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115『お兄ちゃん、何でウチのヒロインすぐにネタに走ってしまうん?』


『あらあら~。

魔王【空の口】・・二千年前と一千年前の出来事ねぇ。

その、過去の書籍を集めた道具・・見せてもらって良いかしらぁ?』




リャター夫人が山柄さんのスマホを見たがる。


日本の技術のトリコになったリャター夫人だけど流石にスマホを再現出来ない事は分かっているだろうし、純粋に本を見たいだけっぽい。


山柄さんとしても、今となっては分からない文字もあるし異世界の識者に見てもらうのは願ったり叶ったりだそうだ。




『操作方は───はい・・はい、そうです。

で、この赤丸でチェックされているのが分からない文言だそうなんで教えてほしいそうです』


『分かったわ~。

纏めた書類を作っておくわね』




許可をもらい、リャター夫人に見せるついでに俺のにもデータコピーする。



◆◆◆



「【空の口】に、再び復活の兆しがあってな」


復活ふっあう?」




源太ちゃんが 「 儂も腹がへった 」 との事でテーブルで食事開始。

二人揃って護る必要がなくなり、颯太は俺の膝に乗せて膝だっこ。


皆が「『この兄弟 ( 姉妹 ) は・・』」という顔をする。

・・良いじゃん。




「何度、復活しようと『三者』の子孫として我ら【人土じんど】【人花じんか】【人狼じんろう】の三種族は【空の口】と相対する使命がある」


「『三者』?」


「『英雄』に付き従った三人の乙女達だそうだね」


『『英雄』?

最初の魔法使い、英雄ヨランギですの?』


「うむ。

『三者』とは───

私等【人土】の祖先、『賢者』。

【人花】の祖先、『聖者』。

【人狼】の祖先、『覇者』。

それぞれが英雄に、知恵や知識を与えたり、怪我や病の治療をしたり、立ち塞がる敵を倒したり・・だそうだよ」




そういや魔物の森で初めて【スライム】と戦った後、ディッポ団長の息子ヒトゥデさんに聞いた話だと───


魔王が創った生きた粘土と大英雄の使徒たる賢者が、戦いの果てに混ざりあったのが【スライム】だ・・と、教えてもらった。


賢者の子孫が【スライム】で、【スライム】の子孫が【人土】なのか。




「魔女・・と、いうのは?」


「・・よくは分からん。

ただ、魔女という種族から代々【空の口】が輩出される───っつう説が一般的だね」


「魔力に極振りした一族とかかしらね」


「最初に【空の口】が表れた時は『大英雄』と『三者』が。

二回目に【空の口】が表れた時は『三者』の子孫の『三種族』が、協力して倒したらしいね。

ただ、その時・・【空の口】の最後の一撃で時空が歪み、拠点の砦ごと私の御先祖様がコッチの世界へ来たのさ」




その時、砦に備蓄されていた物資 ( コチラには無い筈の魔物の素材など ) を元手に財をなし、この店の原型や【空の口】討伐をコチラ側で達成させる組織を作ったらしい。




「けど・・現状、整体屋ンとこで言ったとおり、今の私等は人間の血が交ざりまくった『ほぼ人間』だからね。

『三者のチカラが宿る核』と『アッチの魔力』の代わりに『コッチの何某』を利用して、時空の歪みを塞ぐのが精一杯さ」


「魔力と反応しあっている『コレ』ですか!?

コレを利用出来るんですか!?」


「ウチ等で開発した技術と、魔力を喰うという【スライム細胞】を極僅かとはいえ身に持っとるお蔭でな」


「【スライム細胞】・・かあ。

あ、俺【スライム細胞】持ってるかも」


「・・何?」


『日本へ来る前、魔物の森の【スライムプール】のモノですか?』


『いや、そうじゃなくて。

俺と颯太・・以前にあの【スライムプール】に、ちょっと喰われたんだよね』


「「ブフーーーッ!!」」




彩佳と父さんが今度は、飯を吹く。

彩佳☆ラーメン☆鼻。


その彩佳の顔を見て、今度はザレが吹きだし、俺を挟んでの取っ組みあいになる。

勘弁してくれ。

( ・・でも両頬とかに、ちょいちょいプニプニと・・あー、いや。)




「幹太・・それより、その、【スライム】?

とやらに、食われ・・た?

・・のは、大丈夫なのか・・!?」


「食われたのはちょっとだし。

寧ろその後・・魔力を吸われた時?

・・の方が辛かった?

・・・・気がする??」


「そ・・そうか・・・。

・・大変だったな」


「とにかく、【スライム】に肉を喰われ続けると徐々に【スライム】に為るんだよ。

ちょっととはいえ、【スライム】に喰われた俺や颯太に【スライム細胞】ってある・・のかなあ?」


「見てみよう。

部屋の隅へ来て服を脱ぎな」


「女と父さんしか居ないんだし別にココで───」




──ゴゴンッ!──


割とガチで彩佳とザレに殴られた。

息ピッタリに。

やっぱ君ら、仲イイよね?



◆◆◆



「───有るな、【スライム細胞】」


「マジすか」


「マジも大マジ、しかも私より多いかもしれないね」




山柄さんが──俺の脇腹、【スライム細胞】部分が有るらしいトコを・・軽く、ツメで円を描いている。


本人は完全に無意識っぽいが、あの・・その・・くすぐったいから・・ちょ・・・止め───




「・・・・」『・・・・』




ナンか・・彩佳とザレが、ガン見してくる。




「・・で?

どうする?」


「は・・っ、はい?」


「アンタの【スライム細胞】さ。

取るか、自分で使うか・・だね」


申し訳ありません。

次回更新分は時間が取れず、短くなるかもしれません。

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