145『しょっちゅう職質されるので、作者は 「 警察=ウザい 」 と感じてしまいます。』
特に 「 その理由、なんなん!? 」 と思ったのが
『夜に黒いTシャツを着ているのはキ○ガイだから』、と
『( まだ自転車のハンドルに傘を固定するのが違法ではなかった時 ) 自転車の籠に傘を差しているのはコジ○だけだから』の二つ。
マジでこう言われて職質されました。
「にっ・・ニ匹目の【アジ・タハーカ】・・!?」
「な、仲間がいたんだね・・!?」
「・・いや───」
さっきニ匹目が放った流星・・。
あれ、一匹目に俺が放った『ブイツーロケット』だよな・・。
仲間が見た魔法を、伝え聞いた・・っていうより───
「そうだ・・彩佳・・・!」
彩佳に電話。
〔幹太!? そっちは無事なの!?
たった今奈々達と合流したんだけど、襲ってきたのってゴジ○級なんでしょ!??〕
〔 〕
〔 〕
〔 〕
・・・・みんな無事みたいだな。
「俺達なら大丈夫。
俺達の戦いはこれからだ!」
〔打ち切り漫画みたいな事言わないでよ!?
よけい不安になるわっ!??〕
「いや、知らんけど・・ってか彩佳、【アジ・タハーカ】って、なんかのゲームか漫画に出てないか!?」
〔【アジ・タハーカ】?
三首の蛇の??〕
「み・・三首ぃ!??
颯太、多分仲間じゃない・・アレで一匹の魔物なんだ・・!
もう一つ、首がくるぞ!!」
「僕達でいう、物凄く強いパスで首同士が作戦会議してるのかな?」
「多分な。
テレパシー並みのレベルなんだろう・・彩佳すまん、戦いの最中だから切るぞ!?」
〔ちょ・・幹───〕
電話を切り、【アジ・タハーカ】を観察。
ニ匹目も、一匹目同様に源太ちゃんよりビルを優先して狙っている。
攻撃手段は体当たり ( 頭突き? ) と、俺からパクった『ブイツーロケット』のみ。
『あらあら~。
千の魔法を操るというのは、受けた魔法を真似る能力だったのね~』
「街破級を倒すのに必要な3000人の・・仮に一割300人の魔法使いが、思い思いの魔法を使って───街破級の魔力で撃ちかえした・・。
ソレが伝承の言葉ですかね?」
『多分ね~。
昔なら今より魔法使いは沢山居たし、空飛ぶ魔物なら魔法使いは多め・・ソレこそ1000人集められたかもしれないわ~。
今回の【アジ・タハーカ】は身体強化魔法と長距離射撃魔法しか食らっていないから・・』
【アジ・タハーカ】本来の所持魔法は浮遊魔法のみっぽいな。
ただ、元々手甲みたいな外見通り、やたら硬い。
その上、源太ちゃんからパクった『身体強化魔法』・・つまり『作用・反作用・引力・斥力・慣性』の操作魔法を全部防壁に使っているせいで、颯太と源太ちゃん渾身の一撃ですら致命傷には程遠い。
【デロスファフニール】は、その巨体故にどんな一撃も小さな掠り傷にしか成らなかったけど・・攻撃そのものは、ちゃんと通用していた。
「HPが何千とある、はぐれメ○ルじゃん・・」
一匹なら充分、ニ匹でも抑えるだけなら颯太と源太ちゃんだけでビルを守れている。
・・けど三匹なら?
俺も参戦しないとキツい。
そうなると・・ビルに残っている避難者か、移動中の避難者か・・どちらかを守りきれない。
「広範囲魔法なら同時に攻撃できるんだけど・・広範囲魔法や【デロスファフニール】に大ダメージを与えた魔法・・アレをパクられたら───避難者かビルのどっちかを見捨てなきゃならない。
『三匹目が現れる前に全員避難させる』のが、勝利の最低条件だな。
更に・・もう一つ問題がある。
敷地の出入口んトコにパトカーが停まっているのだ。
こっちの避難者を助ける名目で、見張っているらしい。
( 避難者が敷地外から出る時、必ず足止めしてくる。 コチラの危険は然も当然だと言わんばかりに。)
「昨日【ナーガ】を倒した、『陽炎に包まれた二人と同じなん』が、居るからね・・」
「自分達を助けてくれた謎のヒーローが、ココにも現れた・・って風には、ならんかなあ」
『為らないのでしょうね~。
多分、組織のメンツっていうのは世界も国も関係無いわぁ』
あのパトカーのせいで陽炎魔法を颯太と源太ちゃんに使わざるを得なくなり、【アジ・タハーカ】は陽炎魔法もコピーした。
ココにいるニ匹は、颯太と源太ちゃんに通用しなかったので一回使ってすぐ止めたけど・・三匹目が不意討ち用に使ってきたらヤバイ。
俺には通用する。
◆◆◆
警察の邪魔さえ無ければもうとっくの昔に避難し終えている頃、やっと最後の組の避難を終えた。
「本当は戦って欲しくなんて無いが・・いや、こうやって守られている立場で言えた台詞では無いか。
無茶せず、頑張ってくれ」
「大丈夫だよ、父さん。
全部分かっているから、俺も・・颯太にも・・・」
『異国で空中戦だから、私には何の手助けも出来無くて申し訳ないけどぉ・・』
「分かってます。
父さん達を守って下さい、リャター夫人」
「もう人間は居ないんだ。
変に実験結果だの、皆の財産だの気にしてビルを守ろうとするんじゃないよ?」
「流石に街破級にそんな余裕は無いですから」
この頃になるとマスコミのヘリや警察のヘリも増えていたんで、誰にも見えない場所で俺自身にも陽炎魔法をかける。
結局、三匹目の【アジ・タハーカ】は現れなかった。
海なり、潰れたゴルフ場なり、本気で戦える場所へニ匹を連れていった後に三匹目がビルに現れ───三匹目がビルを破壊した後、どうなるか?
大人しく帰るか・・『街破級』の名の通り、周りをこの街を破壊するか・・。
シェルターが近くにある以上、試す気にはなれない。
三匹目が現れるまでビルを守り続けるしかない。
「ブイツーロケット!」
三匹目の事を考えて、すでにパクられた魔法しか使ってないけど・・避難者はもう居ないし、広範囲魔法はどうするか・・。
「うわっと!?」
颯太に当りかかる。
そりゃそうか・・元々、対・源太ちゃん用に作った魔法だ。
威力はともかく・・どんな距離、どんなスピードでも当てられるようになってある。
これまで避け続けた二人が奇跡的なんだ。
「颯太・・!
源太ちゃん・・!」
二人に攻撃的なパスを送る。
「 OK 」 という返事のパスが帰ってきた。
「三匹目が現れる前に、ニ匹を倒す!
三匹目が強くなろうと、一匹なら───」
ソコで、周りのヘリが居なくなった。
三匹目!?
───いや、コレは・・自衛隊・・!?




