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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
ディッポファミリー傭兵団
11/547

11『男の本心は分かります。』

 

「き、気持ちイイよ~!」


「御兄さん、俺・・恐いから・・。

もっとゆっくり動いて・・?」




───ギュッ!!




「うっ!?」


「そんな・・もっと速く・・!

あっ、あっ、ああっ!?

こんな激しく・・だ、駄目ェっ!?」


「何やってンでい、おめぇ等・・」




馬で移動開始。

乗馬経験なんて無いので、大学生ぐらいの御兄さんの後ろに乗せて貰う。


颯太は楽しめて何よりだが・・俺はどうにも駄目で、恐怖のあまり御兄さんの背中に強く抱きついた途端───暴走された。




「・・ご、ごめんね?」


「・・・・・・。

颯太は大変気持ち良かったそうで。

今度は貴方( の操る馬 )に、姉妹で乗せて貰ってイイですか?」


「そ、そんな!

今度はきっと君を満足させてみせるから!?」


「何やってンでい、おめぇ等・・」



◆◆◆



彼等が今日野営する予定だった地で、改めて自己紹介。




「俺ァ、ディッポ。

こいつ等ディッポファミリー傭兵団の頭だ」


「傭兵団・・。

だから、あの戦闘力と統率力だったんだ・・」


「幹太───姉ちゃん、傭兵って?」


「俺の知っている傭兵は、お金を貰って雇い主の敵をやっつける仕事・・かな?」


「大体間違ってねェゼ?

護衛中に襲ってくる奴を殺る。

指名手配された奴を殺る。

敵国の兵士を殺る。

丁度この国は戦争が終わったんで、今は行商をやってるがな!」




そして、ガッハッハッと笑い───目が鋭くなる。

さて・・俺達の事情はどう話すべきか。




「御姉チャンが『アキハラ カンタ』、

御嬢チャンが『アキハラ ソウタ』・・だったか。

『アキハラ』は家名か?

家名持ちの女二人が何でこんな所に?」


「・・え、え~っと・・。

・・家の・・家の修業? で?

7つの玉を・・あ、集め・・?」




・・よく考えたら、今まで人を騙すなんてした事無い人生だった。

( 彩佳に下心無いとか言ってた? 何のこと?? )




「玉───だァ・・??」


「ほ・・ほんとだよっ!?」


「・・じゃあ、何て名前の国に住んでた?」


「に、日本にほんという島国です」


「ニホン・・聞かねェな・・。

で? コレからどうすンだ?」




コレから・・か。


魔物(犬ゴリラ)に襲われた。

俺の失態で颯太に迷惑をかけた。

襲ってきたとはいえ、生き物を殺した。


トラウマに成りそうな出来事の連続で、異世界に来て不安に思う自分と───


・・ナンだカンだ言って武術一家の末裔なのか、血が騒いでいる自分がいる。

生き物を殺した事も、心の負担になってない。

( 当然、俺も颯太も生き物を殺して喜ぶ趣味は無いからな? )


颯太を見れば・・俺の顔を見てニコッと笑う。

同じ考え、か。




「確かに御察しの通り、詳しく言えない事情があって旅に出る事になりました。

・・ですが、楽しくも有ります」


「うん! 僕も!」


「なので故郷へ帰る術は・・もう暫く旅を楽しみながら探そうかと・・!」




我ながら・・コチラを疑ってる初対面の相手にする話じゃないのは解ってる。

・・けど、この今の大怪我をしてでも『楽しい』って気持ちに嘘はつけない。 つきたくない。




「そうか・・。

・・・・・・。

どうでィ、一緒に来ねぇか?」


「えっ・・でも俺達、無一文で」




何で今の話の流れで・・と言いかけて、バッと胸元を隠してエロ親父達の方を見る。

──まさか身体で払えと!?


男だもん、下心があるに決まってる!

 

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