184『パンが無ければケーキを食べればイイじゃない。』
申し訳有りません。
寝違えてしまい、肩が痛くてあまり書けませんでした。
「ディッポファミリーィィ傭兵団ン!!
隠れているのはァァ分かっているウゥゥ!
大人しく出てこォォいィィィ!!!」
ディッポファミリー傭兵団とウェスト傭兵団を除く、【銀星王国首都】傭兵ギルド所属の傭兵・・約150人が魔物の森の入口に集まっているようだ。
彩佳に頼み、自衛隊の特殊カメラ装備クワガタを彼等の上空へと持っていってもらう。
「綺麗に並んで・・?
騎士の闘い方に近くないですか?」
「そうだの・・。
騎士の戦法を洗脳で与えられているんかの」
父さんやリラキアさん、非戦闘員達は・・殺意を持った集団が理路整然と並ぶさまに恐怖しているようだな。
「す・・凄い統率力ですな・・」
「高い統率力による強さというのは、乱されると脆いという側面がある。
魔物の森という戦場にもってこいである」
「引っ掻き回せばよい訳ですか」
「うむ」
・・・・・・ん?
今の、父さんとアナナゴさんとの会話に何か・・引っ掛かりがあった。
「『引っ掻き回せばイイ』・・?
・・。
・・・・。
・・安定の反対・・ひょっとして───」
「幹太、来るわよ!」
「・・っとと。
今は目の前に集中しなきゃな」
ヒトゥデさんシャッコさんイェカさん達を格隊長に陣形を───って何で皆、コッチ見てるん?
「いや・・幹太に頼りすぎないって言ったばっかだけど、今は流石に最大戦力のアンタ次第でしょ」
「御主なら『引っ掻きまわす』も『皆殺し』も好きな戦法を選び放題である」
「あ、ああ・・そーゆー事ね」
・・集まった傭兵には見知った顔も多い。
【コカトリス】退治の時に改心した ( = 俺達に善意を向けてくれる = 気になっちゃう ) 人の顔があるのだ。
「『逃げちゃう』・・ってのは───アリですかね?」
「まあ・・ワシ等も傭兵ギルドの仲間達に弓引くのは躊躇いが有るからの」
「非戦闘員もおる状況、逃げ道はいくらでもある。
寧ろ、傭兵的には全然アリである。
・・御主達に気を使って言わなかったぐらいだ」
「元々、日本から我が家ごと異世界へ来る予定ではなかったんだ。
家族で過ごした我が家を棄てるのは惜しいが、幹太の気のすむまま───」
「えっ?
棄てずに逃げるつもりだけど?」
「「「「???」」」」
◆◆◆
「コッチにィィ魔法でェェならされた道が有るぞォォォ!」
「進めェェ!
【空の口】の威光を知らしめるのだァァァ!」
──ズン・・ズン・・──
「───ん?
・・・・。
な、何か揺れてないかァ・・?」
「知るかァァ!
我等、常勝無敗絶対無敵の【空の口】守護隊!
どんな敵であろうとォ・・と・・・とと・とォォ!?
───い・・家ええェェ!??」
◆◆◆
「イエェーーイ!」
「颯太・・たぶん彼等はそんな気楽なノリで言ってないわよ・・。
・・ま、同情はしないけど」
「まったく・・ソウタだけでなく、カンタもこんなに成長しとるとはの。
胸もだいぶ成長していたが魔力はソレ以上だの」
「転移してからコッチ、今なら出来る気がしたんですよねー」
俺の選択した戦法、ソレは
『土魔法で家を持ち上げ、家ごと逃げる』
というモノだった。
「家ごと逃げる・・っていうか───
家ごと攻めてるって感じッス・・」
「コレを戦法と呼ぶのは傭兵として断固拒否するのである・・」




