表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
134/547

134『働け、労働基準法。』


「御義父さん、ご無事でし───幹太!?

大丈夫か、幹太!?」


「だ あ い じ ょ お お ぶ う ぅ・・。

眠 い だ け ぇ・・」




父さんがァ・・魔力切れによる眠気でェ・・フラフラする俺を・・心配するゥ・・。


大丈夫だあって・・。

怪我ァ・・?

してなあい。


・・ほらあ。



◆◆◆



「・・ふぁわ~・・・あー?」


『御目覚めですか、御姉様。

お加減は如何ですか?』




俺・・ザレの膝枕で寝てて───


・・・・!?

寝ていたのか!??

皆との魔力パスは───繋がっている・・。

結界魔法とかは・・かかったまま、か。


んん??

ヘリコプターの中?

来る時、さんざん聞いた音と部屋だ。


眠かったのは確かだけど、まだ気絶する程じゃなかったハズだけどなあ?




「ん・・?

頭いたい」


『まあッ!? どうしましょう!?

御姉様が頭痛いんですって!?

どうしましょう、アヤカ!??』


「ぐっ・・大体ナニ言ってんのか分かんのがムカつくわ・・」




・・二人の反応で、大体分かるなあ。

なんか知らんけど彩佳にシバカれたらしい。


ソレで緊張の糸が切れたか。

( まさか気ィ失うほどに殴られた訳じゃないだろうし。)


・・まあ、いいや。


今、コッチのヘリには ( パイロットや山柄さんのスタッフ以外で ) 俺の他は、颯太・彩佳・ザレ・ビタ、の五人が乗っている。


つう事は、アッチのヘリには、源太ちゃん・父さん・リャター夫人・山柄さん、の四人か。


颯太は眠そうに舟をこきかけているし、ビタは完全に寝ている。


彩佳の妹、奈々を探し二回目にイ○ンに行った時が20時過ぎだったしな。

小学生と幼児に働かせ過ぎだ。

そういやザレもまだ中学生 ( 14歳 ) か。

どんな超ブラックだ。

・・すまん。




「アレからどうなったんだ?」


『一度、この乗り物をヤマエさんの拠点に持っていくそうです』


「燃料とかドウとかって言ってたよ。

組織の支部が近くにあるんだって。

・・ほんのちょっと嘘ついてたけど」


「───嘘? 山柄さんが?

・・悪意は?」


「全然なかったよ」


『ゲンタ様は普通になされていました。

心配無いのでは?

御姉様の頭の傷は心配ですが』


「そっか」




・・山柄さんの嘘、か。

魔法使い同士に嘘は通じない。

ソレでもついた嘘・・ねえ。


ガチの喧嘩に発展しつつある彩佳とザレを止めつつ、ヘリが目的地につくのを待つ。



◆◆◆



俺達の乗るヘリともう一機も、とあるビル屋上のヘリポートへ着陸。

田坂のヘリは地上のヘリポートへ。


もう一機から降りてくる面々の表情は

・・暗い。

いや、暗いというか───複雑だ。


何か問題があり・・その問題の相談を大人達だけでやったって感じか。




『な・・何でしょうか、御姉様?』


「オジさんの表情が・・特に・・ね」


「・・ま、まあ、この後話してくれるだろうさ」




大人組と合流するも・・敢えて今は聞かず、ビルから出てきたスタッフの案内に付いてゆく。


案内されたのはTVドラマで見るような会議室。


すでに何人かいて、田坂もいたが・・知らない人間もいる。

殆んどがスーツだけど、俺達以外で私服が四人いた。


他が山柄さんと田坂なんで、多分『【歪み】に結界をはれる8人』かな。


他のスーツ組が四人なんで、残りの四人の代理?


山柄さんがいかにも一番エライ人が座る場所に座る。




「先ずは秋原家とその関係者に、自己紹介を。

この八人が【人土】の代表とその代理だ」


「『【歪み】を直せる八人』で、良いんですよね?」


「ああ」


「で、彼女等が異世界へと旅立ち・・再びこの世界へと帰ってきた───

秋原 源太どの、秋原 幹太どの、秋原 颯太どの、だよ」




山柄さんの紹介に、山柄さんと田坂以外六人の表情が僅か変化する。




「その隣が異世界からのお客さん、ザレどの、リャター夫人、ビタどの、だ」




彼女等の紹介には・・六人が明らかに表情を変える。




「異世界からの客ゥ!?

【空の口】の手先じゃ───」


「クラスターミサイル」




私服の一人、俺よりちょい上・・18~9歳の女が、全部言い終える前に火球を40個ぐらいを放つ。


完全な自動追尾型じゃなく、人やテーブルに当たる寸前で止める。




「ひっ!?」


「なん・・【人土】でも無いのにこの魔力だと!?」


「な・・何よッ!?

アンタも【空の口】の手先か!?」




目に悪意を込め───




「【空の口】は関係ない。

向こうで何の見返りも無く助けてくれた仲間だ」


「「「・・・・・・」」」


「・・でも───熱っつ!?」




まだ反抗しようとしてきた女に火球を一個、服の端にぶつける。

上等な服っぽいし、一瞬で燃え広がるなんて事はない。


せいぜいで軽ヤケド程度だ。




「ちょっと・・幹太!?」


「幹太!?

やめるんだ!」




彩佳が引き・・父さんが止めるけど無視。

山柄さんが女を睨む。




「今のはアンタが悪いよ」


「でも・・」


「彼女達に謝罪しな」


「・・・・・・ッ!

───も・・申し訳・・有りませ・・ん・・でした・・・ッ!」




暫く女を睨み続け・・火球をある程度引っ込める。


父さんと彩佳が俺の様子に、源太ちゃんや颯太を見るけど・・さも俺が『当然の事をした』という雰囲気に青ざめていた。


一応、赤ちゃんの精神・・『呪い』については説明しているんだけどなあ?


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ