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148『パロディ○スの方の名前は、思いだせるんですが。』


「わ・・儂は生きとんのか?

二人共、大丈夫かの・・?」


「痛てて・・。

なんとか生きてるよー」




ふう・・ギリギリ間に合った。

二人も反作用魔法を無意識にか、極限まで使ったらしいな。


みんな多少怪我や火傷をしているけど、魔法使いなら自己再生魔法で対処出来るレベルだ。

鎮痛効果で戦闘も問題無い。


ビルの方は三分の二が吹き飛んでいる。




「・・幹太の魔法か。

こんな便利なモンが有るんならもっと早く使って欲しかったわい」


「いやぁ・・奥の手だったから」


「えー?

どうして?」


「耐火耐熱魔法をコピーされたら・・もう俺には打つ手ナシだからなあ」


「「あ」」




風や土を操る魔法も使えるけど・・炎ほど攻撃力はない。

街破級に通用するかといえば怪しい。


で・・【アジ・タハーカ】はどっから撃ったのか。

ちょっと上向きに角度がついていた。

約4.5km ( 水平線までの距離 ) 以上の可能性もある。


この距離から・・コピーされてたらキッツいなあ。


方角は・・俺ん家やシェルターに理太郎君家からじゃあない。

ソレだけは安心だ。




「どうする?

この破壊跡の先に【アジ・タハーカ】が居るかも」




飛んできてたり、横移動してなきゃ・・だけど。


避難者が居ないのにビルを守っていたのは最後の【アジ・タハーカ】の位置が分からなかったから。


下手に探しに行って入れ違いにでもなったら面倒だから。




「行くぞ。

後手に回るんは好かん」


「僕もー」


「ならゴルフ場を意識してて。

上手い具合に方角は近いし」




三人で超速歩魔法カタパルト

ひたすら破壊跡を進む。



◆◆◆



時折、ほぼ同じ方角・角度から『馬鹿ビーム』が飛んでくる。


ビルはもはや粉も残って無いだろうな。

山柄さんにはああ言ったけど、やっぱビルも守りたかったが・・仕方ないか。


連射してこないトコロを見るに、溜めは必要っぽい。

すぐ脇を行くだけで『馬鹿ビーム』に当たらないし楽勝───と、言いたいトコだけど・・距離が在り過ぎた。


走り過ぎて気持ち悪いィ。


5kmぐらいからヤバい。

体力バカの二人について行けない。




「元々、幹太は遠距離型じゃしの。

後でゆっくり来い」


「うぅ・・ごめェんん・・・・・・げぽっ」


「大丈夫?

幹太姉ちゃん・・?」




せめて、と、陽炎魔法と防爆衣魔法をフルで掛け直し、二人は一瞬で走り去ってゆく。




「携帯は生きて・・るな」




TVをつける。

さっきから上空をヘリが飛んでいるから。

たぶんアレ、TVのだと思うんだけど。




「あっ、【アジ・タハーカ】が映っ───おわっ!?」




三匹目の【アジ・タハーカ】がTVに映っていた。

彩佳と話していた通り、胴体がある。


頭は一匹目二匹目と同じで鉤手甲を合わせたデザイン、胴体は丸々とした和洋の鎧を混ぜ合わせたみたいなデザインで手足がない。


その場で跳びはね、頂点で弾丸を撃つ。


なんか横シューティングで似た動きの敵がいたなあ・・。

グラ───まあイイか。


・・と、思っていると【アジ・タハーカ】の頭が 「 グリンッ 」 とカメラの方を向き、大量の火球をバラ蒔いた。


量と大きさが桁違いだけど・・俺の魔法、クレイモアだ。


その火球のうちの一つに取材ヘリ群がやられ、TV画面が突然真っ暗になり・・暫くしてスタジオに替わった。


チャンネルをかえても・・何処もスタジオでコメンテーターが顔を青くし、一言も発していないチャンネルばかり───あ、一局だけ現場の映像。


あのヘリか。

一瞬だけ、俺だから分かる感じで颯太と源太ちゃんが映る。


・・と、彩佳から電話。




「はい、もしも〔出たっ!? ちょっとアンタ無事なの!!?〕」


「無〔今TVで、颯太と源太爺ちゃんだけ映って・・アンタが映ってなくて・・〕」


「分かる〔動けないほどの怪我したんじゃないかって───〕」


「疲れ〔心配させるんじゃないわよっ!?〕」


〔・・で? 作戦は?〕



「「「『『『会話が成立してたっ!??』』』」」」




ひとしきり、言いたい事を言い尽くした彩佳の後ろで何やら合唱。

興奮した彩佳はいつもこんな感じですよ?




「TVにどれだけ映っていたか知らないけど、【アジ・タハーカ本体】の一撃に耐火属性の魔法を使っちまった・・」


〔・・ヤバくない?〕


「まだこの距離でコピーされたかは分かんないけど」


〔最悪を想定して動くべきねぇ〕


〔最悪・・御姉様とソウタ様とゲンタ様の攻撃が全て通用しなくなる・・!〕


〔自衛隊は!?

最初の敵には自衛隊の兵器が通用したのだろう!?〕


「たぶん、そのウチ来るんだろうけど・・効かないんじゃないかな」


〔そう・・ね。

あの鎧みたいな姿・・おそらく本体の防御力は首の比じゃないわ〕




電話しつつ高い建物の屋上まで行き、颯太と源太ちゃんにパスで合図。




「速度・距離抑え目、威力マシマシっ!

ブイツーぅぅロケットぉぉぉ・・ッ!!」




魔法を放つ───も・・効かないッ!?

追撃する颯太と源太ちゃんの渾身の攻撃も多少よろめかせた程度。




「アレは・・!」




自衛隊・・!

戦闘機が今度は五機きた。

【アジ・タハーカ本体】にも機銃を撃ちこむ。




≪オ"ォ"・・≫




効いて・・いるのか?

イメージだけどしかめっ面をしただけにしか見えない。




「最悪の想定通り・・だな」


〔ど・・どうすんの!?

ミサイルだとか戦車砲とか撃ちまくればいずれ倒せるんでしょうけど・・〕


〔〔〔「・・・・・・」〕〕〕





皆が沈黙する。

コレが本来の・・倒すのに3000人を必要とする『街破級』か。




〔───一つだけ、可能性が有るわ〕


〔奈々・・?〕


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