256『『三者を超えし者』・・か、格好イイ名前を貰った・・♡』
「おまえが『賢者』かどうか、【空の口】の敵かどうか・・そんなのは、どーでもイイ」
「ど・・『どうでもイイ』・・?」
俺には仲間が居る。
微塵、塵芥、コイツに必要性を感じない。
「馬鹿な・・人類から洗脳魔法を解きたくは無いのか?」
「無理なら全員奴隷にでもすりゃあ良い」
商工ギルド国境支部長は「 何だ、コイツ? 」といった顔をし。
ディッポ団長が、「 ヤレヤレ、ほどほどにな 」という顔をする。
「・・彩佳には苦労をかけるし、ザレには敵討ちをさせられ無いけど」
「ま、ヤるしか無いわよね」
「復讐心以上の物を・・学園長から、御姉様から頂いておりますわ」
「ビタには他種族の迷惑を被せちゃう事になるけど」
「【空の口】は私が倒すのですっ!」
『自称賢者』が、信じられないものを見る目をし。
ジキアが、「 あの・・オレの名前は? 」ってちょいスネた顔をする。
「物流は最低限復活させる当てが有る。
善人や弱い人を救う術は有る。
・・おまえはどうだ?」
「・・自分が、だと?」
「ちょっと前、他の村でたった一人だけ女性の洗脳を解いただろう・・そのせいで女性は襲われたんだぞ?」
「知った事では無い。
自分の進行方向に洗脳された者が居たから救っただけ。
襲われたのなら、襲った者が悪い。
自分を責めるのはお門違い」
一番悪いのは、そりゃあのクズだ。
ソレはコイツの言う通り間違い無い。
「だからって、獣の前にエサを置くマネをしておいて「 知った事では無い 」は無いだろ」
「『現行人類の目的』が、女を封印で在るように。
『貴方達の目的』が、男を犠牲に貴方達の望む世界を創ろうとするように。
『自分の目的』は、【空の口】の封印。
自分と違う事を怒るのは違う」
「ならオマエも、オマエの目的と俺達の目的が違うからって文句は無いよな?」
『自称賢者』の片眉がピクリと動く。
向こうからしたら、「 哀れなか弱き者を救ってやろう 」ってつもりだったんだろうけど。
・・だからって、自分の命令を全部聞けなんて受け入れるつもりは無い。
「ふう・・理解した」
「・・何が?」
「自分の子孫で在るなら、戦力になるかと思った。
・・が、此処まで我の強い者は要らない。
寧ろ、自分の目的の邪魔に成りうる。
───邪魔者は・・排除する」
『自称賢者』の左足がグニャリと変型したかと思うと、石床にヒビが入る。
ヒビ割れた部分から床がモコモコと波うち、変型して行き、やがて巨大な手になる。
「ひっ・・!?
オレのギルド館が・・!?」
変型は床だけにとどまらず、壁・・そして天井へと侵食してゆき───商工ギルド館が四階建てから三階建てになる頃、巨人が現れた。
「自分の・・『三者』の極々小さな一欠片しか持たぬクセに【人土】を名乗り、世界平和の担い手気取りだった愚か者。
格の違いを知ると良い」
・・ほんとコイツ、俺の仲間を貶すのが好きだな。
「自分は『賢者』にして『粘土』のチカラをも取り込みんだ。
そのチカラは『三者』をも上回り───熱っつい!?
・・・・な、なにっ???」
「ディッポ団長」
「ああ?」
「油、貰いますね」
「・・はあ。しゃあねぇな」
商工ギルド国境支部長が「 コイツ等、何の話をしてるんだ? 」って顔をしているけど・・ゴメンなさい。
しゃあねぇ、んです。
◆◆◆
「あ」
「ん?
ソウタ、どうしたのであるか?」
「幹太姉ちゃんが・・怒ってる」
「何・・?
正気の者が良からぬ事でもしていたか?」
ううん。
そういうんじゃ無いっぽいな。
「・・コレは───敵」
「て・・敵っ!?
魔物が・・この中にっ!?
そんな・・どうやって・・!!」
「い・・行くぞ皆!
ソウタも早く・・・・ソウタ?」
「別にイイんじゃ無いかなぁ?
ディッポ団長の命令は『ココを守れ』なんだしねぇ」
「だ・・だが、カンタが戦ってい───」
その時、国境の村中から・・とてつもなく巨大な火柱が上がった。
この村全ての油が炎上しているのかな?
安心して、幹太姉ちゃん。
コッチは僕が守るから。
幹太姉ちゃんの戦いの邪魔者はみんなヤッつけてやるからね♡
◆◆◆
「なん・・な・・なな・・っ!??」
【連合】から【銀星王国】から集められた、莫大な量の油。
石油コンビナートとかの程じゃ無いけど・・。
「来いよ、『三者を超えし者』とやら。
俺は秋原幹太。
オマエの言う一欠片、【人土】の【巫女】だ」
【空の口】前の肩慣らしにしてやる。
【アジ・タハーカ】編を書く前に『シン・ゴ○ラ』を見る機会が有ったのですが
「絶体小説に影響出る」と思い、見ませんでしたが『某、地上波初放送』にてついに見ました。
確かに政府の会議・会見辺りは影響受けただろうな、とは思いますが・・一番は、ウチのゲロインにあのゲロを吐かせたかった・・。




