表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
120/547

120『一方、そのころNASAでは───は、ちょっと有ります。』


「えーっと・・幹太姉ちゃんが【アルラウネの花】で腕を治そうとして・・なんか声がして日本にきて・・ん~───」




うん、体にも心にも記憶にも異常はない。


魔力の流れも『世界のナニか』で消滅して、異世界にいた頃とくらべたら遥かに弱々しいが正常に流れている。


颯太への診断を終え、今までの事情を伝える。




「・・えっ?

女学園のみんな、居ないの!?

早く【銀星王国】に帰らなきゃ・・・・・!」


「そ・・颯太?

何を言っているんだ、お前が帰る場所はこの家だろう!?」


「えっ・・でも・・・・」


「父さん・・言葉のアヤだから!」


「仁一郎君、つい ( 颯太の主観では ) さっきまで共に戦っていた仲間が居らんのじゃ。

無理からん事よ」




俺達家族にとって、一番大事なのは家族であってソレ以外の人は『二の次』である。


そのことは否定しない。

俺がそうだから。


・・だけど共に過ごした時間がずれてしまった俺達と父さんとでは───家族の定義が変わってしまった。


父さんにとって、家族以外の家族は彩佳までで・・リャター夫人やザレにビタ、まして見た事無い女生徒達はあくまで『息子達の知り合い』なんだろう。


家族でない者の為に家族が危険な事をしようとする・・。

・・うん、想像するだけで心が痛い。


でも。

俺達にとってもはやリャター夫人達、女生徒達は苦楽を共に過ごした俺達の『家族』なんだ。


出来うるかぎり助けたい。




「大丈夫だよ、父さん。

チャチャっと彼女達も助ける、俺達は家族なんだから!」


「ん。

・・うんっ!」


「そう、か・・。

そうだな、世話になった人達だものな」


「・・・・そう、だの」


『そのためにも、この本には期待したいトコねぇ』


『異世界転移・・ですか。

ワタクシには想像すら、つきませんわ。

御姉様になら───』




──ピリリリリッピリリリリッ──


「ん、彩佳から電話だ。」


『・・ちっ』




ナニか聞こえたけど聞こえない。

・・でもなんだろう?

巧く御両親に謝れたのか?




「彩佳か?

ちゃんと謝───」


「ごめん、幹太!

妹の奈々がソッチにお邪魔してない!?」


「・・はあ?

いや、来てないけど。

てか、来ないだろ」


「そ・・そりゃそうよね・・ごめん」


「なんだ?

まだ ( 20時 ) 帰ってないのか・・普段から出歩いたりしないのか?」


「あの娘はそんな、親受け悪い事しないわ・・。

そのせいでアタシが学校サボったとか、どうでもイイみたいで・・。

───ソレで・・さっき、店から出る時なんか在ったでしょ?」




あー、あの悲鳴・・タイミング的には、絶対に巻きこまれてはいない───とは言いがたいか。




「アレ、店内で前ブレもなく突然人が怪我したとかニュースでやってて・・大勢被害者が病院に連れていかれたらしいの」


「えっ!?」


「ソレで、パパが病院に連絡したんだけど奈々は居ないって・・」


「警察には?」


「最初に連絡したらしいけど迷子でもその被害者名簿にも居ないらしいわ。

・・だから」


「だから?」


「だから・・その・・・昨日のアンタ達の、ね?」




まさか・・転移!?

───いやいや・・ソレは流石に今、彩佳の脳がマンガ脳になっているだけだろう。




「分かった。

ルートと店を探してみるよ。

転移ならリャター夫人達が転移してきた時のように魔力の残りカスがある ( かも、しれない ) から」


「・・ごめんなさい」



◆◆◆



「走れないと不便だねぇ」


「そうだなあ」




颯太と、ウチからイ○ンまでの道程を探査。


父さんが行くなと頼んできたけどコレは俺にしか出来事だし、彩佳の心配しすぎだから危険は無いと説得した。


源太ちゃんも付いてきたがったけど三人のフォローを頼む。


ただなあ・・コレ、俺と彩佳ん家からの直通ルートだからなあ。

もし、奈々がイオ○から別の場所へ行っていたとするとお手上げだ。


・・ナンパもウザいし。

顔を見て近付いて、胸を見て鼻の下を伸ばし、包帯まいた両腕を見て去っていくけど・・。

( 中にはチャンスと捉える奴もいるが。)



◆◆◆



「はあ・・店に着いたけど結局途中で魔力痕は無かったな。

もし営業中の店内で転移なんて起こったらもっと話題になるハズだし」


「あ、幹太姉ちゃん・・警察の黄色いテープ!」


「アソコが彩佳がニュースで見たって言ってた事件の現場か」




別の入口から入店し、現場近くへ。




「う~ん・・魔力痕なんて見えないなあ。

颯太は?」


「僕も見えないよ」


「おう、アンタさっそく来たのかい。

よく気付いたね」


「山柄さん!?」




何故か山柄さんがソコにいた。

起きて会うのは初めての颯太が若干人見知りしているので紹介。


悪意なく嘘もつかない山柄さんに、颯太が警戒心を解いたトコロで山柄さんに質問。




「気付いたって何にですか?

俺達、ただここで知り合いが怪我をしたかもしれなくて」


「なんだい、アンタなら魔法で広域時空震探査が出来るかもって思ったよ」


「なんですか、ソレ?」


「空間の歪みを探査する機械だ。

あの整体屋んトコもソレで調べたのさ。

・・で、ココに反応が在ったんだけどね」


「って事は・・今ニュースで騒がれている事件は・・」


「たまたま偶然どっかの馬鹿がココでなんかヤラカシたって線も無い訳じゃあないけどね。

普通の地震探査と同じで100%正確にゃあいかないよ」




なるほど・・まだ、調査の必要アリか。

取敢ず彩佳と父さんに連絡を・・あれ?

繋がらない?



「なんだって?

・・ホントだね、コレは───アンタ、今日本中で電波障害が起こってるってニュースは見たかい?」


「いえ・・今日はTV自体、見てなくて」


「政府は磁場がどうたら言ってたけど・・まさか空間の歪みと電波障害は関係あるのかい?

───だとしたら日本中に歪みが・・!」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ