149『草摺 ( くさずり ) という、股や太股を守るビラビラ部分 ( に、似た器官 ) を使って跳びはねています。』
「「せえぇぇのッ!!」」
【アジ・タハーカ】が跳びはねて、幹太姉ちゃんから盗んだ魔法を撃とうとした瞬間───僕と源太ちゃんとで、一斉に【アジ・タハーカ】の足下 ( って、いうのかな? ) に飛蹴りをくらわす。
≪オ"ォ"・・ッ"!??≫
幹太姉ちゃんは、
『樹脂油を操って気化させてから火を着けるのがコツだ』
って言ってた。
その方が水筒のない場所からでも魔法を撃てるからだって。
頭にあるクチからしか魔法を撃てない【アジ・タハーカ】は、空中でバランスを崩しちゃって真上に向けてビームを撃っちゃう。
≪ォ"ォ"・・??≫
ソレに合わせて自衛隊の人達が【アジ・タハーカ】に銃を撃つ。
最初は幹太姉ちゃんの魔法で、おぼろげにしか見えない僕と源太ちゃんを警戒していた自衛隊の人達だけど・・その隙に一機やられ二機やられして、やっと協力する気になったみたい。
・・でも殆んど効いてないよね。
「ちいィ・・堪らんのう。
もうどんだけ蹴り押しよるんか・・。
ゴルフ場はまだかの?」
自衛隊の人達もゴルフ場に向けて【アジ・タハーカ】が押されるよう攻撃しているよ。
いっぱいゴルフの真似して見せたもんね!
たぶん ( 【アジ・タハーカ】の攻撃でムチャクチャとはいえ ) 街中でミサイルとか撃てないんだろうしさ。
「あれ?
源太ちゃん、この音なにかなあ??」
「うん?
この音ぁ・・戦車かのう!?」
暫くして見えてきたのは・・TVのニュースとかで見たことある───
戦車とか・・戦車みたいなのとか・・・何か、いろんなの。
あと、バズーカ? を、装備した走ってる人達。
戦闘機も新しいのがきたよ。
けど・・回りに色々集まったのが、気に食わなかったのか・・【アジ・タハーカ】が、幹太姉ちゃんから盗んだ火の玉をイッパイ出すやつを撃とうとしてる。
・・イイ加減、ムカつくなぁ・・!
「源太ちゃん、オシリ蹴って!」
「うん!? し、尻!?
・・ああ、【アジ・タハーカ】の尻か」
僕が【アジ・タハーカ】のオデコ ( ? ) を蹴っとばしたのに合わせて、源太ちゃんが【アジ・タハーカ】のオシリ ( ? ) を蹴ってくれる。
キレイに【アジ・タハーカ】がひっくり返って、また、真上に魔法を撃っちゃう。
ソレに合わせて、戦車とか戦闘機とか歩いてる人とかが集中攻撃してる。
今までで一番大っきいダメージだ。
・・けど、倒すには程遠い。
ううぅ・・!
幹太姉ちゃんの魔法を盗んだヤツのくせにィ・・!
「絶対・・絶対許さないんだからなぁ!
えいやああぁあぁ・・っっ!!!」
自衛隊の人達が着けた傷の上から何ども殴る。
殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴るタマに蹴ってまた殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴る殴るっ!
≪オ"ォ"・・ッ"!??
オ"オ"ォ"オ"ォ"オ"オ"オ"・・ッ"!!!≫
「そ・・颯太・・・む───イカン・・!?」
殴るのに夢中で、【アジ・タハーカ】が首を大きく伸ばして頭を地面に向けたのに気付けなかった。
≪オ"オ"オ"ン""・・・ッ"ッ"!!!≫
地面に向けて【アジ・タハーカ】がおもいっきり魔法を放って・・!
「うわあぁぁっ!?」
「颯太ッ!」
間近で地面と魔法がぶつかった爆風でみんな吹きとぶ・・・【アジ・タハーカ】が、僕達が、自衛隊が、街が・・。
吹きとんだ勢いを利用して【アジ・タハーカ】は無理矢理起きあがる。
「くっ・・あ・・・ぁ・・!?」
「そっ颯・・太・・・大丈夫、かの?」
身体中が痛い。
あちこち怪我をしている。
自衛隊は離れた位置いたから、大きな怪我や故障はしてないみたいだけど・・。
【アジ・タハーカ】は───
≪・・・ォ"・・ォ"・・・!≫
身体中にヒビは入っているけど、大きな傷は───全く無い。
「そんな・・!?」
自衛隊の歩いていた人が言った。
ミサイルの威力なんか知らないけど、あの爆発で大きなダメージを与えられないなら・・コイツを倒せるとは思えない。
「ほ、本部から・・通達・・!
敵・・増援───」
敵・・増援・・!?
遠くにいた自衛隊の人が無線か何かで団長みたいな人に報告してた。
しばらくしたら、遠くから・・ものすごい数のクワガタが来た・・。
こんな時に───チクショウ・・!
幹太姉ちゃん・・ゴメ───
「───・・ぁ・・───」
んぅ・・?
・・この声・・!?
「颯太ぁぁ・・源太爺ちゃああん・・・!
行っくわよォォォォォッ!!!」
「あ───彩佳姉ちゃん・・?」
「彩佳ちゃんっ!?
な・・なにやっとんじゃあ!??」
なんか・・なんか彩佳姉ちゃんがクワガタに乗って飛んできた。
・・・・・・え?
このクワガタ・・彩佳姉ちゃんの??




