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321『「カ○ダ手裏剣と、どっちが恐いかしら?」「恐さの種類が違うしなあ・・」』


「わあァ~♡

楽しみだなぁ・・!」


「か、幹太よ・・。

冗談・・じゃよな?」


「いやあ・・在る意味、俺が一番冗談だと思ってんだけど・・」




颯太と、源太ちゃんは俺が作った『とある物』を眼前に───

全く別の感想を抱いていた・・。



◆◆◆



「『ヴォイド』と『魔法』。

その二つを同時に無効化する方法、ねえ」




王族に対抗する手段を、俺が思いついた・・思いついてしまった(・・・・)事を、彩佳に気づかれた。


皆の瞳に希望の光が宿る。

俺の瞳はハイライトが消えちゃうよ。




「あの・・その・・」


「可愛くモジモジしてんじゃないわよ、キショイ」


「酷ないっ!?」


「是か非かの判断は、アタシ達みんなでするから。

取敢ず、その作戦内容を言いなさい」




うう、言いたくないなあ・・。




「ヴ・・『ヴォイド』はディッポ団長達に掛けた異世界物質迎撃魔法パトリオットで無効化出来る」


「そうね」


「『魔法』は───

・・ま、魔力吸収で無効化出来る」


「そうだな。

・・・・んん?」




皆は暫くぽかんとしているけど・・一瞬早く父さんが復活した。




「魔力吸収・・じ、【人土じんど】を使う訳だな?」


「ま、まあ・・」


「【人土じんど】に迎撃魔法パトリオットを纏わせ、王族に接近する・・?」


「そ、そうだね」


「歩いて接近しても・・?」


迎撃魔法パトリオットの魔力に気づかれちゃうなあ・・。

隠密接近させて遠距離付与させるのは、この距離だと僅かとは言えパワーダウンするから王族相手に万一を考えると・・」




父さんから汗がダラダラ流れ始める。

気づいちゃったか・・。

気づいてしまいましたか・・。




異世界物質迎撃魔法パトリオットを付与した魔力吸収出来る者を、王族が反応出来ない超スピードで突っ込ませる」


「ソレって・・。

・・・・んん???」




言って、やっと俺の言葉の意味を理解し始める場の人間達。




「「「に・・人間魚雷・・!??」」」


「みんな、ドン引きしてんじゃんっ!?

だから言いたくなかったんだよォ!」


「ご・・ゴメン」




なんか珍しい、俺が彩佳を責めて彩佳が俺に謝るの図。




「ち、ちなみに、飛ばされる人間の負荷は・・?」


超長距離遠隔操作魔法ブイツーロケット異世界物質迎撃魔法パトリオットまでほぼ全力フルで使うから・・慣性制御特化防壁魔法トーチカは割と本人負担で・・」


「内臓に『t』単位の負担がかかりそうだね・・」


「み・・【巫女】様が命令されるなら、【人土じんど】として見事花道を飾ってみせましょう!」


「飾らなくて良いからっ!?」




忠誠という名の脅迫だよ。




「無し無ーしっ!

この作戦は無ーーしっ!」


「そ、そうだ───」


「───僕なら、出来るよねぇ?」


「「っ・・!」」




ううぅ・・。

一番、気づかれたく無い一人に・・気づかれてしまった。




「颯太・・」


「僕なら幹太姉ちゃんの魔法にも完璧に合わせられるから、更にスピードアップ出来るし。

そのスピードでも耐えられるし」




颯太の身体強化魔法の実力は村一番。

俺より上。

おそらくは世界でもトップクラスだろう。




「で・・でもな、颯太?」


「彩佳姉ちゃんの作戦だと、失敗する可能性が有るんだよねぇ?」


「まあ・・王族を倒せはするでしょうけど・・被害者は出るかもね」




被害者は【人茸じんたけ】・・元は男尊女卑主義者などのクズ共だ。

その事そのものは問題ない(どーでもイイ)


ただソレは・・後々、面倒が起こる危険性があり、そのまま他の人への危険と成りうる。


・・けど少なくとも、俺に他の代案は思いつかない。


山を丸ごと撃ちこめば、防御魔法も『ヴォイド』も撃ち破れるとは思うけど・・準備に時間が掛かる上、目立ち過ぎる。


準備中に王族にバレたら・・一巻の終わりだ。




「なら・・幹太姉ちゃんの作戦しか無いよねぇ」


「「「・・・・・・」」」




皆を見渡すも、誰も代案を出さない。




「ならば儂も行こう」


「源太ちゃんっ!?」


「ザレちゃんや【人狼じんろう】達が頑張っておるのに、ココでジッとしては居れん。

・・儂もゆく」


「源太ちゃんさん・・」


「『ヴォイド』さえ、無効化出来るなら儂でも役立つじゃろう」




・・そんなん言われたら・・コレで行くしか無いじゃんか。



◆◆◆



最初、颯太達本人に超長距離遠隔操作魔法ブイツーロケットを掛けるつもりだった。


人間魚雷ならぬ、カラダロケット。


だけど一番最後のぶつかる瞬間の姿勢制御は本人達がヤリたいから───という訳で『弾丸』に、魔法を掛ける事になった。




「わあァ~♡

楽しみだなぁ・・!」


「か、幹太よ・・。

冗談・・じゃよな?」


「いやあ・・。

在る意味、俺が一番冗談だと思ってんだけど・・」




超長距離遠隔操作魔法ブイツーロケットの弾丸そのものは俺の魔力でコーティングされるのでメチャクチャ固くなる。


なんで基本、ボロかろうが関係ない。




「じゃ、じゃからって、コレは無いんじゃ無いかのうっ!?」


「しかもコレでビギャーンって空を飛ぶんだよっ!?

『本物』なんて、目じゃないよねっ!?」


「儂・・『本物』ですら苦手じゃっちうのに・・。

コレで空飛ぶんか・・」




俺達の目の前にあったのは、廃棄予定の『ジェットコースター( 二人乗り用 )』。


機械の劣化部分を原子レベルで修繕できるとは言え・・今の【人土じんど】達の魔力では容易く直せる程でもなく、後回しにされていた。


ソレを俺が多少脱出しやすいよう、変形改造させた物だ。




「・・行くの・・辞める?」


「くうぅ・・っ!?」




作戦会議の場では勢いもあって、忘れていたんだろうけど・・空飛ぶ乗り物ギライな源太ちゃんが泣きながらジェットコースターに乗り込む。


彩佳・・。

なんで今、子牛の売買の歌を歌う?


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