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168『通りぬける側はいろんなモン見えているんでしょうか。』


マズイ・・みんなに疲れが出てき始めている。




「キッ・・ツい・・・のう、魂()体当たりっちゅうんは」


「アタシの方もよ・・!

クワガタだと一匹につき一回しか体当たりさせられないから・・!」


『ワタクシは・・いちいち彼処まで跳ぶのが・・』




俺もザレと同じ理由でキツい。

颯太の案を真似て、体当たりに魔力吸収を纏わせてみるも・・あの飛行スピードだと指先がカスる程度。




「幹太さん!」


「はぁい!?」




自衛隊の人達だ。

何だ?

理太郎君になにかあったか!?




「皆が攻撃している陽炎それ ( 魔力が見えないザレ用の目印 ) は───

先ほどの話を伺う限り、魔力で動きを止めているのでは無いのですね?」


「はい、まあ・・そうですね」


「正直、私は魂だとかを信じてはいませんが・・体当たりで良いなら!」




言って、自衛隊員の一人が源太ちゃんと彩佳クワガタの隙間に体当たりをしかける。


うおっ、身体強化魔法もなくあんな動きが出来るのか・・。

颯太のような綺麗さと奇天烈さが合わさった動きとは違う、質実剛健とでも言うか。




「うブッ!?

体のナカを・・何かが通りすぎた・・!?」


「でも、体を通過している時だけ陽炎が遅いというか・・ぬるっと・・してたとゆうか」


「く、詳しく説明せんでもいい・・。

しかし、コレで魔法使いでなくとも役立てる・・!

・・お前等あっ!」




理太郎君を乗せ安全な場所へと去っていき、残り一台となっていた方の車から筋肉ダルマがワラワラと飛びだしてきた!




「うっ・・男臭い・・・!」

『うっ・・男臭い・・・!』

「うっ・・男臭い・・・♡」




・・彩佳とザレと同時に同じ事を言ったのに何故か睨まれる。

・・解せぬ。


自衛隊員は次々と陽炎に体当たりを始め───アレ?

最初こそ魂が揺れる感覚に、気持ち悪がっていた自衛隊員だけど慣れた今・・一人が何回も体当たりしている?




「───そうか。

大なり小なり身体強化を使える異世界人 ( と、俺達 ) の方が動きは凄いけど、単純なスタミナだとコッチの人の方が凄いのかもしれないなあ」




警備に支障ないレベルで事態を知った自衛隊員が【人土じんど村】から飛び出てくる。


結構な数の【人土じんど】も。




「み、皆さん危険ですから!

ココは我々に任せて───」


「「「馬鹿ヤロウっ!

俺達の村に【空の口】の手先が迫ってきてて、【巫女】様がピンチで・・じっとしてられるかあっ!?」」」




自衛隊と【人土じんど】が組んず解れつ、陽炎へと体当たりを繰りかえす。

凄い。

陽炎がだいぶ動きを留めてゆき───




「わ・・私も参加してみたいと思います!」




マイクを持ったレポーターが人の群れの中へ飛びこんでゆく。




「アレって・・屑マスコミの方の・・」


「耳のイヤホンから 「 行くな 」 「 わし等のブザマな所だけ伝えい 」 っちゅうて、怒られとるの」


「それって・・」


「すみませェ~ん!

どいて下さァ~~いっ!

・・うぐっ!?

き・・き"も"ち"わ"る"い"・・。

て、TVの前の皆さん"・・ホントにココに何かが・・お"え"っ!」




あのTVリポーターに嘘や悪意はない。

純粋な好奇心か・・それとも───

まあイイ。




「ぐっ・・ぐぐっ・・・・!

みんなっ、行くよぉぉぉっ!!」




皆がチャンスを作ってくれた隙に颯太が準備を終える。




「「「行けえぇぇぇぇぇぇっ!」」」


「魔力吸収パァンチいぃ!」


≪ぎィイイィィやあぁぁあ・・っ!≫




ヤツの体が大きく削れた・・けど、慣れない魔力操作に颯太が途中でバランスを崩してしまい止めを刺すには至らない。


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