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261『平仮名で『ことわり』と書くと、そうでも無いのですが『コトワリ』と書くと、『鶏』に見えて仕方ありません。』


「『三者を超えし者』は・・魔女よね?」


「まあ・・【スライム細胞】どころか【スライム体】とでも言うべき体とはいえ───二千年も生きているぐらいだし」




俺が【スライムプール】で溺れ、色々あって【人土じんど】になった事を(コトワリ)がどう? とか言ってきた。


魔女である己なら兎も角、人間が【人土じんど】になるのは有り得無いという意味だろう。

チート様様だ。




「魔女は全員、僕達側の世界人って事なのかなぁ?」


「「 その多くが 」が、付くとは思うけど・・たぶん」




そもそも、魔女って何? という疑問が残っているんだよな。


山柄さんも、( というか【人土じんど】が全体的に )調べていたらしいけど『【空の口】が魔女』って事以外は分からなかったそうだ。




「【三種族の巫女】に関しても、ですわ・・ワタクシでは【人狼じんろう】のチカラを───」


「私も子供なので【人花じんかの巫女】として役立たないのです・・」


「そんな事無いって。

俺達が、君等にどんだけ助けられたと思ってんのさ」




紛う方なき事実を言うと、二人が頬を染める。


俺は『三者を超えし者』の本心の謝罪を受けたからイイけど二人は───溜め込んでいたんだなあ。


次に会ったら彼女等にも直接謝って貰おうと、一人で『うんうん』と決意していたら・・っ痛あ!?

彩佳に脇腹をツネられた? 何故??




「まァ現状・・新事実が分かった所で、新たな謎が増えただけなンだろ。

なら今は、今出来る事をせにゃアならん」


「物流の回復・・」


「ああ。

国境の村に出入りしていた商人がよ・・実は、まだ何人か生きてるかもしれねェンだ」


「えっ?」


「残念ながら糞ボケ(・・・)も居やがったが・・基本、数字ばっか相手にしている生真面目な奴も多いンでな。

商工ギルドの台帳に、こンな世になってからの記帳が有った」


「記帳って・・自失した感じのですか?」




自失した人間に文字を書かせても、所謂『ミミズがのたうつ字』になる事が多い。

自失した料理人が、間違ってはいないけど微妙な料理を作るのと同じ。




「自失したのも正気なのも・・な。

自失した行商人でも、安全な行路さえ持ってたら活動(さいげん)出来てるみてェなンだ」


「正気の人は正気の人で・・自失した商工ギルド職員が、品物を受けとって金を払ってくれるんで、以前と同じ生活をしてるらしいッス」




混乱時でも平穏に。

災害時にも、出来るだけパニックにならず理性的に暮らそうという人が居る。

でも・・。




「日本で【アジ・タハーカ】の後、ちょっと話した正常性バイアスって奴なのかもしれないわね」


「ンだァ? そりゃア?」


「御姉様が【アジ・タハーカ】を退治為された後、真っ先に出た台詞が謝辞では無く罵倒だった方々が居られたのですわ」




他にも『確定している魔物の襲来』を、クチにすると半狂乱になった人達が居た。

『自分の暮らしはコレからも平穏でなければならない』という考えらしい。


ソレをこんな『世の中』で行商している人に当て嵌めると

「 こんな世は嘘だ 」

「 こんな世に居る自分は嘘だ 」

という心理から

『自分は異常な世にはいない。

だから、普段通り行商をする』・・という考え方なのかもって事か。


その事を言うとディッポファミリー傭兵団の皆が、苦笑い。




「貴族の護衛依頼で似た経験は有るの。

普段ぬくぬくと暮らしている連中が魔物や盗賊に襲われると・・無事倒し終えたのに、キレる奴が居たの」


「多少、面倒な事になるかもしれンが・・行商人が来るって事は生産がしっかりしている村が有るって事だ」




【銀星王国】から【連合】から、色々な文化を持つ人達が集まっている人種の坩堝、国境の村。


男尊女卑如き(・・)なんぞよりも、誠実な商売を心掛けている人が多かったお陰で・・洗脳中も比較的、通常運転されていた村だった。


次もそうだと良いんだけどなあ。


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