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152『気絶中、全身の皮膚の下でビクンビクンしていました。』


「痛い痛い痛たたたたた・・た?

痛・・くない??

こんなガッチリ、腕にキノコの菌糸がめり込んでってんのに!?

・・。

・・・・。

・・・・・・。

恐い恐い恐い、逆にキモいッッ!??

アタシの体、どうなってんのっ!!?!?」


「あ、彩佳! 検尿に行こっ!?

ちょっと録りたいデータがイッパイ在るから!

あ、アレルギー無い!?

打ちたい注射が20本ほどあるんだけど!?」


「実の妹の対応が恐いッ!?」




あまりの不気味さに、咄嗟にもう片方の手で黒キノコ ( ですら無いナニか ) を払おうとして・・払おうとした手にも菌糸が浸食してきた!?




「ビタっ! コレ取って!?

リャターさん! コレ斬りはらって!?」




ザレが逃げるッ!

リャターさんがドン引くッ!

ビタが目を輝かせるッ!


奈々が何か拷問器具にしか見えない物を手にして───あ、もうダメ・・・・・・。


ソコでアタシは意識を手離した。



◆◆◆



「───・・ハッ!?」




あ・・アレ?

アタシ、寝てたのかしら・・?


・・自分の両手を見る。

何も無い。

そりゃそーよね。

あー・・馬鹿な夢見たわー。




「【人茸じんたけ】になった気分はどう?」


「ぐううぅ・・っ」




やっぱ夢じゃないのね・・。

気絶する直前と、まったく同じだものね・・。


・・・・・・ハァ。




「───で?

アタシはどうなったの?

何か・・妙に、不自然に、気持ち悪いまでに、今の状況を受け入れてる自分が居るんだけど」


「たぶん彩佳も再構成されたのよ。

ワタシが現状を受け入れたように。

幹太達が女体化や・・女物の服や下着を着る事・・魔物を殺す事・・そういったアレコレを、受け入れたように。

・・今の彩佳はその見た目で0歳なのよ」




再構成。


・・あー、自分で分かるわー・・。

その言葉がストンと落ちてきたのが分かるわー・・。




「あ・・彩佳ちゃん、大丈夫かね・・!?」


「オジさん・・。

ハイ、大丈夫です・・恐いくらいに。

・・・・・・。

あっ!?

アタシどんだけ気絶してたんですか!?

幹太は!?

颯太と源太ちゃんは!?」


「お、落ちついて彩佳ちゃん!

気絶してたのは五分くらいかな・・?

颯太と御義父さんは相変わらずだよ。

幹太は電話に出ないけど、何かあったならパスで繋がっているはずの異世界の方々が騒ぐはずだから・・と、奈々ちゃんが」


「そう・・です、か。

───ん? パス?

何だろう・・。

アタシにもパス?が・・在る?」


「か、幹太とかいッ!?」




コレは───




「御免なさい、オジさん・・。

幹太の魔力はまだ(・・)知らないから・・。

・・複数在るわ。

一番近いのは───ココより下、あっち・・?」


「このシェルター、地下三階まであるそうだよ。( ココはB1 )」


「なら地下二階辺り・・。

・・ねえ、奈々。

何か心当りは無いかしら」


「んー・・ワタシとビタちゃんが借りてた施設もその辺だけど」


「連れてって」




アタシと奈々とビタとザレでソコへ。

オジさんは 「 ゴメンね、今はTVから離れたく無いんだ 」 との事。


当然の事なんで、その辺はオジさんに任せるわ。


リャターさんは腰の物はポンポンと叩き、シェルターの出口をチラッと見る。

門番って訳ね。


リャターさんの魔力の感じは覚えたし、何在れば分かるでしょ。

( 残念ながら幹太達みたいなチートじゃ無いっぽいし、自在に使える訳じゃないけど。)



◆◆◆



「コレ・・理太郎が捕また、クワガタ・・!?」




颯太の友達(・・)の理太郎から幹太が預かったクワガタ。

奈々達に連れられシェルターに来た時、魔物の素材や死体を管理してる人に渡して・・ココに運ばれてたのね。




「このクワガタ、彩佳と同じ【人茸じんたけ】・・【クワガタ茸(くわがたたけ)】? なんだけど、その理太郎ってガキが投げつけたせいか、黒キノコの支配が弱いっぽいのよ。」


「黒キノコの支配・・っていうより───」


「【空の口】の支配、とも言えるかしら?

黒キノコの中の、【空の口】に関するプログラムデータが破損したって感じ?」




ああ、なんとなく分かる。

命令を待ってる状態って感じ。

クワガタに人差し指をもっていく。




「お手」




お手したわ。




「おかわり」




おかわりしたわね。




「・・彩佳」


「ん?」


「アンタさっき、パスが『複数ある』って言ってたわよね?

クワガタ(こいつ)と似た感じ?」


「ああ、皆みたいな『人間っぽさ』は無いわね」


「・・・・・・。

日本中でクワガタが転移してきて、すごい数が居るのよね・・」


「そうね。

昨日は一箇所だけで一万以上いたし」


「当然、その中の何割かは怪我をして・・更にその何割かはコイツみたいにデータ破損してる奴もいるわよね」


「そ・・ソイツ等とアタシがパスで繋がってるって事!?」


「───ねえ。

命令してみて、パスの繋がってる全てのクワガタに───」



◆◆◆



「颯太ぁぁ・・源太爺ちゃああん・・・!

行っくわよォォォォォッ!!!」




───全く・・アタシ自身、ナニがナンだか良く分かってないけど・・。

まっ、奈々には感謝するべきかしらね・・!


コレでアタシも戦える。

幹太達の役に立てる・・!


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