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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
プロローグ
2/547

2『ポッチャリとデブの差はモロに意見が割れます。』


「・・どうだった?」


「・・・うん、僕も女の子になってた」



◆◆◆



颯太が目覚め・・俺を見て開口一番、「 御姉ちゃん 」 とのたまった。

ナニイッテンノ?


頭痛だのが収まって冷静に自分の身体を見下ろすと・・わあ、御立派なモノが胸にある。




「お、俺・・幹太なんだけど」




・・声高ぇー。

名乗っても最初は信じなかったが、俺達しか知らない情報 ( ココへ来る前の事とか ) を聞かせて信じさせた。




「俺はどう見ても女になったけど・・颯太ぐらいの歳だと分かんないなあ・・?」




と、言うと颯太は 「 えっ!? 」 という顔をし・・調べた結果、最初の遣り取りになった。


───まあホントはパニクった颯太が後ろ向くまえに、いきなり胴着ズボンを下ろしちゃったんで・・おもっきし見えたんだけどな。

( まさか初めてが彩佳じゃ───あ、いや・・。)



◆◆◆



「幹太兄ちゃん・・元々母さん似だったけど、もっと母さんに似てるね?」


「そ、そうか?」


「その・・女になって、ちょっとだけ丸顔になったけど」


「・・そうか」




母さんは、良く言えばキリッとした・・悪く言えばキツい系美人。

ソレが多少マイルドになった感じか?




「まあなあ、元182cmから───

・・160cmは無い、な。

なのに体重減ってなさそうだし」




本格的な武術は辞めても、朝練だけは続けていたのは・・太りやすい体質がコンプレックスだったから───ってのもある。


減った身長分、全身と胸に行き渡って『ポッチャリ巨乳』になったみたいだ。

・・デブジャナイヨ?


正直、今だに実感の湧いてない『女体化』よか・・コッチの方が辛い。




「そ、颯太は大丈夫だ!

颯太の顔は癒し系の父さん似だし、可愛いぞ?

・・縮んだけど」


「・・・うん」




俺程じゃないが颯太も僅かに縮んでいる。


幼い頃から鍛えているアスリートに、骨の成長を筋肉が抑えて背が低い人がいるように・・二歳の頃から鍛えている颯太も、9歳当時当時から長身だった俺や父さんと比べ、背が低い事をコンプレックスにしている。


女に成った事より、小学一年生にすら見える身長の方が辛そうだ。

・・可愛いのになあ。


【※作者注・幹太は天然変態ですが無害です※】




「うう・・幹太兄ちゃん・・コレ、どうなってるんだろ?

そもそも、ココ何処??」




見渡す限りの平原。

現代日本だと、あり得ない光景だ。


俺達が、何処ぞの誰かに拉致られ、性転換手術を受け、外国に放置された───


うん。 無理ありスギだな。




「どうも、漫画で言う・・【性転換モノ異世界転移】ってジャンルに、巻き込まれたっぽいかなあ?」


「漫画だとどうなるの?」




性転換モノ、ねえ・・?

男心と女心が移ろう、恋愛モノか───




『オ、女・・?

・・・オンナぁぁ!!』




───化物に襲われる凌辱モノ・・って、マジ勘弁してくれよ!?


咆哮が聞こえてきた方角を見ると、頭が犬 ( 狼? ) で身体がゴリラっつう化物が三匹、二足歩行で走って来た。


少なくとも地球上の生物じゃない。




「うわっ、石投げてきた!?」




どう考えても友好的行為な訳無えぇ!

ボーリング玉みたいな大きさの石が50mは離れてんのに届いたぞ!?

って事は、あんな腕力で直接殴られたら・・!?




「幹太兄ちゃん、逃げなきゃ!」


「あ、ああ・・そうだな!」

 

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