196『様々な視点・源太編2・⑤』
「【人土村】のあるシチルォ地方がココで、我がリャター商会の本拠地はココよ~」
保護した女生徒達の荷物の中から見つかった【銀星王国】の地図をナニヤラ機械で、ガーっとやって会議室の壁にデカくして映す。
生徒等が巨大映像だライトだエアコンだにアタフタしとる・・が、その隣で馴れた様子のザレ殿と機械を操るリャター殿に唖然としよる。
「この部屋だけじゃなく、途中の " 車 " とか " エレベーター " とか・・カンタ先生の故郷って、機械?がそんなに在るの?」
「ワタクシが居たのは殆んど御姉様のご自宅と、ココ【人土村】と、イ○ンだけ、だけどね。
遠くの人と話す機械とか」
「ソレだけ聞くと、アタシ等が苦労してた間に何やってたのよ・・って感じだけど───ソッチはソッチで【アジ・タハーカ】とか、マス塵?とか、Y○UTUBE?だとか色々あったんだって?」
「今でこそ学園長の運転は大人しいけど・・練習時は───御姉様が " すたんとまん " とか言う危険運転で稼ぐ人並みって言ってたわ」
Y○UTUBEっちゅうんは、よう分からんが・・馬車が猛スピードで半分ひっくりかえりながら火事に突っ込む、ちゅう説明で 「 ? 」 という顔をしとった。
「ハイハイ、お喋りしないの~。
この辺 ( 地図のだいぶ外側 ) が【人狼】が居るハズの【連合サングァ地方】、この辺がビタさんの故郷ね~」
「あの怪しかった娘が千年前【空の口】を退治した一族・・ね。
後で謝る場を設けてくんない?
アタシ等、警戒しててチョイ蔑ろにしてとこあるし」
まあ、ビタ殿とは出会いが悪かったな。
善くも悪くもビタ殿は儂等を警戒もせず友好的に近寄ってきたせいで、逆に警戒してしもうた。
「ビタはそうゆうの気にしないイイ娘だけど、分かったわ」
「なんぞ有ったんかの?」
「ほら。
『声』や『一番大切な人』を忘れただけの日常生活は送れる人って治療を後回しされちゃたじゃないですか」
・・まあ家族の事を忘れるとか───考えるだけで心が締め付けられそうじゃが、自失して飯すら食わん娘もおるそうじゃしのう。
「ええ・・。
ソレが───彼女に慰めてくれた途端に、記憶が戻ったんです」
「ほう?」
「ココの人達の説だと、ザレとかも【空の口】の声を聞いたのに洗脳されてないのは・・『三種族』のうちカンタ先生とビタ、二人の【巫女】( スペア含む ) に触れたからでは?
・・って」
「なるほどのう」
で、会議じゃが・・まずリャター商会へ行く事が決まった。
儂としても拠点が充実すること、恩人への恩返しになるんで問題ナシじゃ。
ビタ殿としても、全ては【空の口】退治優先とのことで問題無いらしい。
◆◆◆
【人土村】は元々、地産地消っちゅうか・・資材以外、全てを村内だけでやろうとして作られた村なだけあって、一部機能を日本に残しつつも様々な能力がある。
その一つが防衛機能で、各ビルがバリケードになっており、転移で開いた穴をあっちゅう間に塞ぎおった。
何でそんなモンを日本の一企業が持っとるんかのう?
自衛隊の忘れモンかの?
まあ、こんな世界じゃ。
出来る武装はしとくべきじゃろ。
「今回は間に合わなんだが・・。
元々、【人土村】ごと異世界を行くつもりだった時、人工衛星を打ち上げるつもりだったんでね。
・・『物』そのモノは取り寄せていたし、受信施設はすでに在る。
電話は怪しいが、無線は使えるよ」
リャター殿と山柄殿が 「「 うふふ 」」 と笑う。
・・世界征服でもする気かのう。
まあこの二人なら今より悪くなるこたぁないじゃろ。
リャター殿のと併せて10台以上のトラックでリャター商会へと行く。
◆◆◆
「「「我等、【空の口】の守護者!
【空の口】に逆らう愚か者"・・ッ!?」」」
「よっ、はっ、せいぃっ!」
「ちょっとだけ寝ててね~」
リャター商会は全ての倉庫が開けられ、完全に洗脳された【空の口】の手下を名乗る戦士達によって荷物が運び出されよった。
主に儂とリャター殿とでそやつ等を気絶させてゆき、女学園生徒 ( もう一時も離れたくないらしいの ) 【人土】が縛り上げてゆく。




