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230『【巫女】とアイドルの差は微妙です。』


「【人土じんど村】に、ソレと分からないように警備を用意して貰えますか」




各々が乗っていた車に戻った所で【人土じんど】の連絡係に頼む。




「あの人数の捕虜ですから、大々的な警備でよろしいのでは?」


「傭兵団は嘘をついている人は居なかったんで大丈夫です。

・・何か有ったら自己責任で俺が何とかします」




彼等は肉体的・精神的に、憔悴しきっている。

万が一の時は・・まあ、問題は無い。




「リャター商会・・というか、【人狼じんろうの巫女】候補の彼女等に対して、です」


「彼女達の警備?」


「自分で言うのも何ですけど・・【人土みなさん】にとって【人土の巫女(おれ)】は大事ですよね?」


「「「もちろんっ!」」」




皆が一斉にコッチ向く。

運転手は運転しろ。

警備担当は警備しろ。


・・その・・恥ずかしい。




「【人狼じんろう】にとっても、彼女達は・・大事でしょう?」


「ソレは・・そうでしょうね」


「一応・・以前、【人狼じんろう】の現リーダー(水色ジジイ達)に『以前の生活』の保証はする・・とは言われましたが」


「なるほど・・。

彼女達が覚醒すれば暴走は有り得ますね。

斯く言う私も・・【巫女】様が覚醒なされた当初は年甲斐無くはしゃいだモノです」




車内の他の【人土じんど】達も「 てへへ 」と笑う。

やめろ。


・・その・・恥ずかしい。




「【人狼じんろう】には悪いけど・・俺は彼女達を取ります。

彼女達が【人狼じんろう】を直に見て、悪感情を僅かにでも抱いたなら・・」


「【巫女】様の御意志は理解しました。

人狼じんろう】にも彼女達にも気づかれないよう、警備を要請します」


「御願いします」




元々、故郷の家族仲間同士だったビタは以前と変わりは無いっぽい。

俺は・・まあ、戸惑う時もあるけど問題は無い。


彼女達にはフラットな状態で出会ってもらい、良い出会いになったらな・・とは思う。



◆◆◆



「ザレ・・久し振りね」


「アヤカこそ、久し振りですわ」




この二人もよく分かんないなあ・・。

出会いは割と最悪だった気がするけど何時も一緒にいる。


そりゃザレからしたら言葉も通じない異世界だから知り合いと居たいのは分かるけど・・なんだかんだでリャター夫人より長い時間一緒にいた気がするし。


彩佳もなあ・・正直、日本で俺達は俺達以外では上部だけの付き合いが多かったトコは有るんで、本音をブツけあえる女友達は貴重なのかな。




「じゃあザレ、俺は戦いの準備が有るから。

彩佳、後は頼む(・・・・)


「ええ、分かったわ(・・・・・)




人土じんど】は勿論、【人花じんか】も戦いの疲れを癒しているこの場所に・・ソレと無く、【人狼じんろう】は遠ざけている。




「御姉様、【巫女】の話は・・?」


「今はビタも戦場に居るしな。

まずはリャター夫人の手伝いと、他の女生徒の手伝いをしててくれ」


「分かりましたわ」




戦場は変わりない。

ピンチでは無いが、安心も出来無い。


現代科学の粋で作られた防壁の中に、この大陸最高峰の戦力が集められている。

戦闘力は問題ない。


けど・・この国の99%以上の人間が洗脳され、食料品・医薬品・武具・生活用品の補給はリャター商会に任せっきり。


ハッキリ言って戦況は五分五分と言わざるを得ない。




「俺自身もなあ・・。

炎や土以外の、資材を使わない魔法を覚え無いと・・」




パッと思いつくのは風魔法だけど・・竜巻は味方側への影響がバカに出来ない。


ニュースでよく見る家を吹き飛ばす威力だと飛来物が恐い。

( トンでもない距離から柱が槍の様に突き刺さる映像とか見ると、な。)


ゲームでは有りがちなウィンドカッターは・・あれ、どんな魔法なんだろ?


超圧縮した空気の球は・・ソコソコのダメージを与えられたけど、炎や土とは比べモノにはならなかったし。


真空を膜で包んだ物をブツけた時は、その膜でダメージを与え・・真空では大したダメージを与えられなかった。


限定空間を真空にするのは・・消費魔力と範囲とダメージが割に合わない。


イメージだと真空空間に入った瞬間動きが止まり暫くしたら窒息死するのかと思っていたけど、時間がかかる。


オマケに死んだと思っていたら気絶していただけってケースも多い。


「事故で真空空間に30分閉じ込められた人が障害も残らず気絶していただけ、って話を聞いた事があるわ」


とは彩佳の弁だけど・・。


とにかく早晩何とかしないと、魔物の数次第では俺に攻撃手段が無くなってしまう。


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