22『アルファベットが無い世界観なのでA級B級ではありません。』
「お前はウェスト傭兵団の───
ど、どういう事だ!?」
「【北の村】で魔物の大量襲撃です!
『村破級』が3体、『道破級』が100体以上、『破級外』は数しれずです!!」
「『村破級』が3ッ!?」
「『道破級』も100ってなんだよ!?」
『○破級』とは。
その○の場所が、その魔物一匹で破壊される ( 使えなくなる ) 目安。
『破級外』 弱い
『道破級』
『村破級』 ↑
『街破級』 ↓
『城破級』
『国破級』 強い
・・の順。
【犬ゴリラ】が一匹で『道破級』、群で『村破級』ぐらい。
前の世界の感覚だと───
野犬が『破級外』の平均、
熊が『道破級』の平均程度か?
( 熊と遭遇した事無いんで、恐らくだけど。)
たぶんゴジ○が『街破級』ぐらい?
『街破級』と『国破級』の間に『城破級』があるのは、この世界の『城』とは対核シェルター並の防御力があり『街破級』の一撃すら耐えるから。
現代人が作ったのではなく謎の技術で古代から存在するらしい。
(『城』が『対核シェルター』っつうより、『対核シェルター』が『城』になった・・・が、正しい?)
ただし、『街破級』なんて百年に一度単位でしか出ていない。
『城破級』は、全ての国の全ての歴史を見ても二千年前と千年前の二回のみ出現した魔王・・通称【空の口】だけ。
『国破級』は・・・・まあ、村・街ときたら次は国だろうってだけで創られただけらしい。
( おそらく各宗教が、ウチの神サンを怒らせた時の天罰は国を破滅させるぐらい強いですよ~、っていう為のランク? )
「ディッポファミリー傭兵団が『対、村破級』だよな・・・!?」
「今、ディッポファミリー傭兵団は!?」
「ファミリーのみんなは───」
今、ディッポファミリー傭兵団は家族のあるオッサン世代が街に居るのみ。
彼等は全員、長旅により消耗している。
ディッポ団長もああ見えて、結構ボロボロだったのだ。
残りのメンバーは、この【銀星王国首都】を素通りして次の南の街に向かっている筈。
魔物の大量発生している真反対の、【北の村】には間にあわない・・か。
「今居る『村破級』傭兵団は一組のみ!
なので、それ以外の手透きの傭兵団には『道破級』の数減らしに専念して貰ってますが・・『対、破級外』の傭兵( 田畑を荒らすウサギをなんとか捕まえられたり猪をなんとか狩れるレベル )も多くて・・・・!」
「ば、馬鹿言え・・!
『村破級』3体、『道破級』100体以上なんて・・・」
「幹太姉ちゃん、【北の村】って・・」
「ああ、【国境の村】の母娘・・!
北はあっちだな!?」
「行こう、幹太姉ちゃん!」
「ちょ・・馬車の用意がまだ・・」
「「超速歩魔法っ!!」」
──ドゴンッ!!!──
「「「・・は? 消え・・??」」」
◆◆◆
久々の超速走魔法!
秋原甲冑柔術と身体強化魔法の実力を上げた颯太はアレから更に速くなった。
「颯太、もっと速度上げても大丈夫だ!」
「うんっ、幹太姉ちゃん!」
でも俺だって、吸着魔法の練習による作用反作用・引力斥力・慣性の強化や、『魔法複数同時使用』による魔力効率最適化など、颯太とは別の手段で速くなっている。
今の颯太にも、置いてかれる事はない。
今の自分達が時速何km出てんのかは分からんが、爆走車みたいなモンか。
そのスピードで人混みの中を、誰にもぶつからず走れるんだ。
馬車より速い!




