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106『手術そのものは4~6時間だそうです。』


・・おうち帰ゆ。

帰って颯太と寝てたい。


ハァ・・。


俺がグダグダやってた間に、凡そ考えうる最悪の状態になっていた。

何なん?

ナニが在ったら彩佳とザレが喧嘩なんて事になるん?




『御姉様っ!』




ザレが俺を見つけてリャター夫人とビタも俺を振りかえり、その視線で彩佳がコッチを見て───




「おっ・・オバさん・・?

そん・な・・・なんで・・事故で死んだ筈じゃ・・!?」


「あー・・」




───彩佳の目が、信じられないモノを見る目から・・急に、怪訝なモノを見る目に変わった。




「・・・・・・幹太?」


「うぇっ!?」


「やっぱ幹太ね!?

何よ、コレ!?

その身体は何!!?

この人達は誰っ!!??」




・・一瞬でバレた。

何故だ。

取敢ず、誤解を解かねば。




『彼女は彩佳。

生まれた頃からの御隣さんで、敵じゃないんだ』


『敵じゃ、ありませんの・・?

・・その、余りに狂ぼ・・いえ』


『まあなあ・・子供の頃から、俺と颯太は彩佳の子分扱いで───』


「ちょっと♡

・・今、アタシの悪口言ったかしらァ?」


「いいえ?」


「・・・・」


「な・・なんスか───ぎにゃああああああああああああああああああっ!?」


「何よコレ!?

マジおっぱいじゃないのよ!?

顔も化粧じゃ無いし・・!

アンタ、オジさんやアタシを心配させといて性転換しに行ってたの!?」


「ち、違げぇよ!?」


「あと、このコ達だれ!?」


「ソレを説明する前に───」




彩佳を道場へ。

颯太と源太ちゃんの所へ連れていく。




「えっ・・!?

こ、この二人が・・颯太と源太爺ちゃん・・!?」


「頼む、彩佳っ!

事情は全部、帰ってから話すから今は二人と彼女達の面倒を見ててくれ!」


「ちょっ・・先に説明でしょ!?」


「仲間が行方不明なんだ!!」


「───・・っ!

・・・かっ、顔が近い・わ・・よ」


「す、済まん・・」




確かに・・まあ彩佳は狂ぼ──やや荒っぽいトコはあるが、悪意は無い。

納得さえしてくれれば理不尽も無い。




「わ・・分かったわよ!

でも、絶対説明してよね・・!?」


「ああ。

『リャター夫人。

心配は分かりますけど土地感の無い人だと二次遭難的になり兼ねません』


『そ、そう・・ね。

分かったわ・・あの娘達をお願いするわ』


『ザレとビタも皆を頼む』


『『分かりました ( わ )』』




皆の顔を見渡し、超速歩魔法で走り去る。

視界の端で彩佳が目を丸くするのが見えた。



◆◆◆



そもそも魔力のパスは魔法っていうより、魔力の仕組みそのものに近い。

嘘と真実や善意と悪意が分かったりと魔力と心は密接な関係にある。


心の繋がり=魔力のパスだ。


コレは向こうの魔力が無くなろうと俺の側からまでパスが届かなくなる、なんてことには為らない。


ソレこそ世界の壁に阻まれて届かなくなるか───・・あの瞬間・・みんな、が、俺を忘れ・・る・・か───




「───いやいや、ンなまさか。

どんな魔法だよ!?」




初めて【ワーム】に魔力譲渡した時、脳の分泌物を司る場所だけに魔力を贈るなんて不可能だと確信した。


ましてや記憶だけを操るなんて、どう考えても無理だ。


なら・・毒?


でもソレにしたって、効いた人間の位置がバラバラだ。

自己再生出来る魔法使いはともかくリャター夫人が平気なのは毒じゃない証拠だと思う。




「あの、転移時の魔力のパスが千切れた感触がなあ・・」




俺達が転移してきた場所、三人が転移してきた場所、更にその周辺1km近くを探査するも・・僅かな痕跡すら無い。


三人が転移してきた、という痕跡は見つけた。

つまり、まだ『気かナニか』によって他の転移者の痕跡が消える時間じゃない。


『消えた』んじゃなく『最初から無い』のだろう。



◆◆◆



『───という訳です。

そりゃもっと遠く離れた場所に転移した可能性も・・』


『いいえ、別々の場所に立っていた私達と貴女達が一塊ずつ同じ所に転移したのだもの。

ソレは無いでしょう』


『・・すみません・・』




三人とも、沈みつつも俺を励ましてくれている。

スゴいなあ・・。


───そして報告が終わり、俺は彩佳へと向きなおる。


彩佳もぐっ・・と、俺の顔を見る。

・・あ、ちょい目が赤く腫れて・・。


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