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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
支配階級と男尊女卑・幕間
290/547

290『様々な視点・if編・③』


俺達以外、誰も居ない『筈』の夜の学校で・・『何者(すすり泣く女)』からの追跡を受けている。




「教室だっ!

みんな、あの中へ───」


「わ・・分かったっ!」




俺達のクラスへ飛び込む。

皆、教室内に入ったトコロで扉を閉める。




「・・あ、秋原さん・・?

な、馴れた感じ・・だね?」


「えっ?

あー・・そうですね」




まあ、異世界にいた時は───

特に魔法の修行中は『犬ゴリラ』に始まり、色んな魔物やら盗賊やらから逃げまくった。


逃げ足には自信がある。

・・恥じゃナイヨ?

傭兵たる者、逃げは立派な作戦だヨ?




『うっ・・ううっ・・』




・・声が近づいてきた。

ほぼ確実に、俺達を認識しているな。

彩佳を庇うように抱き抱える。




「坂ノ上さん、忘れ物を。

佐竹君は『幹太君』の忘れ物を」


「り、了解!」


「わ、分かりました!

・・み、巫女さんのお荷物・・!」


「ベランダ側から階段近くの教室へ回りこんで、さっさと脱出します」


「な、なるほど」




そうしないと、坂ノ上さんの目が有って魔法が使えないしな。

佐竹君は、別に忘れ物でもなんでも無い適当な物を俺のロッカーから持ってくる。

・・なんで「ハァハァ」言ってんの?




「颯子、『奴』との距離は?」


「二部屋ぐらい向こうだよ」


「なら颯子、手前の教室へ来たら合図を。

皆は颯子の合図と共に、ベランダへ」




皆が頷き、それぞれの姿勢を取る。

颯子が無言でゆっくり手を挙げ・・バッと振り下ろす。


ソレを合図に、皆がベランダへとかけ入り階段近くの教室へ向かう。


当然、教室には鍵が掛かっていたけど( 足の裏で坂ノ上さんには見えない位置で魔法を使い、焼き斬りつつ )蹴破る。




「秋原さんっ!?

かっ、過激だねっ!?」


「犯罪じゃなけりゃ、後で謝って弁償したら良い!」


「美しい・・」




さっきから意味不明な声しか言わない胆試しの言い出しっぺ、佐竹君は放っておいて教室の中へ。

そのまま廊下に出て階段へ。




「幹───巫女・・」


「彩佳っ!?

もう良いのかっ!?」


「ええ・・。

も、もう良いわ・・降ろして」




俺の腕の中の彩佳が、だいぶ落ち着いたみたいだ。

・・顔がかなり紅いから、油断は出来ないけど。




「アンタの『励まし(まりょくじょうと)』が効いたみたいね・・。

あ、アリガト・・」


「当然だろ」




ほんのちょっとだけ、目が潤んでいる。

・・よほど怖かったのか。




「( ───そ、それより )」


「( それより? )」


「( アンタが魔力譲渡をし始めたのと、『美術準備室にしか出ない』アレが動き出したのが・・同じタイミングだわ )」


「( そ、そう言えば・・? )」


「( 何か有るとすれば、魔力と反応する『異世界物質』の方かと思ってたんだけど・・ )」


「( 色々考えてくれてんだなあ・・。

【アジ・タハーカ】戦の時といい、有難う彩佳 )」


「( あ、アンタがチート頼りにツッ走るからよ・・バカ )」


「( 済みませぬ )」




でも確かにそうだ。

彩佳を助ける為とはいえ、考え無しに魔法を使った結果がコレだ。

もう「 幽霊なんて 」も、クソも無い。




「海野さん、大丈夫かい?」


「ええ」


「なら急いで学校から脱出しよう・・まったく、佐竹君?

さっきの秋原さんの台詞から考えるに、君が胆試しでも誘ったのだろう?」


「ご・・ゴメン」


「やれやれ・・『リ○グ』とか『着信○リ』とかみたいな目に遭うのだけは勘弁だよ」




パニックホラーとかは、希に見るけど・・ジャパンホラー系はそんなに見ないんだよなあ。




「巫女姉ちゃん、『アレ』が動かなくなったよ」


「そうか。

( やっぱ彩佳の説が正しいっぽいな。)」


「・・なんで足音がしないんだろうねぇ?」


「うーん?」


「映画だと・・浮遊移動か瞬間移動か、だね」


「どんな仕組みなの?」


「さ、さあ?

ソコまでは分からないよ、颯子さん」




奴が俺達を見失ったからか、比較的簡単に玄関まで来れた。

後は坂ノ上さんを脱出させて───




   ヒュンッ!




「危ないっ!」




何かが飛んでくる気配を感じ、咄嗟に防壁魔法トーチカを俺達の周囲展開。

飛来物を跳ね返す。




『うっ・・ううっ・・』




・・簡単には逃してはくれ成さそうだな。


③で終わらせる予定が・・年末進行だからブラックでは無い休日出勤にて、予定変更です。


済みませぬ。


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