえた彼等が、激昂したばかりだからな。




「じゃあまず、何でザレが【人狼じんろうの巫女】と分かったか、から話すか・・」


「お、お願い致します」




興味津々らしく身を乗りだし気味の【人狼じんろう】達。


・・あの日あの時。

世界中の人間が【空の口】の声を聞いて───


完全に洗脳され、【空の口】を崇めていた人。

ウッスラ洗脳され、自失した人。

声を聞いた事を忘れた人。

一番大切な者を忘れた人。

眠りについた人。

途中で突然洗脳が解けた人。




「ジキアみたいに、自力で洗脳をハネ除けた者もいるけど・・いろんな人が居た訳だ」


「三種族以外は基本、洗脳された訳ですね」


「洗脳された人達と、触れあってきた中で・・様々な条件から、【三種族の巫女】が洗脳を解くチカラを持っているっぽい───って分かってきた訳だ」




【三種族の巫女】のうち、『じんど』と『ビタ(じんか)』は分かっていたので、【人狼じんろうの巫女】を探すうちにザレが浮上。


されど今一つ、確信が持てないでいると───




「───『三者を超えし者』の説で、ひょっとしたらもう一人【人狼じんろうの巫女】が居るのかも・・って話だったんだよ」


「「「・・・・っ!??」」」




人狼じんろう】達が大口を開けたまま、ポカーンとしている。

・・するよなあ。



「けどまあザリー(元・人狼の長)との戦いで、ザレは【巫女】として完全に覚醒したし、問題解決───」


「い、いやいやいや、カンタ殿!?

我等にとって、問題点マル残りですぞ!?

も、もう一人の【巫女】候補!?」


「根拠は薄い話なんだけどさ」


『『覇者』はドスケベだった』




オタオタする【人狼じんろう】達の動きが、ピタリと止まる。

・・止まるよなあ。

 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ