237『普通のロードローラーが道を均す横を通るだけでも中々の迫力なのに、自分の直ぐ周りの地面が陥没するサマは恐怖です。』
元の『237話』と『238話』を合併しました。
分かりづらくて申し訳有りません。
〔今の魔力レーダーの技術では地下に潜った魔物の魔力は地上の魔物に紛れて、判別出来ません!〕
変な動きをして『只の撹乱』と思わせた『第四波の魔物』はこの為の前フリか。
・・けど源太ちゃんから、地中を移動する魔物と戦った経験は聞いてある!
「地下の魔物はたぶん【ノヅチ】!
『村破級』だけど地中移動する能力が面倒くさいだけで、そんなに強くはない!」
たぶん『村破級』故か、数は多くない。
貴重な【ノヅチ】を確実に敵陣奥まで贈る為に地上の魔物で隠したんだな。
「姿が見えないから魔力を視認するしか見つけられ無い!
この辺りは俺が引き受ける」
「分かった!
【人花】は地中に植物の根を、他の者は地上の魔物から【人花】を守れ!」
「「「はい!」」」
味方のパスが無く、モニターの魔力レーダーに反応があった場所を穿つ!
「締固め魔法、締固め魔法、締固め魔法だぁっ!」
「無駄無駄無駄な勢いでロードローラー呼ばれたら・・エグいわね」
流石にモニター越しだから、ピンポイントで狙えない。
然りとて攻撃範囲を広げると、まだ移動しきって無い味方に被害が出る。
「幹太姉ちゃん、僕も行ってくる!」
「頼む!」
颯太は、まだ味方の居る場所を。
俺は、【人土村】南側を。
【人花】は、北側を。
残りの皆は、フォローに回り対処する。
「種さえ分かれば大した事はない!」
◆◆◆
「締固め魔法!」
「流星脚!」
最後の轟音が鳴り響く。
【人花】に任せた北側も無事、【ノヅチ】を全滅させたらしい。
源太ちゃんも戦場全体を駆け回って、地上の魔物を殲滅させていたけど問題は無いっぽいな。
「御姉様、お疲れ様ですわ」
「いやあ・・。
今回はザレ達に謝んなきゃなあ・・モロに『急いて事を仕損じ』かけた」
「そんな・・仕方有りませんわ、御姉様」
「そうですよ【巫女】様!
【巫女】様の使える魔法を考えれば」
〔甘やかすンじゃ無えよ〕
無線機の向こうから聞こえる声───
「ディッポ団長!
目覚めたんですね!?」
〔まあな。
寝たきりだったとかで、体は殆んど動かねェがよ、ガッハッハッ!〕
〔ディッポ団長、細いねぇ〕
颯太も魔物を殲滅し終えて、ディッポファミリー傭兵団が乗るトラックに乗っているっぽいな。
【ノヅチ】が出て一番最初、トラックの直ぐ近くを通過した時・・おそらくは同乗するジキアが地下から漏れでる魔力を肉眼で見てタイミングを計ったんだろう。
「出来るだけトラックに振動が行かないよう、地面を締めたんですけど・・」
〔ああ、オレ等は無事だがよ〕
〔トラックは回りがドーナツ状に地面が陥没して動かせないから戻して欲しいんだ、幹太姉ちゃん〕
「分かった」
取敢ず、トラックの進行方向の地面だけ土を集めて橋を作る。




