271『また、コスり方が変に上手くて・・色々と想像させます。』
「チキチキ!
【人土の巫女】
【人狼の巫女】
【人花の巫女】
【人茸の巫女】の【四巫女】による【巫女】大会ぃ~!」
「「「 わぁ~っ、パチパチー!」」」
「わ・・わぁ~・・。
・・ってアタシ、こんなキャラじゃ無い」
何時もの屋根の上。
何時ものメンバーでお喋り。
彩佳が【人茸】としてチカラ不足を感じている。
俺もだ。
【人土の巫女】の能力は『魂の集束』。
未だ【巫女化】は成功していない。
厳密に言うと日本で暴走し【ジ・タハーカ】を相手にした時と、コッチにて女学園生徒達相手に【人土村】に集まったほぼ全ての人達の協力の元で、【巫女】のチカラは使ったけど・・。
「取敢ず───
俺はゆっくり【スライム細胞】を慣らす訓練をしてゆくよ」
「ワタクシは【狼化】の練習を」
「私はナナさんの真似をするのです。
体内に色んな植物を取り込みたいのです!」
「アタシは・・そもそも魔力操作・魔法のド素人だしね。
クワガタ達と魔力パスを通じて魔力操作の練習をしてみるわ」
すると【巫女】以外の皆が、つまらなさそうにする。
「良いなぁ・・僕も【人土の巫女】のスペアなんだし、なんかしたいなぁ」
「うーん、颯太にはあんまり面倒を背負わせたくは無いけど・・」
「いざという時、出来る事を増やしておきたいんだ!」
「そうか・・そうだな。
なら【人土】の皆さんに頼もう。
やり方は彩佳の練習方に近いハズだ」
日本で【巫女化】が暴走した時は、山柄さんに無理矢理俺の【スライム細胞】に魔力を送り込まれた。
アレが【人土の巫女】に目覚めた切欠だし、【魔力体】にとり憑かれた颯太の【スライム細胞】に俺が魔力を送ったのが颯太の目覚めだ。
アレをゆっくり少しずつ再現してもらう。
「オレも何か、したいッス!」
「チャー!」
「【ディッポファミリー傭兵団の巫女】か・・」
「お・・女じゃ無いッス」
「チャー?」
モスマンは、なあ・・。
【巫女】云々はさておき・・男女が分からないからなあ・・。
まさか雌雄同体なんて事は無いと思うけど。
「モスマン達・・といえば【人土村】に居た頃、よく分からないモノを見たのです」
「ん?」
ビタが不思議そうな顔で、合掌し始めた。
「こう・・二人のモスマンが合わさって・・」
掌を、合わしたまま横に倒し───
「横になって、スリスリと───」
「はいっ修業開始ィィーーー!!!」
「よ、よよよーし、今日こそ【狼化】を成功させますわっ!?」
「そ、そうねっ!
まま、負けないわよーっ!?」
「な、何っ!?
幹太姉ちゃん、急にナニっ!?」
颯太とビタが「 !?? 」といった表情をする。
モスマンが「チャー・・♡」と頬を染め( ? )つつ、ポリポリと掻く。
ジキアは・・なんか居たたまれない感じ。
・・アレ?
なんか意外と分かって無さそう?
( ザレは座学とかで学んでいるだろうけどジキアは・・まあ、な。)
「───せ、洗脳された人達が俺達を待っているんだっ!?」
「んぅー?
んー・・わ、分かった」
ソレは紛う方無き事実だし。
「よーし、頑張るぞぉ!」
「その意気だ!」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・。
そーゆー、増え方なのね」
「シッ!」
◆◆◆
ようやく落ち着いてきた頃。
体内の【スライム細胞】が増え、世界がウッスラと青みがかってきた。
「これ以上は俺一人で【スライム細胞】の量を弄ろうとするとヤバイからな」
しばらくこの状態をキープする訓練をしてみる。
『ドラ○ンボール』だと、常にスーパーな状態でいる訓練。
『HU○TER×HUNTER』だと凝の維持。
ただ、この訓練そのものは辛くない。
異世界に来て魔法使いになり、散々やった魔力維持訓練に酷似しているから。
この状態で皆の様子を見る。
この状態だと魔力を『点』でなく『流れ』・・すなわち、『魔法』そのものを視認出来るからだ。
「( ザレは・・やや、頭で考え過ぎだな。
魔力の一部が脳と、行ったり来たりを繰返している )」
「( ビタは・・キノコの菌じゃなくて、植物の種を体内で保管だからなあ。
(【コカトリス】が胃の中で黒キノコを栽培してたのに近い。)
小さい奴はビタの魔力と種の魔力が融合しつつあるけど・・ )」
「( 彩佳は・・なんて言うか、魔力パスでクワガタ達と『しりとり』をしているみたいだ。
相手の魔力パスの一部を取って自分のパスに変換と言うか )」
みんなの修業を客観的に見て、何となく俺のヤり方も見えてきた。




