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その姉妹品、危険につき──  作者: フユキ
色々な思惑
101/547

101『『終わりの始まり』は・・まあ、色々有りますからね。』


≪キさマ、ハ・・!?≫


「『魔女』に連なる者、覚悟しなさい・・!!」


≪くッ・・チかラガつかエ・・!?

オのレエぇェ!!≫




ビタが【アルラウネ】と対峙する。

・・『魔女』?

【アルラウネ】はビタを一目見て明らかに狼狽え、警戒し、逃げだし───




「逃がしませんわ!」


「ザレっ、こっちは任せて!」


「こっちも大丈夫よ!」


≪ジゃまヲすルナアぁァ・・!!≫




女生徒達が連係して【アルラウネ】を取囲む。




「ソウタ様、ゲンタ様!

───今ですっ!!」


「ええぇいっ!!」「はあああっ!!」


≪おノレエええェ・・っ!≫




【アルラウネ】は颯太と源太ちゃんに挟撃され、花を落とす。

・・どう考えても、お膳立てが過ぎててオーバーキルじゃね?


女生徒達の経験値獲得のためが殆んどなんだけど、俺も参加させてもらえなかった。


気持ち悪くても魔法使えるんだけどな。




「あらあら、コレが伝説の【アルラウネ】の花なのねぇ~・・まあ私達には、まだ伝説かしら」


「ビタは?

ビタも花が欲しくて戦ったとか?」


「いえ、花はどうぞ。

私の目的・・『思惑』と言えば

『【アルラウネ】の皆殺し』ですので。

ソレに皆さんを利用させてもらいました」


「お、おおう・・有難う御座います」




花・・か。


再生魔法は使ってきた。

魔法薬も使っている。

別に罰だとか責任だとかで腕を治さなかった訳じゃない。


・・でも、あの夢を忘れる努力をしても良いのかも知れない・・。




「ビタ」


「はい?」


「ビタのお陰で【アルラウネ】が見付かった。

迷惑で無ければ、ビタに薬を塗って欲しいんだ」


「わ、私でよろしければ」


「ザレ」


「は、はいっ!?」


「今まで俺の真横で助けてくれて有難う。

ザレさえ良ければ、もう片方の腕に薬を塗って欲しいんだ」


「も・・勿論ですわっ!」


「ええー!?

良いなあ、僕も幹太姉ちゃんに御薬塗りたぁい!」


「まあ、しょうがない。

たまにゃあ姉ちゃんを貸してやるんじゃ」




みんなが颯太に責任を感じる必要はない、とか言ってた・・けどそういうのと関係は・・たぶん無い。


ビタとザレが、座る俺の腕をとる。



◆◆◆



【銀星王国】王の住まう城、その一室。

銀星王国国王と大臣が二人きりで会話していた。




「他国の連中はどうしている」


「どの国も、目の色を変えております。

『魔女の真実』を知らぬ者は新たなる『対、街破級』に。

知る者は『魔女』は自分の物だ、と」


「ふん・・浅ましい連中共が・・。

───準備は?」


「【連合】に仕込んだ【ニーズホッグ】も予定外の目覚めでしたが、その魔力は予定通り【銀星王国】側に」




大臣が手にする書類に目を向け、ククク・・と笑う。




「また、既に『巫女』は───

『狼』も『花』も、二人共死んでいます。

後は空にクチが開くのを待つのみ」


「ふふふ・・千年の悲願がついに叶う。

精々人を集めろ。

観覧客は多ければ多い程良いからな!」


「すでにパレードは世界中から王族貴族以外の下々にも門を開いております。

みな、王の『思惑』通りかと」


「ふっ・・ふははっ、あーっはっはっはっ!!」




王と呼ばれる『其れ』の顔は───

支配者たる超越した者特有の物か、はたまた一匹の獣の様であった・・。



◆◆◆



───はぁ~・・カンタさん今頃、何してるッスかねえ。

まあ、あのヒトっスからまたブッ飛んだ事やるんだろうッスけど。




「おうジキアぁ、そろそろ次の行商の準備をしとけ」


「えっ? まだ次の商談は先の筈じゃ?」


「馬ァ鹿、行きたいンだろうが。

王都のパレード・・御姉チャンとデートによ」


「んななナな・・・・・・・・・・・・はい」


「「俺も! 俺達もソウタちゃんとデートしたいです」」


「煩えッ!

・・とにかく、最後のパレードん時ぁ、時間を作ってやるから・・さっさと次の商談の準備を今のウチにしとけ」


「はっ・・はいっ!」






















『はえ』



「えっ?」



『きた』



「な・・何スか、この声!?」



『みんら』



「女・・? 何処にも居ねエぞ・・?」



『まざる』



「だ・・団長・・なんか・目眩が・・」



『うれひいな』



「あ───」



『うれひいな』



『うれ・・しいな』



『・・嬉しい・・な』



『みィんな『思惑』通り・・に、動い・て・・くれて・・嬉しいな・・・・』



◆◆◆



その日───

世界中の人が空にクチが開き、喋ったのを聞いた。


しかし・・ソレを、

『正しく認識出来た者』、『数分も覚えていた者』はごく僅かだった。


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