334『「気づいた時は、孔明の罠かあっ!? ・・って叫ぶぐらいに!」「罠がショボすぎんだけど」』
「い、偉大なる御先祖様とか関係在りません!
付き合って下さい!!」
「【人土】じゃ無く【人狼】でも良いですよね!?」
「わたしもっ!?」
『いや・・そ、その・・。
自分はヨランギの───』
合コンの意味も分からず、合コンに参加した『三者を超えし者』。
俺の料理に、『な、何だコレは・・』と感嘆していたが・・何時の間にか数人の男( 僅か女性も )に、囲まれた事に気づいた『三者を超えし者』は・・軽くテンパっている。
「まあ、永遠の美少女だしねえ?」
「体の大半が【スライム】で、不老( 限定的 )不死だしなあ」
『三者を超えし者』の見た目は、欧州系の18歳ぐらい?
生のドイツ人を見た事は無いんで、ハッキリとは分かんないけど。
「彼女・・。
自分の事を、『転移』って言ってたけど・・もしかしたらさ」
「・・そうね。
転生の可能性も有るわよね」
「んぅー?
その二つに、なんか違いって有るの?」
何人か、少年達( と、数人の成人 )が近づいてきて───
「 僕、もうお付き合いしてるからダメっ! 」
───と・・やや怒り気味で、調理場へ避難してきた颯太が問うてきた。
( 俺と目が合った人は何故かソッ・・と居なくなったけど。)
「人体実験の末───
『死ぬ直前』に、転移したんじゃ無く『死んだ後』に、転生したのかも。
・・って事よ。」
「だとしたら【空の口】の・・
『地球にいる魔力持ちを呼ぶ』チカラと、
『女魔法使いを魔女にする』チカラって、同一のチカラの可能性が有るんだ」
「同一のチカラ?」
「『あの世とアクセス出来る』チカラ、だよ」
「あの世・・魂の世界。
・・『青い世界』という訳ね?」
「ああ」
生と死を超越した、魂だけの存在。
青い世界に住まう者。
「三途の川、花畑、砂漠、幼女───いろんな国や時代で、死者が行きつく先ってのは有る」
「幼女は時代の最先端だと思うけど」
「まあ実際、転生モノでよく有る展開だよな。
『死んだ』もしくは『死ぬかと』思っていたら、真っ白な場所にいて・・強烈な存在感の女が出てきて「 転生させてやろう 」───と」
「魔女化が、転生チートって訳?」
魔女とは何ぞや?
という質問に、
『身に宿す魔力を十全に使う才能と、青い世界を見る才能を持っただけの存在』
と『三者を超えし者』は答えた。
特別巨大な魔力を持つ、優れた身体能力を持つ、不老不死・・とかいった存在では無いとの事。
現在魔女たちが、ドコに住んでいるかは・・教えてくれなかった。
「時代を問わず召喚・・ってのも、青い世界に留まる( 眠る? )魂たちの中から、
今日は『平成に亡くなった人』、
明日は『弥生時代に亡くなった人』を呼ぼう・・っつう感じかもな」
そもそも、コッチとアッチの世界を往き来する度に時間のズレがあった。
あまり時代考証に意味が無い。
「アンタが何回か見た青い世界で、そういった『眠れる魂』みたいなのは居なかったのかしら?」
「うーん・・なんとなくだけどイメージが違う、ってゆうか。
『洗脳した女性を閉じ込める場所』ってゆう感じ?」
「オジさんやアタシ達・・みんなで日本からコッチに来る時通ったのは、なんとなく『道専用』って感じだったわね」
「死後の世界を一本の樹として見なす伝承が、【人花】にも在りますよ。
枝葉の一つ一つに病死した者だったり事故死した者を分けて住まわせるそうです」
・・・・。
調理場にて、俺の作る料理を片端から食う少女・・ピヒタ。
「オマエ・・食い物以外の話も出来たんだな」
「ひ・・ヒドくないですかっ!?」
両手に、山ほど食い物を持ってなかったらな。
「あっ!
ソレも下さいっ!!」
「コレはダメ。
数が少ないから、俺の恩人であるディッポファミリー傭兵団だけに配る用だ」
「そ、そんな美味しそうな匂いをさせておいてズルいです!」
「ディッポファミリー傭兵団じゃ無いモンにはやらん」
「ぐっ・・なら私、ディッポファミリー傭兵団に入ります!!」
・・にやり。
「そんな無茶言うな。
ほら、彼処にいる二人のディッポファミリー傭兵団にコレ渡しといてくれ。
・・【人土村】盟主としての命令な」
「ううぅ・・分かりましたよぅ・・」
俺の作った高級料理入り岡持ちを、血走った目で合コン会場の端でモジモジしているアナナゴさんとウーニさんの所へ持ってゆくピヒタ。
良い感じに・・目が潤み、頬が紅潮している。
アレなら多少性癖と違う娘でも、ときめきメモリあ~る。
「せ、セコい作戦ねえ」
「元々あの人達も、俺が介護を受けていた時に告白( っぽいモノ )をしてきたし・・困っている人は放っておけない人達なんだよ」
「性欲と自己満足でしょ」
身も蓋も無い事言うな。
「後は・・女学園の生徒と【人狼】で、何人かカップルになってんなあ」
「ザレ繋がりね」
そのウチの、とある一団から「裏切り者ぉ~!」と聞こえてくる。
あの集団はウェスト傭兵団に入りたいって言ってたグループだな。
男を奪われた・・んじゃなく、『別の男を選ぶ』なんて『裏切り者』って感じか。
「だってぇ・・。
イーストさんが好きな人、分かっちゃったしぃ・・私じゃ絶対敵わない人だしぃ・・。
───彼はそんな私でも良いって言ってくれるしぃ♡」
「う・・裏切り者ぉ~!」
ふーん、イーストさん好きな人出来たのか。
昔聞いた頃は・・ウェスト傭兵団を『街破級』にする事以外に、興味は無いって言ってたのになあ?




