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224『後に鳥と兎が加わります。』

 

「オレ・・もう24年生きてんのに彼女が出来ないんですよねー」


「───」


「えっ?

クワッガー先輩、2歳なのにもう彼女いるんですか!?」


「───」


「しかも3匹も!?」




「( ・・会話してる? )」

「( でも・・他に誰も居ない、よな? )」

「( 一人言・・だよね? )」


人茸じんたけ】の一人で、特に【人土じんど村】の中に、知り合いの居ない・・何処かの傭兵団員。


そんな男が───

人土じんど村】に俺達が帰ってきた時、誰も居ないハズの場所で喋っていた。


ただ・・同じ【人茸じんたけ】というか───一匹のクワガタが居た。


「( まさか・・ )」「( いや、幾ら何でも・・ )」と、思いつつ・・恐すぎた。


俺は勿論、道行く ( 【人茸じんたけ】以外の ) 全ての人がドン引きしている。

正直・・今からヤりたい事のジャマだ。




「( あ、彩佳・・何とかしてくれよ )」


「( じ・・【人茸じんたけ】で一括りしないでよ!?

アタシ、あそこまでクワガタ達と会話できないわよ! )」


「( で・・でも、彩佳の担当じゃん!?

聞いてきてくれよ!? )」


「( あ、飽くまで、パスで繋がってるだけで、言葉なんかはちょっと・・ホラ!

アンタと【モスマン】の関係に近いっていうか・・? )」


「( そ、ソレこそ一緒にしないでくれよ!? )」


「( チ"ャ"ァ"ァ・・ )」




俺と【モスマン】はパスは繋がっているけど、ソレは他のみんなと同じ・・家族や仲間や恩人と同じ繋がりで、だ。


違う生き物だからこそ、それでも認めあえる仲間というか、種族を超えた友情というか・・。




「( チャー )」




【モスマン】も、こう言っている。

あんな『ガチ』の・・同一視はしていない。




「( ・・儂からしたら、幹太も大概じゃがの )」



◆◆◆



「えーと、皆さん。

まずは魔物の襲撃の第一波を凌いでくれて有難う御座います」


「殆んど貴様の手柄だ。

なんだあの手際は・・『対、街破級傭兵団』というのも信じざるを得まい」




ペリオラさんが腕を組み、唸りながら「 やはりペリオラ傭兵団に入らんか? 」と聞いてくる。

入らんよ。




「でもまあ・・俺のため、【巫女化】制御のヒントを得るため、時間を稼いでくれたそうで・・皆にお礼を言いたいと思います」


「おお・・という事は【巫女】様───」


「カンタ先生・・!」


「カンタさん・・!」




皆が希望の目で見てくる。


人土じんど】は主従の目を。


女生徒達や【モスマン】達は他の女生徒達を。


受付さんはウエスト傭兵団を。


ペリオラさんはペリオラ傭兵団を治す光明を見た目だ。




「ただ俺自身の未熟もあり、皆さんに頼る所が大きい手段です。

取敢ず第二波が来る前に休憩をして下さい」




人土じんど】の料理人達や父さんにディッポファミリー傭兵団の奥様方が立食パーティーの感じにしてくれている。


最後【人花じんか】がキラキラした目で見てくる。


うーん・・完成した料理に、過度な味の継ぎ足しはなあ・・。




「【巫女】様、我らはお気に為さらす」


「・・って言うか、【人土じんど】の皆さんも欲しいんですよね」


「はは・・まあ、はい♡」




別にイイけど。

みんなの体力魔力の回復優先だ。

結局、ほぼ全ての料理に魔力付与をした。


人土じんど】が絶叫し。

( 突然叫んだんでビビった。)


人花じんか】がホワホワし。


人狼じんろう】が遠吠えし。

( 突然吠えたんでビビった。)




「幹太姉ちゃん、僕もねぇ・・なんかねぇ・・あは♡ あはは♡

あははははははははははははははははははははははははははははははは♡」


「ちょっ・・ちょちょ、幹太!?

颯太は大丈夫なのかい!?」


「た、たぶん同じ【人土じんど】で、同じ【巫女】で、魔力吸収が苦手だから・・かな?」




体内の魔力を見るに、問題は無い。



◆◆◆



そんなこんなで、休憩が終わり。

・・いよいよ【巫女化】実験だ。




「この中で彼女達の事を知らない人もいるでしょうけど。

先に自分の大切な人の治療を優先してくれという人もいるでしょうけど」


「全てカンタさんのお陰なので、お気に為さらず」


「うむ。

今は貴様の望むようにせよ」

 

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