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313『自らの盟主、癒しの目で見るか?エロい目で見るか?』


「別の可能性は───

王族が幹太クラス・・【人土じんど村】の外、数km先から正確に『ヴォイド』を操作出来る可能性かしら?」


「そんな事が出来るなら、何で今までヤらなかったかの説明がつかないね」


「ガロスも、その可能性は否定的だものね」


「ま・・まってくれ」




避難者達の中から一人、いや一人に追従し一つの集団が近づいてくる。

・・【人狼じんろう】達だ。

先頭の一人、現長が彩佳達に声を荒らげる。




「前長を庇うつもりは全く無いが・・【人狼じんろう】は【人土じんど】と違い、魔法使いでは無い!」


「『ヴォイド』・・『異世界物質』とやらは『魔力』と同じなんだろう!?」


「なら、前長ザリーに『ヴォイド』は操れ無───」




「【人狼じんろう】も、魔法を使えるわ」


「・・なに?」


「あ・・彩佳?」




彩佳が【人狼じんろう】達を見据えて、言う。

・・何を、言うつもりだ?

彩佳が俺の方を向く。




「幹太、観念なさい。

ザレはそんな弱い娘じゃ無いわ」


「彩佳・・」




再び、【人狼じんろう】達の方へ向く彩佳。




「確証は無かったから、言え無かったんだけど・・アタシ達の仲間に【人狼じんろうの巫女】が居るわ」


「「「なっ・・!?」」」


「・・正確には『見習い』だけど。

最初は親に捨てられた恨みから、アンタ達を信じられずにいたみたいね」


「そ、そんな・・」




動揺が走る【人狼じんろう】達。

ココで源太ちゃんが前に出てバトンタッチ。

代わりに説明しだす。




「・・済まなんだ。

彼女自身の心が、決着がつくまでは言えんかったんじゃ」


「ほ・・本当・・なのか?」




人狼じんろう】達のリーダーをやっている源太ちゃんが頭を下げる事で【人狼じんろう】達も、彩佳の言葉が嘘じゃないと理解しだす。




「済まなんだ・・済まなんだ・・」


「あ・・頭を上げよ、ゲンタ殿!

以前も言ったが、我等は【巫女】の幸せを一番に望むっ!」


「そっ、そうだそうだ!」




人狼じんろう】達が源太ちゃんの前で励まし始めた。

うぐっ・・今は泣かないぞっ!




「御主はソレを忠実に守り、見守ってくれていたに過ぎぬのだ」


「【巫女】の人生を想えば、仲間達が我等を遠ざけようとするのも無理からん事」


「我等が【巫女】を御守り下さった事、感謝する」




人狼じんろう】達全員が俺達に膝まつく。

俺達も謝罪し返す。

彩佳が「 はい、ち~ん 」と言ってハンカチを渡してくる。

泣いてない。




「【巫女】として覚醒しつつ有る今、合コンの後の洗脳解除の場で俺達【三種族の巫女】として発表するつもりだったんです」


「おお・・」


「【人土じんど】や【人花じんか】みたいに、【巫女】と【人狼じんろう】がパスで繋がって無いのはザラクスさんが【人狼じんろう】のチカラを封印したから・・と」


「おそらくな。

ザラクスは、群れの誰よりも【人狼じんろう】のチカラに詳しかった」


「で、ザリー(前長)の話に戻るけど・・【人狼じんろう】である事を知る前のザレは、魔力弁異常による魔力溜め込み体質だと思って魔法を会得してったのよ」


「成る程・・確かに【狼化】の心配さえしなければ、【人狼われら】は魔法使い並に魔力を溜められる」


「ザレはあんま、そんな心配して無かったけどね。

【狼化】訓練と魔法訓練、同時に出来るぐらいの魔力源があったし」


「えっ、ドコに?

・・うぐっ!?」




無言で腎臓に裏拳は勘弁して下さい。




「本人はただの癒しだったつもりみたいだけど・・まあ、そうゆう訳でザリーが捕まっている間に【狼化】分の魔力を魔法───ってか、『ヴォイド』の訓練に使ったとしたら」


「その時間は・・有る。

腐っても、元は長。

その技術は・・有るだろう」




無い話じゃない。




「後はどうやって、ザリーが王族だけの術である『ヴォイド』を使ったか・・だけど」


「【ファフニール】の時・・颯太と最大限にパスを繋いで、6km以上先で超長距離遠隔操作魔法ブイツーロケットを操作した事があったな」


「幹太姉ちゃんの魔力の動きが、パスを通じて分かったし・・練習したら僕が、超長距離遠隔操作魔法ブイツーロケットを操作出来るのかもねぇ」




「・・うーん、やっぱ無理かなあ。

幹太姉ちゃんの魔法、複雑すぎるし」などと言う颯太だけど、颯太は天才だからなっ!

ヤれば出来るさ。


俺達が「 出来るさ 」「 出来ないよ 」と御互い誉めあっていると、彩佳に突然胸を揉まぎにゃああっ!?




「今、ディッポ団長達が命掛けで戦ってんの。

姉妹でイチャイチャしてるヒマ無いの」


「「ハイ」」




うぃーむしゅー、働きマッスル。

あと・・『三種族』の若い男達が『変に』腰を引いたり、ポケットに手を深く深く突っ込んだり───

恥ずかしそうにすんのは、コッチが居たたまれないから止めて。




「けど、今の説で言うと・・王族がザリーを中継局に、『ヴォイド』を使っているのかしら?」


「中継局・・この『ムセンキ』を遠くで使うアレか」




貴族達は、静観している。

───が、王族は攻めてきたって訳か。


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