24『おかしい・・前話を書き終えた時は超カッコいい主人公無双を書くつもりだったのに・・?』
無詠唱の方がスタイリッシュでカッコいいという転移転生者さんも居ますが、声を大にして言いたい。
「必殺技は叫べッ!!!」
「天啓脚っ!!」
ソレは空から舞いおりる光の螺旋。
魔物たちが目も眩まんばかりの光の中で、拉げ捻れる。
光が晴れた時、中のモノは何一つ動くことなく・・いや、ソコに佇むは───光より尚も輝く神秘的な美少女。
「全力・大小自動追尾魔法!!」
ソレは天の怒りか世の終焉か。
アメツチの全てが火炎に包まれ、一帯の魔物たちが灰すら残さず燃え尽きる。
いや・・爆炎の中から現れるは───炎すら凍りつくような絶世の美女。
「お・・おおっ・・・!
なんと美しい・・・・・」
「お母さんっ! 女神さまだよ!?」
「女神・・女神様・・・・!」
「我等を救いに女神が降臨なされたのだ・・・・・!!」
「ぜぇ・・ぜぇ・・・。
あ、あんた等大丈・・・・ぶオェェエッ!?」
「わあっ、幹太姉ちゃん!?
ゲ○袋、ゲ○袋っ!!」
◆◆◆
うぅ~・・コッチ来てから魔法鍛練ばっかで武術鍛練、数える程しかやってないからなあ・・。
少しは体力作りもしなきゃ・・。
( この摘まめるお腹もなんとかしなきゃな・・。)
北の村は『塀』と『濠』で村を囲み防衛していてるんで、魔物は入口さえ防衛してりゃあ───おえっ。
「そ・・颯太、スマン・・ぇう。
俺は・・この入口で・・ぼう・・・防衛の魔法撃ってるか・・・おぶっ!?」
「う、うん・・分かった。
無茶しないでね、幹太姉ちゃん!」
「・・す・・凄まじいな・・。
あれだけの特大魔法をブッぱなせば魔力切れで体調も───」
30代前半ぐらいの傭兵が感嘆しながらきた。
この人、俺を差別的な目で見てこないな。
( 俺の口元や足元も見てこないけど。)
───けど、魔法使いじゃないみたいだ。
俺と颯太や、ジキアなど・・『超高性能嘘発見器』でも無いと、イキナリ現れた女をイキナリ善意的には見る訳も無く、かなり懐疑的だ。
「・・ふぅ・・ふぅ・・ウプッ。
いや・・コレは急に走っ・・ェリャ・・た・・から胃がビックリしただけでレレレ・・。
魔力はそんな・・あ、パンツァーファウスト・・・グブッ」
「な、なるほど・・・ドカーンと・・」
助かった村人達も最初、『女神』なんつってきて思わず後ろを見るぐらい俺の方を期待に満ちた目で見て( そしたら颯太が居たんで納得しかけた )一瞬、凄い善意をかもし出す・・んだけど、なんで?
俺の回り( と、口元 )を見てガン引きしている。
特に男。
デレ~っとして近づき・・スゲえがっかりしている。
誰か今、『ゲロイン』とか『酸女神』とか言った?
逆に女性陣は子供もオバサンも神々しいモノを見る目から親しみの目に変わり、「 若い娘がムチャしちゃイケないよ 」 と心配してくれたりする。
「 女神さま、コレ! 」 と、国境沿いの村で母娘で行商をしていた時に出会った娘さんが果実水を持ってきてくれた。
良かった、無事だったんだ。
母親の方は怪我したみたいだけど、そう大したことはないらしい。
「い、妹サン? は、放っておいて良いのか?」
「んぐっ、んぐっ・・ぷはー・・!
・・颯太の心配をしてくれて有難う御座います。
でも妹はこんぐらいで吐いたりしませんよ!」
「いや、そこじゃ無いんだが・・・。
『道破級』だけじゃなく『村破級』の奴もいるん──」
「ココへ来る途中、馬鹿デカい猪ニ頭ならヤりましたけど?
・・あ、今、空飛んでるアレが最後の三頭目ですね」
「あ・・あんな小さな幼女が・・・!?」
「・・ソレ、本人の前で言わないで下さいね?
この国の人からは幼女っぽく見えても9歳ですんで。
彼女、気にしてるんで」
「いや、そこじゃ無いんだが・・・」
わざわざ叫ばなくても、もちろん魔法は使える。
しかし「より威力が出る気がするから」という理由で彼は厨二になった。
そして魔法の破壊力は飛躍的に上昇した。
覚悟や制約によって魔力が向上することは多い。




