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113『知りたくなかったよ! 上司と新人 ( 男同士 ) が、突然 「 交尾ゴッコ 」 なる遊びを始めたけどそんな遊びの存在!』 

上司は既婚者です。


中華料理屋裏の駐車場。

各駐車スペース毎についている何らかのタッチパネルを、御婆さんが操作する。




「・・うむ。

今なら入れるぞ」




ココから出入りする人達は御互い、顔を知りたくも知られたくも無いんかなあ・・はは。


裏の出入り口は一ヵ所だった。

けど、中は扉が八つ。

駐車スペースと同じパネルがついていて、二ヵ所が青で、残りが赤。


片方の青パネルを御婆さんが操作。

扉が開くと・・うおっ、エレベーターじゃん・・!?


一見、ややデカイってだけで普通の中華料理屋に・・八機ものエレベーター。

───カタギが使う店には見えない。




『うぐっ!?』


『お、御姉様・・!?』


『大丈夫だよ』




エレベーターの例のアレに異世界組が戸惑う。

約十秒、体感的には上か下かは分からねど ( 外観は三階建て ) 二階分は移動した。


着いた先は宴会でも出来そうな広さの部屋と ( 窓がないんで地下か? )、部屋の真ん中にコレまたデカい丸テーブル。




『あらあら!?

景色が変わった・・!??

まさか部屋ごと移動したのかしら!?』


『部屋ごと・・!?』


『人間・・恐るべし・・!』


『さっきの車が平地を横移動するなら・・エレベーターはこう───車を丈夫なロープで壁際にぶら下げて縦移動させたんです』


『・・縦移動も商品運搬において魅力的だけど・・その、『丈夫なロープ』の運用性が計りしれない気がするわあ・・どこかで見れ ( 買え ) ないかしらぁ!?』


『はは・・ちょい目が怖いです』




取敢ず、未だ寝ている颯太と源太ちゃんを俺の席の真後ろへ寝かす。

何故か両脇を彩佳とザレに挟まれた。

( せっかく誤解の解けた父さんと話たかったのに・・父さんもスゲえ寂しそう。)


この部屋に敵は居ないが万一の為、二人の周囲に遠隔操作型の火球を20個展開させ、テーブルへつく。




「おお・・この『世界』でソコまで魔法を使えるか」


「まあ、色々あったん───」




──ぐう~──

──ぐう~──

──ぐう~──

──ぐう~──




「・・ふふん。

まあ飯屋じゃしな。

車内で軽く自己紹介は終えたし、好きなモンを食え。

奢りじゃ」




御婆さん──山柄やまえ うらさんに促され、食事の注文を始める。



◆◆◆



メニュー表の写真だけじゃあどんな料理 ( 味 ) か分からない異世界組のため、色んな料理を一人前 ( もしくは半人前 ) づつ頼み、みんなでわけた。


そもそも貴族のマナーを取り入れた女学園では、音をたてずに食事する文化。


なんで熱々料理というのが殆んどない。


だからラーメンや小籠包などは苦労してたけど気にいってくれたようだ。

( 以前、俺や颯太が熱々の料理を作って、ズルズルハフハフ食い辛そうに食事するサマは奇異の目で見られたモンだけどな。)




「ほぉ~、コッチからアッチの世界への転移か・・しかも元男とはな」




食事も中盤、ポツポツと事情説明。

元男や源太ちゃんの若返り部分は言語チートを持たない彩佳がサラッと説明してくれた。




「山柄さんの先祖は王族か貴族だったんですか?」


「いや【スライム】っちゅう魔物じゃ」


「「・・は?」」




───聞き間違いだろうか。

彩佳が 「【スライム】って、○ン娘なの?」 と聞いてきた。

あんなモ○娘いるか。




「す、【スライム】・・って、

肉を食って仲間を増やし、魔力を吸って腹を満たす・・あの【スライム】ですか?」


「らしいがな。

【スライム】も、【スライム】から生まれた御先祖様も見たこと無いがな」




山柄さんが酒をチビチビ飲みつつスマホを操作し、画面を見せてくる。

これは・・異世界の本の映像だな。

自炊ってやつか?




「御先祖様が異世界から持ってきた百冊以上の本をデータ化したんじゃ」


「俺はアッチの文字は簡単な字しか読めませんけど・・」




スマホの画面には、【スライム】の中から女の人が這い出てくる絵とその下に・・英雄・・賢者?

という文字が映っていた。




「【人土じんど】【人狼じんろう】【人花じんか】っちゅう言葉を聞いたこと無いか?」


「【人狼】はともかく、【人土】【人花】は───」


『げふっごほっがはっっ!!?』




・・【人花】という言葉を聞いた途端、ビタがむせる。

場の視線が、自分に集まっているのに気付くと───唇を尖らせ、すーすー言いはじめた。

口笛のつもり?




「【花の核】を『種族の秘宝』と呼び、光らせられるモンは・・まあ【人花族】しか居らんな」


『だってさ。

まあビタが俺達と違う種族ってのは分かってたけど』


『はわあっ!?』


『『ええっ!?』』




リャター夫人とザレも、ビタが人間ではなかった事にビックリしている。

いや、リャター夫人絶対気付いてたでしょ?

ニタニタしすぎ。




『ううぅ~・・』




恥ずかしそうにモジモジするビタ。




「まあビタはビタだし。

【人狼】は・・源太ちゃんの彼氏がそうで───」


「「げふっごほっがはっっ!!?」」




今度は彩佳と父さんがむせる。

あー・・そういやこの辺は大雑把にしか ( 出来事しか ) 話してなかったっけ。




「仲間の【人狼】と共闘の末、【ニーズホッグ】の核を破壊したんだけど、その人は力尽きちゃったらしくてね・・」


「えっ、ナニそれ!?

源太爺ちゃん可哀想・・じゃなくて!!?」


「か、幹太・・ソコじゃなく・・!?」


「じゃから彼氏じゃない・・っちゅうとろうが」


「「「え?」」」




声をした方を振りかえると・・顔を赤くした源太ちゃんが目覚めていた。


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