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236『隣市の山に採石所が有るのですが、遠くから見るとソコだけ明らかに山の形そのものが違います。』


≪ギュイイイン・・ギュイイイン・・≫




「魔物襲来のサイレンか?」


「予定より、ちょっと早いわね・・?」




家から出て、みんなの様子を伺うと・・父さんが女生徒に怒っていた途中だったみたいだな。


マジ切れじゃあ無く、「 若い女の子たるもの、貞淑を─── 」といった・・まあ、近所の悪ガキに注意するのに近いのか。




「父さん!」


「幹太!」


「今のサイレンは『注意警報』だけど・・ひょっとしたら予定より早く『警戒警報』が鳴って、出発する事になるかもしれない」


「ああ、そうだな。

さあ、みんなも【人土じんど村】へ行く準備をしなさい」


「はい、旦那様♡」


「旦那様では無い!

・・では幹太、颯太、彩佳ちゃん、ザレちゃん、ビタちゃん、無事でな。

決して無茶はしないように」




父さんに一目惚れした女生徒もそうじゃない女生徒も、父さんに従い【人土じんど村】へ。


人土じんど】の皆も、付いてくるメンバー以外は名残惜しげに帰ってゆく。


残ったメンバーで会議。




「他の【人土じんど】の方々と、ディッポファミリー傭兵団の皆は?」


「今後の命運を左右し得る旅ですから。

皆、準備をしっかりしているようです」


「日本で言う『急いては事を仕損じる』ですわ、御姉様」


「そうだな。

魔物に注意はしなきゃイケないけど、準備をおざなりにしてもイケない。

・・皆さんに慌て過ぎぬよう、と」


「分かりました、【巫女】様。

秋原家の準備そのものは、旅の途中でも出来る物を残すのみです」


「了解です」




さて、俺としては心構えをするぐらいか。


屋根のソーラーパネル整備用、かつ、見張り台として残された足場に上がる。




「どうもアッチの方角みたいね」


「ああ、あの砂埃っぽいのか」




この辺の石は大分使い果たした。

今すぐ俺に攻撃出来る手段は無い。

取敢ず意識するだけに止める。



◆◆◆



定点カメラの映像も、この距離なら受信出来るようにしてくれてある。


映像には【人土じんど村】の警備隊・・ペリオラさんと【人茸じんたけ】傭兵団を前衛に、女生徒達と【人花じんか】が後衛に、その後ろで【人土じんど】がバックアップ。


魔物の第五波に備える様子が、居間のテレビに映っている。




〔第四波、当初の予定通り第五波と合流。

各員、注意せよ〕




流れる村内アナウンス。

魔力を捉えるレーダーもあらかた完成し、然程不意打ちにはなってい。




「一・二・三班は北、四・五班は北西。

残りはココで待ち伏せる」


「「「はいっ!」」」




衝突。

一瞬で魔物の群れの最前線を蹴散らし、その侵攻を止め───




〔・・・・っ!?

魔物の侵攻、止まりません!

突破されました!!〕


「はあっ!?

何を言っている!

現にこうやって目の前に魔物の群れが・・」




なんだ・・!?

今・・魔物の魔力が分裂したっていうか、上滑りしたっていうか・・。


確かに映像にはペリオラさん達が全ての魔物を抑えてるいる様子が映る。


姿の見えない魔物の魔力だけが【人土じんど村】に───




「・・よく分かんないけど、俺達も出発!

魔法が使える場所に移動する!」


「幹太姉ちゃんっ、みんなはっ!?

旅の準備がまだ・・!」




最終的な旅の物資は、同行するディッポファミリー傭兵団と【人土じんど】達が持ってくる手筈だった。

・・けど。




「正体不明の魔物を倒す為だ、裸一貫で───」




〔御姉チャンっ!

今すぐオレ等を押し潰せぇ!!!〕




村内アナウンスから聞こえる声・・。

まわりの皆は「 誰? 」とキョトンとし。

颯太は・・目を丸くし。

俺は───




「『締固め魔法(ロードローラー)』っ!!!」


≪ぶギュうぁっ!?≫




皆が一瞬パニックになるけど無視!




「敵は地上と地下、直前まで魔力レーダーで一つの群れに見えるように移動しています!」


「わっ、分かりました!

さ・・作戦本部、敵の正体は───」




地面を押し潰すだけなら土操作魔法で土を消費しない。

家を移動させなくとも攻撃出来る!


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