304『初期だけ活躍したキャラだからって、弱い訳じゃ無いんですよ?』
「カンタ、美味そうな匂いだな」
「・・イーストさんっ!?
大丈夫なんですか?」
『黒い川騒動』の時に御世話になった、ウェスト傭兵団の服団長イーストさん。
Tシャツ・ジーンズ姿。
でも無精髭の似合う渋いオッサンだから、ラフさが格好良く着こなしている。
・・何故か『ヤム○ャ』Tシャツだけど。
誰だコレ着せたやつ。
ぶっとばされっぞ。
「肉体的には何も問題ない。
・・が、洗脳の方は・・な。
完全洗脳者は特に解け辛いらしい。
【変換機】を手離せない日々だな」
「そうですか・・。
でも、俺達も【巫女化】修業で大分簡単に洗脳を解けられるようになったんで・・」
「楽しみだ。
【変換機】さえ気にしないで良い体になった暁には・・オマエのチカラになろう」
「有難う御座います」
ウェスト傭兵団団長や、傭兵ギルド職員さんも向こうで俺の飯を食っている。
時期『対、街破級』と呼ばれるウェスト傭兵団が戦力になるのは心強いからな。
◆◆◆
「カンタ・・」
「皆さん・・」
「カンタ・・カンタ・・・の・・姐・・御?」
『黒い川騒動』の時、ウェスト傭兵団と共に戦ってくれた『対、破級外』『対、道破級』傭兵団の面々。
俺達との共闘の末、男尊女卑を止める事を誓った人達だ。
彼等は極限の肉体の酷使と、以前の【三種族の巫女】に触れた結果・・微かに洗脳が解けかかっていた。
「美味いですか?」
「───この料理から・・懐かしい誰かを感じる」
「御代わりは如何ですか?」
「・・貰おう」
正直、彼等の実力で歩ける距離ではない道程を、【空の口】への忠誠心だけで歩いてきた。
日常生活ならともかく、戦いはもう出来ない人もいる。
行動制限付きだけどリハビリ含め、外出許可が下りたとの事。
「どうぞ」
チャーハン・焼きソバを装う時、ソレとなく彼等を癒す願いを込めた魔力を付与し直す。
「───美味い、な・・。
・・頭の角の・・声が、頭痛が、熔けていくみたいだ・・」
「そうですか。
よかった。
この後の催し物も、見ていって下さい」
「・・ああ」
源太ちゃんと───
【人狼】達が戻ってきたら【三種族の巫女】である、俺とビタと・・ザレの三人で皆の洗脳を解く。




