125『タワーディフェンスゲームだと、味方拠点の真ん前に敵ポータルがあるようなモン。』
「───という訳で・・今、魔女の手先が日本中 ( ひょっとしたら世界中 ) に出現している可能性があります」
店に着いてからのアレコレを説明。
世界の境界線が薄い場所があった。
ソコから異世界の魔物が現れた。
魔物が現れると【電波障害】が起こる。
今、日本中で【電波障害】が起きている。
『あらあら~。
ソレは大変ねえ・・』
「『向こう』から『コッチ』へ、アプローチする手段があるって事は───
『コッチ』から『向こう』へ、アプローチする手段も充分有るハズなんですよね」
『でも・・ソレってヤマエさんが言っていた通り───ニホンに危険をもたらす考えよ~?
貴女達姉妹を誰よりも大事に思う、御父様をも裏切る考えでもあるんでしょう?』
父さんは典型的な日本人とも言える。
何のトラブルも無い日常を尊ぶ、事無かれ主義ってヤツだ。
俺も颯太や家族に仲間さえ平穏にいれるなら他人がどうなろうと、欠片も興味がない。
・・ただ、必要なら・・悪意をぶつけてくるならソレ以上の悪意をぶつける事に何一つ躊躇いが無くなった。
善意には好意を。
悪意には敵意を。
「まあ・・俺は日本人であり───
傭兵でもあるんです。
『女学園のみんなを【銀星王国首都】へ連れていく授業』という依頼任務中ですしね」
『・・そう。
・・・・有難う』
◆◆◆
『ワタクシは・・御姉様にお任せするしか有りません』
ザレにもビタにやったような魔力譲渡でトラウマを癒しつつ、今の日本の現状を説明。
すると颯太が複雑な顔で、問いかけてきた。
「幹太姉ちゃん・・。
さっき、父さんに言われたんだ。
『ココは日本だ。
事件は警察や自衛隊に任せば良い』
・・って。
警察や自衛隊になんとか出来ると思う?」
うーん・・。
『街破級』でも肉の有る生物な以上・・ゴジ○と違い、ミサイルだナンだは通じるハズ。
山柄さんは【空の口】のチカラを削ぐ為、『境界線は封印し続ける』と言った。
・・『手が足りない』、とも言った。
たぶん、警察や自衛隊・・国家に、マンガみたいな封印結界装置は無いだろうし。
・・最悪、無限に異世界から魔物が溢れつづけた時・・何時までも弾薬や食糧が持つのか。
復興なんて、邪魔が入らないから出来る。
復興工事現場や避難区域に際限無く魔物が現れた続けたら───
「『平和な今の日本』って意味だと、たぶん無理・・っぽいな」
山柄さんの言う『【空の口】の盾を無くし、異世界陣営が倒すのを待つ』のも。
日本に敵が上陸してから、やっと動ける警察自衛隊も。
「対処療法じゃなく、根治療法じゃないと・・日本も紛争地みたくなりそうだ」
「だよねっ!?」
「お・・おう」
強い意思を目に宿す颯太。
ま、まあ・・女学園のみんなにディッポファミリー傭兵団やウエスト傭兵団、改心した傭兵団にギルド。
【北の村】の人々、パラヤンさん父娘。
まだ見ぬビタの一族や源太ちゃんの恋人の一族。
・・ザーロスさんも一応。
【空の口】を倒すまで無事である保証はない。
「リャター夫人には悪いけど直接的な方法は全部任せて・・俺は木島さんトコで見た【結界魔法】の研究と───
【スライム細胞】の話を聞こうと思う」




