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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
支配階級と男尊女卑
279/547

279『ずっと『御大臣様』だと勘違いしていたので、変換した時「 おおつき? ずいぶん変な誤変換したなあ」と思っていました。』


「ジキア、今回は色々と無茶ブリして悪かったな」


「ははっ・・。

ソレでスンナリあの村の女性達が【人茸じんたけ化】や【人土じんど村】へ行く事を決められたんなら、ソレで良いッスよ」


「有難うねぇ、ジキアさん」




男尊女卑により、女性がクズ男に理不尽な差別・暴力を受ける村。


そして───『ソレ』を、女性達が『当たり前だから』と受け入れている、村。


村がこんな状態だと、女性を助けようとしても・・逆に、俺達が怪しまれるだけ。


『信頼』を得る。


その為に俺達がとった作戦は、女性達が『栄養失調』だった事につけこみ、美味い(魔力付与)料理でトラウマを癒した。


・・と、同時に

『 女は男に逆らってはイケない 』というトラウマを視認で否定させる為

おれが、ジキアに命令する様』を見せ続けたのだ。


ディッポファミリー傭兵団や、男性【人土じんど】達にも、命令はしたけど・・普段から一緒に居るジキアについつい集中してしまった。




「『女』とか『男』とかって前に・・ジキアのプライドを傷つけちゃったからなあ」


「僕も幹太姉ちゃんと共に、いっぱい命令したゃったから」


「そんな・・屈辱的な命令は無かったッスし、その後ちゃんとフォローしてくれたッス」


「───彩佳とザレも、調子に乗ってちょい暴走したし・・」


「───ソレは・・まあ」




という訳で、あの村での活動は終えたし・・彩佳とザレの二人を呼びだす。




「なに?」


「二人とも!

ソコに───せ、正・・座・・・」


「なあに?」


「そ、ソコのソファーに座って!」


「・・・・・・」




颯太とジキアが生暖かい目で見てくる。

し・・しょうがないだろっ!?




「あの村の特殊事情により、俺達はジキアを・・扱き使いすぎた」


「そうね。

あ、ジキア、これ捨てといて」


「はいッス」


「それぇーーっ!」




言ってる傍から。

ジキアも、命令され馴れ過ぎちゃってるし。


そりゃ元々、ディッポファミリー傭兵団でのジキアの仕事は

『魔法使いの目を利用した交渉』

が主で、ソレ以外は皆の補助・・手伝いだった。


命令される事も多い立場だったから、仕方無い一面もある。




「まず、今後は『頼み』ならともかく・・ジキアの親切心につけ込んだ『命令』は禁止!」


「ジキアさん、立ったついでにお水を『頼み』ますわ」


「ザレ?」


「あらー?」




まあ今のは悪ノリだけど・・俺ふくめ、ジキアに甘えすぎ。




「という訳で、今日のジキアは御大尽様です」


「だ・・大尽って何スか?」




ジキアが急に

「 またコイツ、何か言いだしたぞ 」って顔をする。


大丈夫だ、問題ない。




「そこはかとなく、問題が有りそうなんスけど」


「さあジキア。

何でも俺達に命令してくれ!」


「な・・何でもっ!?」




ジキアの鼻が膨らむ。

彩佳とザレが、呆れた顔をする。

ディッポファミリー傭兵団の上世代はニヤニヤし、下世代が真顔になる。




「うん、なーんでもイイよ!」


「そ、ソウタちゃんっ!?」


「" ちゅー " とか、エッチなの以外!」


「う、うんうん!

そりゃそうッス、当然ッス、分かってるッスよ!

あははははははははははは・・はあ」




ジキアがナニやら変なテンションだ。

『エッチ』の定義は・・個々人々でだいぶ違うだろうからなあ・・。

ひょっとしたら颯太に助けられたのかもしれない。




「ち・・ちなみに・・何処までがOKッスか?

( カンタさんに )肩揉み( を、するの )は───あ、有りッスか?」


「( ジキアに )肩揉み?

そんぐらいなら全然OKだぞ」


「( 肩の下へ )手が・・す、滑る可能性も無きにしも非ずッスよっ!?」




手が滑る?

うーん、肩叩きで滑るなら多少ヤバイ( 素人がやると頚椎損傷の可能性有り、とか聞いた事あるし )かもしれんけど、肩揉みだしなあ?




「大丈夫だ、問題ない」


「ソレ、問題ある時の台詞じゃないの・・。

アタシ、ジキアの魂胆みえる気がするんだけど・・」


「奇遇ですわね、ワタクシもですわ」


「って言うかアタシ達の事、もう眼中に無いわよね」




ジキアが「 いや、待てよ・・ソレがOKならもうちょい攻めても・・ 」とか、ブツクサ言っている。

「 ッス 」は何処いった。




「アタシとザレは『ジキアに』肩叩きね。

後は何か取ってきてあげたり、ゴミ出しをしてあげたり」


「・・水・ぎ・・・?」




彩佳に話かけられても気づかないジキア。

うーんうーんと悩み続け───




「・・・・キュウ」


「わあっ!?

ジキアさんが気絶したあっ!?」


「おいっ!?

ジキアっ!?」



◆◆◆



「う、うーん・・」


「ジキア、目覚めたか?」


「あれっ?

オレ・・・・どうして?」




まだ頭がフラフラしているっぽいな。

現状を正しく認識出来ていないようだ。




「気絶してたんだぞ?

だからずっと膝枕を」


「膝枕っ!?」


「ディッポ団長がしてくれてて」


「───っ!??」




ビクンッと身をすくませるジキア。

家族愛だな、善き哉善き哉。




「どォした、祖父が孫を心配してンだろ?」


「は・・はいッス」




ディッポ団長の微笑みに、ジキアも微笑み返す。

ああ、良いなあ。

俺も源太ちゃんと父さんに会いたいなあ♡




「ちなみに・・クラッゲとナムァコの野郎共は『ソウタ御嬢チャンと一緒に風呂に入りてェ』とかぬかしやがったから、二人仲良く寝てらあ・・」


「へ、へぇ~・・」


「御姉チャン『が』肩揉みで良いな?」


「は・・はいッス・・」


「だそうだ。

御姉チャン、ジキアの肩を揉んでやンな」


「はーい」




ジキアが涙を流しながら喜んでくれている・・そうとう無理させてしまってたみたいだな。


後で精のつくモンでも作ってやろう。


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