表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
300/547

300『また、【人茸】に対する怪談が増えます。』


「ガロス様っ!」


「うむ、無事であったか」




人土じんど村】と【ジート砦村】の物流を繋ぐトラックに、【人土じんど】が二人の他───

人茸じんたけ】の傭兵一人とアスェベタ家の使用人さんが乗っていた。




「御苦労様です」


「いえいえ、大丈夫ですよ」




人土じんど】の運転手さん。

日本に居た時の本業は知らないが、長距離トラックの運チャン並みに馴れた感じ。




「ソチラの方も。

馴れないトラックな上、途中は日本式道路が繋がって無い部分も有りますし・・悪路は有りませんでしたか?」


「は───!?

・・はいっ・・!

悪路は御有りに成りませんでした!」


「・・?

貴様は何を言っているのだ・・?」




アスェベタ家の使用人さん。

無線機で聞いた声のイメージ(20代前半)そのまま・・より、ちょい若いか。

ひょっとしたら、ギリ10代かもな。

余程しんどかったのか、汗だくだ。




「お疲れでしょう。

簡単ながら御食事を用意させて頂きましたので、善き所で休憩して下さい」


「善き所で御休憩しましょうっ!」


「貴様は何を言っているのだ・・?」



◆◆◆



「じゃあ、アンタ達は暫くココの人達を助けなさい」


「分かりましたアヤカ様」


「クエッ!」


「ああ頑張ろうな、バー助!」


「( やっぱ会話してる・・? )」




山柄さんと無線連絡して二日後。


地震で、旧ジート砦から着の身着のままで脱出した【ジート砦村】の人達を放っておいて【人土じんど村】へと帰るのもアレなので、引き継ぎの人が来るまで村に色々残す。


堅い地盤の上に軟らかい土を土魔法で運び畑を作ったり、ビタが野菜を安定させたり。


彩佳の【人茸じんたけ化】アローバード達と、ソレを世話する【人茸じんたけ】の傭兵を連れてきたり。


コレでこの村の人達も毎日は無理でも野菜や玉子や食べられるようになるだろう。

村を出る準備は完了した。




「・・行くのだな」


「ああ。

俺は家族を、恩人を、仲間を、守る。

その為に【空の口】が邪魔なら魔王でも倒すさ」




ガロスが・・自身の住むテントの前に立ち、秋原家の敷地に立つ俺達の方へ向き直る。

隣はアスェベタ家の使用人。


二人とも、複雑な表情だ。




「分かった。

この村が安定した暁には、我もその戦に参戦しよう。

二千年前と千年前に続き、我等が【空の口】を倒すのだ!」


「の、乗り気だな・・。

まあ良いけど。

───じゃあ行くよ」




秋原家に足を生やし、立ち上がる。




「我が妻よ。

最後に一つだけ言う事がある」


「妻じゃ無いっての。

・・で?」




何故かこの辺の台詞で、アスェベタ家の使用人さんの顔が曇る。


自分の主が平民に現を抜かすのが許せないのか・・或いは、俺の「 貴族皆殺し 」発言が気に食わないのかもな。




「【空の口】・・つまり『城破級』だ。」


「『城破級』───」


「王族の住まう場所・・『城』。

『城』を破壊出来ねば【空の口】には届くまい」




謎の技術で作られた、『街破級』の一撃すら耐える『城』。


日本の技術で作られた山柄さんのビルは、戦闘用では無いとは言え容易く『街破級【アジ・タハーカ】』の攻撃に瓦解した。


俺の現魔力は───どれぐらいだ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ