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213『彼は彼自身のチカラで立ち上がる事が出来ます。』


「え~っと・・。

この薬草と・・こっちの薬草と・・水分補給を直腸───この蔦と・・」


「おいっ!?

今、何と言った!?」




ザラクスさんが【空の口】の声を聞き、気絶したトコロをピヒタ達が通りかかり、助けた・・らしい。


その手段を聞く。




「あー、ソレは大丈夫。

点滴ってので、水分補給は出来ているから」


「見たことあります。

人体からミミズが出てるみたいなアレですね」




言い方。




「なら後はコレとコレですね」


「ぱっと見、ただの草花だなあ」




幾つかは【モスマンの繭】の部屋に飾った花っぽい。


源太ちゃんは初めて異世界へと来た時、目の前に自身の三倍近い背丈のタンポポを見たらしい。


そーゆー・・見た瞬間「 異世界っ! 」って唸るような植物 ( パッ○ンフラワーみたいなん ) を、ちょっとだけ期待していたんだけどな・・。


んで、病院。

60代のジイサンが寝ている。

記憶にある、「 ガッハッハッ 」と笑う姿と比べて・・いささか痩せ衰えていた。




「ディッポ団長・・」




分かる限り、【空の口】の声を聞いて気絶したのは三人。


一人目は、【人花じんか】に助けられたペリオラさん。


二人目は、奴隷として使うために敵自身が何らかの手段で目覚めさせたリャター夫人の夫のサルキマオさん。


三人目のディッポ団長には【変換機】を着け・・魔力は安定したモノの、未だに目覚めない。


なので、ペリオラさんと同じ方法を試したい。




「ディッポ団長の様子は?」


「有りとあらゆる検査において、肉体的には問題ありません。

医学的には肉体年齢40代ほどの超健康体です」


「40代・・」


「幹太?」




んーん?

なんでもないよ?

まだ起つ(・・)のかなあ・・とか考えてないよ?




「と・・となると、魔力的異変かあ」


「その観点でいうと今までの我等の極小魔力では観測出来なかった、ココの魔力の流れが微かに・・」


「言われてみれば・・誤差の範囲内とはいえ、妙に強い・・かな?

コレは───自己再生魔法?」




ディッポ団長は魔法使いではないので、飽くまで " 擬き " だけど。




「そこでこの草です」


「エリ草みたいに、魔力を持っているんだな」




「 エリ草 」と言った一瞬、【人花じんか】がピリッとなる。


そういやエリ草って【空の口】が【人花じんか】の遺伝子を操作した結果生まれた【アルラウネ】の一部だっけ。




「あんな生首にしか用の無い種族よりすごいのです!

薬と毒を交互に出す草なのですっ!」


「ど、毒!?」


「微小なのです。

行き過ぎた回復力は微小の毒より体によくありません」




アレルギーも免疫の暴走だそうだし、近い話なのかな?

日本人から寄生虫が居なくなったせいで花粉症が増えたんなら、また寄生虫入れちゃえっていう研究もあるらしいけど・・。




「正しい回復力を、正しい場所にもたらす草なのです」


「魔力による自己再生がある異世界ならではの治療法ですね」




今のところ現代医学は【空の口】に負けっぱなしだ。

でも通常の治療では、皆に頼られている。

もう少ししたら、現代医学と魔法が合わさる時も来るだろう。




「じゃあビタ、ピヒタ。

頼む。

医師の方々は肉体方面のサポートを御願いします」


「「「はい」」」


「ソコの髪と髭の区別がつかない人より消耗していませんから、すぐに治るでしょう」


「我の事か・・」



◆◆◆



ディッポ団長が治るまで【人土じんど村】の外を観察しに、ビル群の各定点カメラをチェックできる部屋へ。




「カンタ先生・・」


「見張り?

休んでなきゃ・・」




彼女は女学園生徒の完全洗脳者の一人。

まだ人数分がない【変換機】で、意識を保っている娘だ。


自失した人は【モスマンの繭】の部屋に行って【変換機】を外して治療を受けるけど・・完全洗脳者たる彼女は。




「不安なんです。

一瞬でも【変換機これ】を外すと、他の暴れている娘達みたいになっちゃうし・・私みたいな洗脳者が何時また来るかと思うと───」


「ザレとリャター夫人も、もうすぐこっちに来れる。

一室丸ごと【変換機】の効果がある部屋も作られている。

諦めるのは早いよ」


「・・はい」




俺もなあ・・【変換機】や【モスマンの繭】みたいな能力のある改良版結界魔法(イージス)を練習中ではあるんだけど・・何分、被害者が多すぎる。

 

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