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124『作者のトラウマ作品は『バタリ○ン』と『○・カー』です。( この映画のせいで今だに車が怖いのです。)』


「なっ、奈々はどういう状態なの!?」


「怪我そのものは、カスリ傷だ。

・・けど───

【コカトリス茸】、通称 " 黒キノコ " にヤられた」


『あらあら~・・それは』


「こ・・【コカトリス】って、ゲームだと石化異常の・・!?

キノコって何!?

な、奈々が石化するの!!?」


「まだ奈々は柔らかいから大丈夫だ!」


「柔・・!?

こ、こんの・・スケベぇぇえっ!!」


「ちがっ・・誤解───」




リャター夫人に押さえつけられた彩佳が落ちつくのを待って説明。


①.黒キノコは感染の後、菌糸が全身の神経に伸びてゆき身体が動かなくなってゆく。

( 一般に石化と呼ばれるのはこの時期。)


②.全身の神経を乗っとると黒キノコの菌糸は脳に伸びはじめ、意思や感情が薄れていく。


③.【コカトリス】 ( 黒キノコ ) の望通りに操られる。




「石化前なら効く解毒剤は有るらしい。

ただ当然、俺達は持ってないし・・山柄さんの知り合いの医者がコッチで効く薬を見つけられる保証もない」


「だから植物を操るっていう、このコなのね」


「ただ・・ビタ一人で治せる人数には限りがある。

奈々と一緒に居たOLさんには悪いけど見捨てるしかない。

( 治しても、他人家で目が覚めたら誘拐扱いされるやもしれないし。)」


「・・で、そのビタが───」


『あはははは・・【人花】の私がキノコを取ったらカニバりませんか?』




・・蟹場??

奈々の中の黒キノコを除去出来無いかを聞くも、すっかり変なトラウマが植えつけられちゃったなあ。


まあ、そんな人格成型に深刻な影響を与えるようなアレじゃないっぽいけど。


俺も子供の頃見たホラー映画でのトラウマはあるし、誰しも似た経験あるだろう。


でも今は、トラウマをなんとか癒さなきゃ奈々も救えない。




「べ、別の子供向けアニメ見せてみる?」


「いやぁ~・・ドコに地雷があるか分かんないし。

てか、もう『アニメ = 怖い』んじゃないか?」


「じゃ・・じゃあどうするのよ?

石化までに間にあうの!?」




この黒キノコについて、昔とある医者が犯罪者や奴隷を使って───


『黒キノコが人間に寄生してから発芽するまで』


───という研究をしたらしい。


その研究によると・・。

七~十日程は余裕あるらしいけど、彩佳の両親にバレないタイムリミットは・・精々1時間ぐらいか。




『奥の手がなくも無いのだけど~・・ちょっと、ねぇ』


「奥の手?

そんなの有るんですか!?」


『魔力譲渡 ( 魔力吸収 ) よ。

カンタさんとソウタさんが依頼で女学園ウチに来たとき───カンタさんの、ザレを想う気持ちがザレのトラウマを一瞬で癒しちゃったわよね』


「あー・・そういやあ、そんな事も・・。

でも幼児にそんなん・・。

あ、安全なんですかね?」


『元々魔法使いではない私達は空中の魔力を吸収しているのだし~・・ビタさんが【人花】というのが大きいわぁ』


「というと?」


『ヤマエさんの言う【三種族】の本を見るに・・【三種族】って、魔法使いでは無いけど魔法使いのようなチカラがあるらしいわぁ。

【人花】の植物操作みたいな、ね?

だから人より魔力を貯めるチカラも有るらしいのよ~』




ザレの魔力弁異常みたいなモンか。




「取敢ず・・。

『アッチの空中の魔力分』+『俺と颯太と源太ちゃんから漏れ出ていた分』だ。

コレなら転移前と同じだし、変な感じには成んないだろ。

・・ビタ、いくぞ」


『・・・・んっ!』




・・うん、あの変な頭の白む感じは殆んどない。

ビタのトラウマを癒したい気持ちを込める。


ビタ・・アンパン○ンは悪くない・・!



◆◆◆



『はあぁぁ~・・。

なんか・・なんだか・・嬉しいっていうか、楽しいっていうか───

・・とにかくラクになったのです!』


「よかったあ」


『此方の女性の中に、植物があるかもしれないんですね?』


「あ・・・・・・そういや奈々、だっけ」


「あ・・アンタねえ、奈々の事忘れないでよ!?」


「ビタちゃんを利用するために───とかじゃなく、ソレだけ本気で相手を助けたいって思えなきゃ駄目ってことだよ、彩佳姉ちゃん」


「・・ふん、まあ幹太にそんな何人も同時に───なんて器用なこと出来ないでしょうしね・・甲斐性なしだし」




なんか失礼な事を言われている気がする。

まあいい、今は奈々だ。




『───ん・・う・・・・ふぅ。

キノコは根ごと、全部取れたのです』


「ビタ自身は大丈夫か?

身体は、残魔力は・・?」


『身体はなにも。

ちょっと疲れただけです。

魔力は・・ゴメンなさい』


「いや、有難う」


『・・・・。

は・・・・ハイ・・』


「幹太?」


「うギっ!?」




いきなり彩佳に耳を引っぱられる。

なんなん!??




「奈々はもう大丈夫なのよねっ!?

ならウチに連れて帰るわっ!!

手伝って!!!」


「はいはい」




俺が奈々を背負い、彩佳が支え、奈々を家へと連れ帰す。


彩佳の両親は奈々にだけ注目し、彩佳が捜しにいって見つけた等々を完全に無視。


寧ろ救急車をよぶ邪魔だとまで言われた。


まあ、俺だってOLさんを見捨てたんだ。

人に優先順位アリか。



◆◆◆



「・・・・・・。

父としては、御互い認めあう関係なら ( 幼児以外 ) 誰でも良いのですが・・。」


「幹太の場合、誰が相手でも尻に敷かれそうじゃのう。

ああ・・じゃが、あの男の子だと逆に・・」


「はい?」


「うんにゃ」


『おっ、御姉様・・カーニバル・・・』


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