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229『「この中の誰が【人狼《じんろう》】なのか・・」「なんか別なモン想像してないか?」』

登場人物の誰も気づけない『とある裏設定』にほんの少しだけ触れる話なので、どのタイミングで出すか悩んでいるウチに書き忘れた話の1つが


『世界に10と無い『対、街破級傭兵団』は各大陸等に1~2組しか居ない。

主人公の居る大陸には『ペリオラ傭兵団』のみ』


という話です。

この世界の航海技術はソレ程高く無く、前話に出た大侵攻に参加云々はこの大陸の傭兵団だけの話です。


魔女の守護者を自称する完全洗脳者。

今までは捕らえたなら「 殺せ 」と言いつつ、呪詛を吐き続けてきた。


だけど彼等に・・差こそ在れ、『あきらめ』の感情が見える。




「どう、思いますか?」


「そうね~・・確かに、今までの完全洗脳者とは違うと思うわ~」


「ソレが即、洗脳が解けかかっていると判断してよろしいのでしょうか?」


「うーん・・。

嘘はついて無いんだよなあ・・」




完全洗脳者も感情 ( = 思考 ) は操作されても、真偽だけは正常に見えていた。

ザレの言葉も一理あるけど、感情を操作出来るからって真偽までも制御できるのか?




「感情による魔力の動きは、飽くまでも本人から漏れ出るモノ・・だからある意味、逆流(せんのう)できる訳で───

真偽で魔力が歪むのは・・もっと自然現象に近いって言うか」




上手く説明できないけど、少しだけ違う。

魔法使いで無くとも魔力は使えるけど運用法はちょい違う感じかなあ?




「───ふん。

我・・()等は魔女に見捨てられたのだ・・。

日に日に、魔女の声が聞こえにくく為っていき・・今、止めに貴様等に捕まったから・・」




魔女の声・・か。

人茸じんたけ】もそんな事を言っていたっけ。


ただ、『声が聞こえにくい』云々は・・この距離をひたすら歩いてきたんだ。

疲労を癒し続けた結果の『魔力欠乏』じゃないかな。




「以前、ジキアの母親のリラキアさん達ディッポファミリー傭兵団の家族を助けた時に魔力吸収をしましたよね?」


「ええ。

魔力吸収をしている間は微かに意識が戻りました。

【巫女】様の想像通り、魔力欠乏による洗脳の弱化はあるでしょう・・ですが」




『微かに』意識が戻った程度にしてはソコソコ、話が通じている。


『魔力欠乏による洗脳の弱化』。

叱る後、今の捕物の最中に『ナニか』が有ったと見るべきか。




「仮に洗脳が解けかかっているならば。

貴女に心当たりは有りますか」




ザレの乗るトラックを運転していた女学園卒業生と思われる女性が問うてくる。

冷た恐い、出来る秘書って感じ。




「うーん・・心当たりねえ。

現状、洗脳を解く手段は───

①『三種族』の【巫女】

②【変換機】

③俺の【巫女化】

④彩佳のキノコ

⑤【モスマン】の繭と【人花じんか】の花

───で・・可能性は①・・かなあ?

( 大穴で④。

彩佳の菌糸が付着していた、とか )」


「③の可能性は?

貴女が無意識に、或いは暴発させた可能性は?

②の可能性は?

今、この場には私を含め【変換機】を着けている人が複数居ます。

⑤もココが半分、森である以上───」


「えっ? えっ?」




秘書っぽい人が矢継ぎ早にまくし立ててきた。

ザレとリャター夫人が「 まあまあ 」と宥めるが・・正直ビビった。


なるほど、俺が短慮だった。

コレが真の出来る女か・・。




「あ~ん、だってだってリャター会長もザレちゃんも・・ずぅーっと彼女の話ばっかりなんだも~ん!」




・・・・。

・・そういえば女生徒達って、ちょい御調子者気質の娘が多いよなあ・・。



◆◆◆



「無意識に出来る程、慣れた技術じゃないですし・・暴発したにしてはパワー不足ですね」


「【変換機】も・・その程度で洗脳が弱まるなら貴女達の苦労は無いわ~」




森も、魔力の流れは普通だしな。

彩佳の菌糸も・・【人茸じんたけ】独特の雰囲気が無い。




「・・という事は───

この中に【人狼じんろうの巫女】候補が・・居る?」




当然、俺と【人土じんど】とリャター夫人は除外される。

ソレ以外の人・・ザレを含む女生徒と卒業生か。




「でもソレだと、女生徒達と順番が逆だなあ」


「逆?」


「女生徒は最初に【人土の巫女(おれ)】【人狼じんろうの巫女】と触れあい・・後で【人花の巫女(ビタ)】と触れた」


「そうですわね」


「今、ビタが居ないのに洗脳が解けかかった・・って事は先に【人土おれ】と【人花ビタ】、次に【人狼じんろう】って事だよな?」


「な、なるほど」




当時、【北の村】には素材回収班に素材売買班など【銀星王国】中から人が集まっていた。


中には単身赴任ではなく、家族で出稼ぎに来た者も多く、幼児もそこそこ居た。


俺達が【北の村】へ寄る直前に、ビタが【アルラウネ】退治で魔物の森へ行く前に【北の村】で補給した可能性も否定出来ない。


彼等に、洗脳の解け具合の差があるのはビタと接触したか否か・・か?




「【北の村】で彼等と接触しなかったのは───」




あの場合に居なかった卒業生達は勿論、ザレ他3人の女生徒が手を挙げる。




「取敢ず、ココでコレ以上の検証は無理だし【人土じんど村】へと行きましょうか~」


「そうですね。

余り向こうを待たす訳にもいかないですし。

・・皆にも付いてきて貰います」


「捕虜として、仕方あるまい・・」




人茸じんたけ】の人が『彩佳が間に立つことで、【空の口】の声が聞こえにくい』と言い、ソレだけで人の感情を取戻していた。


彼等も人と魔女の守護者の感情が混ざった存在っぽい。


貴重な情報源なので、多少タイムロスをしてでも連れて帰る。


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