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302『【人土《じんど》村】アミューズメントパークは完全制覇済みです。』


「チャーハンできたぞっ!」


「美味美味美味美味美味美味っ!」




人土じんど】、【人花じんか】、【人茸じんたけ】、【その他】の各地から集まった人達。


人土じんど村】に居る人達の為に、釜で作って作って作りまくる。


身体強化魔法フルパワー。

馬鹿デカい、一度に120人分の料理を作れる釜に、馬鹿デカいヘラを突っ込んで、ひたすらグルグルかき混ぜながら魔力を込める。


気分は料理人じゃなく、絵本の魔女だ。




「ああ───

イスカンダル(異世界ピーマン)がこんなにも美味しいなんて・・。

更に腕を上げましたね、【人土じんどの巫女】。

我等は貴女に忠誠を誓いましょう」


「そーゆーのイイからっ!

焼そば完成ぇっ!」




俺達の旅に付いてきてくれた【人土じんど】達が、出来た料理をひたすら運ぶ。


正直かき交ぜしかして無いけど・・料理は心ってな感じで、ひたすら交ぜ交ぜ。


2時間後、やっと終了。



◆◆◆



「幹太さん、ご苦労様」


「ゼぇーゼぇー・・。

や、山柄さん、お久し振───アレ?

・・んんー???」


「ふふっ、流石だね。

一目で気づいたかい?」


「なぁに?

アタシ達が前髪変えても気づかないアンタが何に気づいたのかしらァ?」


「そっ、そういうんじゃ無くて・・」




流石に、山柄さん相手に『そういう』のは───

・・いや、ソレは失礼か。


まあ、とにかく。


何やら別存在とでも言うか・・。

溢れ出る魔力量も増えたみたいだ。




「体内の【スライム細胞】を殖やしたんだよ」


「えっ?

ソレって俺の【巫女化】みたいな?」




自己再生魔法により押さえつけられている、俺の肉を食って増殖しようとする【スライム細胞】を・・自己再生魔法をカットする事で殖やす、みたいな?




「生まれつきの【人土じんど】が宿す【スライム細胞】は───ミトコンドリアみたいな共生関係だからね。

幾ら、わたし達が自己再生魔法を弱めようとピクともしないんだ。

・・だけど」




そう言って、山柄さんが錆びた砂鉄を何やらコネコネすると───

・・何という事でしょう!

ビフォー錆び砂鉄から・・アフター鉄塊になってゆくではありませんか!?




「理論的には幹太さんの水魔法───

汚水から超純水を・・水分子だけを取り出す魔法と同じ、原子を操る魔法だね」


「は・・はあ?」




物理は・・その・・ねえ?




「その『げんし』っつう奴で、具体的には何が出来るンだい?

ヤマエさんとやら?」


「幹太さんが物理学者になれば・・核ミサイルを量産出来るって、専門家が言ってたね」


「「「はあっ!?」」」


「・・・・。

・・ニホン人全員がアホ面になる、何かトンでも無ェ事だってのァ理解したゼ」




分子結合やら何やら・・専門機具だの薬品だのを使わず、魔力(想像力)だけでヤれるって訳か。


俺には酸化鉄を具体的にどう、原子操作をしたら良いのか想像の限界だけど。




「ゲーム的には、何処でも使える『錬金術スキル』みたいなモンか?」


「理論上は、どんな物質でも作れる訳ね・・」


「まだまだ【人土じんど村】の物資を、魔力だけで───っていうには不十分だけど・・。

コレで漸く、『三種族』中で唯一『三種族のチカラを使えない種族』って劣等感を感じずに済むよ」




いやいやいやっ!?




「コレだけの事、かなり無茶したんじゃ・・あっ!

量産していた【スライム】を取り込んだんですか!??」


「ふふっ♡」




「ふふっ♡」じゃねぃよ。

人土じんど村】に帰る直前、何か企んでそうっぽかったのはコレか。


たぶん【原・人土(じんど)】程には、【スライム細胞】を保持していないんだろうけど。

生まれつきの【スライム細胞】以外を取り込むのは、如何な【人土じんど】とはいえ危険なはずだ。




「ワタシからしたら・・幹太さんに同行させた【人土じんど】達が、たったアレだけの【スライム細胞】量で、あんな莫大な魔力量になる方が異常なんだけどね。

・・ビタさん達含めて」




さっき、ビタの成長した魔力と植物操作能力を見て、姉のピヒタ(人花)達が驚いていたしなあ。

( 腹イッパイ食った後で。)


今は【人花じんか】の皆で、ビタが作った巨大ツリーハウスで遊んでいる。

( イイ歳の大人含め。)




「『魔力吸収』に『魔力譲渡』・・そしてソレ等を統括する『魂の集束』ね・・。

やはりアンタは我等が【巫女】。

人土じんど】全てが仕えし主だよ」




そんなガラじゃ無いし、生まれつき【人土じんど】である特有の本能も持ち併せて無いけど・・まあ、山柄さん(じんど)達は恩人で仲間だ。


彼等を助ける為に、【巫女】が必要なら・・それでもイイさ。




「じゃあ【人土じんど】以外の問題ですけど・・」


「そうだねえ・・」




『【空の口】と魔女』とは、地球人の可能性有り。

人土じんど】の先祖、『賢者』はドイツ人との事。


『【空の口】の倒し方』は、生死を超越しているから封印のみ。


『【巫女】』とは本来、【空の口】の封印装置に過ぎない。

洗脳を解くのはその副産物。


『【人狼じんろうの巫女】』は直系の女全てが【巫女】である可能性有り。

ザレが【巫女】のチカラを最大限発揮できないのは、別の【人狼じんろうの巫女】が居るのかも。


『男だけの魔法使い』は【空の口】の食糧が『女の魔力』だから。


『男尊女卑』は、『女』が万が一にも魔法使い(食糧)に目覚めないようにする呪い。


『ヴォイド』なる、謎のチカラを王族が持つ。


『城』という、核シェルターに王族が居る。




「───ってとこだね」


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