297『友達が見せる、以外な知性にショックを受けるアレ。』
王族と貴族、強力な魔力を持つ物たち。
されど、戦力には使わない理由。
「強力な『男魔法使い』、か。
『女魔法使い』云々と・・関係あるのかな」
「【空の口】が『女魔法使い』という『肉』の前に食べる、『おやつ』的な?」
【空の口】は未だ、不完全ながら封印中のようだ。
ソレを破る為、『英雄ヨランギ』が居なくした『女魔法使い』の代わりに食べるのか?
「今のウチに、貴族を皆殺しにしたら【空の口】は復活しないかなあ」
「この説が正しければね」
あ、ガロスがドン引きしている。
( ディッポファミリー傭兵団とザレも。
俺に賛同する【人土】、俺と同じく再構成された颯太、他人に興味の無いビタやモスマンは手伝います、といった感じ。)
流石に世話になった人は殺さんよ。
無線機の向こうの、ガロスん家の使用人さんも引いてんなあ。
警戒しなくても人畜無害ですよー?
「後は『ヴォイド』ね」
「ゲーム的には『虚無』属性とかが多いよな」
「触れただけで全ての物質を消失させる系ですな」
彩佳に、オタク趣味の【人土】も交えて談義。
「何から導き出した答か分からぬが・・敵国の者が消失した、などは聞かんな。
怪我を負っていたとしても普通の傷だ」
なるほど。
戦争を終結させる程の『消失』なんて、どんな秘密主義でも隠せられはしないか。
「確か『ヴォイド』本来の意味は、『何も無い場所』みたいな意味よね。
星の無い宇宙とか」
「家だと、吹き抜けを『ヴォイド』とか言ったりしますか」
「え・・えぇーっと・・。
べ、ベルセ○クの敵、とか?」
「それボイド」
ソレ系以外の知識が何も出ない俺が・・一瞬半泣きに成りそうになっていると、後ろから別の【人土】が「 原子炉における─── 」とか、颯太が「 父さんがパソコンで─── 」とか、小声で教えてくれる。
・・どっちも分かりません。
「まあ、何か隠し玉を持ってるから気をつけなさい。
・・って話よ」
「その慰め、余計ハズかしいんだけど」
「御姉様、ワタクシもサッパリ分かりませんでしたわ♡」
「俺もッス!
安心して下さいッス!」
安心か?
まあ良いや。
「【銀星王国・首都】は想像以上に、魔都っぽいなあ」
「我等が脱出する際、細心の注意を払ってでも逃げられたのは運が良かっただけかもしれんの」
「【巫女】様、一度【人土村】に帰るのは如何でしょうか?」
「物流回復の具合はどうなんですか」
「悪か無ェぜ。
取敢ず慎ましやかに生きるなら、飢えるこたアねェよ」
人件費の要らない『親切な』労働力がだいぶ増えたしな。
「【人土村】の全トラックは勿論、個人の車まで運用していますから。
資材、薬、食糧、補充されつつあります」
「【巫女】様の武器たり得る、砂利や腐葉土、油なども集まっていますよ」
そりゃ助かるなあ。
「国境の村の商工ギルドから、魔物の素材を加工する業者も紹介されました。
【人土村】にて【変換機】で洗脳を解き、色々と享受たまわっており加工技術も上がっています」
「金属系の資材不足も解決しつつ有る訳ですね」
「ええ」
取敢ずの旅の目的は、最低限はたした訳か。
「分かりました。
検討してみましょう」




