127『流石にテ○東でも報道しています。』
申し訳有りません。
最近夏バテ気味で、しばらく一話一話が短くなりそうです。
TVには、もたげた鎌首部分だけで2m以上の巨大コブラが数匹映っていた。
巨大コブラが・・咥えた警官やTVスタッフを一度空中に放りなげ、角度を整えて───スタジオの映像になる。
〔───た・・たたた、只今・・えい、え、映像ががっ・・乱れ───〕
「あ・・ありゃあ【なあが】っちゅう、『村破級』の魔物じゃな」
「コレ・・って、僕達がイ○ンで塞いだ穴の・・!?」
「たぶん、そう・・だな」
『暫くお待ち下さい』という画像しか映らなくなったんで、TVのチャンネルを変える。
〔へ、へび・・へび蛇───〕
〔た・・たった今警官と───〕
〔あ、アタマツーーッ!!───〕
「「「・・・・・・」」」
他のチャンネルも『お待ち下さい』か・・アナウンサーやコメンテーターが『終末論』だの『あの国の生物兵器』だの支離滅裂な事を好き勝手に言っている。
( 『異世界の魔物』だというのも支離滅裂かもしれんけど。)
全てのチャンネルが、異世界からの侵略者について報道していた。
『お・・御姉様!?』
「───・・っ。
○○県なんて、一番速い交通手段でも数時間かかるぞ!?」
しばらくして・・とあるコメンテーターの一言で、場はさらに荒れる。
〔何処ぞのテロかどうかは兎も角・・本来の事件であったハズの、謎の【新種の生物】と【電波障】による被害地は───日本各地で30ヵ所以上ですよね!?〕
〔〔〔・・・・!?〕〕〕
〔───ば・・馬鹿馬鹿しい!
偶々だ、たまたま!!
あの土地はあの国から物資を運びやすく・・!〕
日本各地に30ヵ所以上・・。
山奥だとか・・人が居ないから怪我人も出ず、電波障害も見つかって無い場所もあるかもしれない。
ソレを山柄さんの仲間8人で対処・・。
どんなに効率良くやったとしても一週間はかかりそうだ。
戦力は1ヵ所で『村破級』数匹分。
フィクションで怪物が出た時、イキナリ戦車・自衛隊が出動している作品があるけど実際はどうなんだろ。
まずは警察や猟友会を集めて、拳銃や猟銃で対処しようとするんじゃないか?
「儂が転移して最初に戦ったんじゃがのう・・。
ありゃあ、首の振りが速いぞ。
蛇皮も固いしの。
とても一般人が小さい鉛弾数百発撃ったトコロで、倒しきれるとは・・」
「だよなあ・・」
・・と、そこで電話。
山柄さんからだ!
「はい、幹太です!!」
〔TVは見たね・・!?
今すぐ迎えを寄越すよ!〕
「えっ・・!?」
しばらくして来たのは、数台の高級車。
コレに父さんが気付いて慌てて二階から降りてくる。
父さんもニュースは見ていたらしい。
高級車のウチの一台から降りてきた山柄さんに父さんが突っかかる。
「息子達と御義父さんを何処に連れていくつもりですか・・!?
事件は警察なり専門家に任せれば───」
「アンタもTVを見たんだろ?
アレは警察どうこうのレベルじゃあ無いよ。
ソレにアンタは専門家専門家っつうけどね・・一番の専門家は誰か分かってんのかい?」
「・・はあ!?
貴女方ですか・・?」
山柄さんはチラリ・・こちらを見る。
父さんが釣られてこちらを見て───意味に気付き、青ざめる。
・・そうだ。
恐らく、この世界で魔物退治一番の専門家は・・俺達だ。




