155『腹ペコぷりんせす。』
「あっ・・ああ・・あああぁぁあ・・・・!?」
皆に、急に、魔力譲渡・・を・受け・・て。
・・あ・たま・・・が・・。
真っ白に・・なる・・・!?
◆◆◆
「───みんなぁ、感じるかいぃ・・?」
「はァァァァい・・」
「私達の魔力を・・幹太さんの【スライム細胞】に送るたびィィィ」
「・・我等の魔力が無くなるたびィ、アレが───唯の『エサ』にしか見えなくなってきますゥゥゥ!」
「もっと幹太さんに魔力を送らねば。
・・もっと【核】に魔力を溜めねば。
・・・もっと【巫女】に魔力を献上せねば」
「もっと【巫女】に魔力を献上せねば」
「もっと【巫女】に魔力を献上せねば」
「もっと【巫女】に魔力を献上せねば」
「そォォのォォォ為にィィィ・・。
何をすりゃあァァ良いィィかァァァ、分かってんねえェェェェェェェェェェェ・・っ!?」
◆◆◆
彩佳姉ちゃんが突然大量のクワガタに乗って飛んできた。
あまりに訳分かんなさすぎる状況に、ポカンとしてると・・あっ、幹太姉ちゃんから焦りのパスがきた!?
「源太ちゃん・・!」
「うん? 正気に戻ったかの?
かか・・天才など言われても、まだまだ未熟じゃのう」
「ゴメン・・」
「幹太はどんな時も、ずっと御主を心配しとったよ」
やっぱり、幹太姉ちゃんは凄いなぁ。
「───って、幹太姉ちゃんからのパスが・・!」
「うむ。
彩佳ちゃんのアレも、そうじゃが・・【あじ・たはあか】がまた何ぞ、やりよりそうじゃて」
「彩佳姉ちゃんを狙ってる?
よぉーしッ!
今度は首の動きにも気をつけるぞっ!!」
◆◆◆
アレが【アジ・タハーカ】・・!
さっきのトンデモ無い爆発はやっぱり【アジ・タハーカ】なのかしら?
その脇に居るのが、颯太と源太爺ちゃんね・・。
爆心地にいて平気なんて・・流石だわ。
( どっかに居る、幹太のフォローは有ったんでしょうけど。)
ソレでも『対物理属性』を持った敵には苦戦してるみたいね。
「二人ともォー!
【アジ・タハーカ】を倒せる武器を持ってきたわよー!」
「ええっ!?
どうゆうこと、彩佳姉ちゃん!?」
「颯太ァ! 彩佳ちゃん!
詳しい話は後にせい、【あじ・たはあか】が来よるぞ・・!」
───っとと・・。
【人茸】に成りたてのアタシと【アジ・タハーカ】となんかじゃ、制空権を獲った・・なんて言えないしね。
本当に制空権を獲ってるはずの戦闘機やヘリは、邪魔で鬱陶しいだこの役立たずだし。
街中だからか何だか知んないけど、もうこんだけ壊れてんだからミサイルでも射ちこみゃあ良いのに。
「・・はは、アタシまじで再構成されてんのね。」
流石に今の思考は自分で引いて・・まあ別にいっか、と思いなおしてるし・・。
まあ、実際まずは【アジ・タハーカ】を倒さなきゃね!
【アジ・タハーカ】の首が、アタシに狙いを定める。
颯太が首を蹴りあげ・・ようとして、首がグリンと颯太へ向く!?
フェイント!?
ソレを源太爺ちゃんが横っ顔から蹴り倒す!
・・今まではどんなに攻撃をうけても、頑なにビルしか狙ってこなかったのに・・。
ビルを破壊するには先に、颯太と源太爺ちゃんを殺らなきゃ無理って判断したのね。
フェイントを交ぜてくるなら、今までみたいな『ハメ』は通用しないわ。
「ハメが通用しないんなら、アタシじゃあ『コレ』を【アジ・タハーカ】に当てるのは無理よォー!?」
「ビルから儂等へ狙いを変えられたんなら、儂等も抑えるんで精一杯じゃよ!
ゴルフ場へ狙って、蹴り飛ばす事もできん!」
「幹太はァー!?
もう、こうなったら多少ムチャをしてでも───」
「幹太姉ちゃんはアッチにいて、僕達のフォローを・・うぇあっ!!?」
「な、何なんじゃあ・・・!??」
・・・・っ?
颯太と源太爺ちゃんが、突然狼狽えだす。
・・どうやら幹太の異変を察知したっぽいわね。
「な・・何コレ!?
か、幹太姉ちゃんが・・幹太姉ちゃんが!??」
≪・・ォ"オ"?≫
【アジ・タハーカ】が・・「 グリン 」 と、首を何処か───アタシでも、颯太と源太爺ちゃんでも無い場所へ・・。
二人とおなじ方角へと・・向く。
・・幹太?
幹太を見てるの・・!?
≪・・オ"オ"ォ"オ"オ"ッッ!≫
「ひっ・・!?」
魔力が膨れ上がった【アジ・タハーカ】のクチから、馬鹿馬鹿しい熱が───
「な、何・・!?
さっきのビームとは比べ物にならない魔力をクチに溜めてる・・!!」
「大技でもブッぱなつ気!?」
【アジ・タハーカ】が、大技を放───たない。
え?
ええ?
・・っていうか・・魔力ごと消えた?
・・えっ?
はア?
あれっ!?
消えるビーム?
そうゆう魔法?
≪ォ"オ"・・ッ!?
オ"?
・・オ"オ"!??
オ"オ"ォ"・・・!!??≫
・・って、ワケじゃ無さそうね。
【アジ・タハーカ】が慌ててるっぽく見えるわ。
「あ・・彩佳ちゃんが言っとった武器ゆうんは・・コレかの?」
「す、凄い・・ね?」
颯太と源太ちゃんの二人が何かした・・ワケでも無さそうね。
ううん・・・。
こんなトンデモない事が、出来るとしたら───
「・・幹太!
幹太が新しい魔法かなんか作ったんだわ・・!」
「わ、わぁー・・。
さすが・・幹太姉ちゃ・・ん」
「・・・う・・む・・・」
・・・・・・!?
何・・!?
幹太にナニが起こってんの・・!?
◆◆◆
───何だろう・・。
頭がポヤポヤする・・。
世界が青い。
・・あれは・・。
エサが、アッチに在る。
4っつ。
不味そうだけど、沢山の。
小っちゃいけど・・旨そうなの。
どれから食べようかなァ・・♡
・・んん?
不味そうなのが何かしようとしているなあ。
ひょいパクと。
あ~あ、こんなのデカいだけでスカスカ、旨くともなんともナイ。
仕方ない・・。
おまえは前菜。
美味しい美味しいメインディッシュの前の。
まず、皮を剥かなくちゃ。
◆◆◆
≪オ"オ"・・ッ!?
オ"オ"ォ"ォ"・・ッ!??!?≫
【アジ・タハーカ】の雰囲気が変わった・・!?
「【アジ・タハーカ】から───
・・表面の魔力が、たぶん防壁魔法が消えた!」
「い、今じゃ・・ゴルフ場へ叩っこむぞ・・!」




