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伯爵令嬢は精霊の加護を受けることができるか?  作者: 江川 凛
第1章 出会い
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 次に私が目を覚ました時は真夜中で、周りには家族が皆が揃っていました。

 どうやら、私が午後まったく部屋から出てこないので、心配して見に来ると、意識を失っており、慌てて、お医者様を読んだそうです。


 まだ先ほどの映像が、かなり刺激的だったせいなのか、あまりに多くの情報量が頭に流れこんだせいなのかわかりませんが、頭が痛くてたまりません。

 急にハルのことが気になりました。


 「ハル、ハルはどこ?」と叫んでおりました。

 最初気が付きませんでしたが、ハルは私のベットの上に座って手を振っておりました。


 それを見て、私は安心したのですが、お母様は「ハルって誰?」と優しく聞いてきます。

 しかし、私は先ほどのこともあり、多少取り乱していたせいか、「精霊よ、精霊。」と叫んでいました。

 

 私が「しまった。」と思ったときはもう手遅れで、皆顔を見合わせています。

 お医者様はお父様に「幻覚が・・・」と話しておられます。

 何にしても、ハルに確認したいことは山ほどあったので、皆には早く退出してもらうことにしましょう。


 そこで、どこまで効果があるかわかりませんでしたが、「お父様、お母様ご心配をおかけしました。もう大丈夫です。すいませんが、体調はまだ完全ではないので、このまま眠らせてもらいます。」と言ってみました。


 すると、皆安心したような顔をして、「ゆっくりお休み」と言って部屋を出ていきます。

 その際、お医者様は「私は隣の部屋におりますから何かあったら呼んで下さい。」と断ってから部屋を離れました。


 ハルと二人気になったのを確認して、あの映像について聞いてみました。

 すると「あれは、まちがいなく未来の君だよ。」と言われました。


 「どうして、嘘をついたの・・・」と半分言いかけて、ハルが私を気遣ってのこととわかったので、口をつぐみました。

 

 「嘘ではないんだ。100%確実な未来なんて存在するわけがなく、君が病気で死ぬ可能性も10%くらいあったからそういった。」とハルは答えてくれました。


 ただ、「君が病気になるのも半分以上はいじめによる精神的ストレスだから、何にしろいじめで死ぬというのはほとんど確定だけどね。」という言葉を聞いたときは私はまたショックで泣き出しておりました。


 しばらく泣くと、気持ちが落ち着いてきました。

 でも疑問は尽きません。

 結果、「私はまがりなにも伯爵令嬢です。誰が私をいじめられるというのでしょうか、実際皆がかわいがってくれる私を・・」と独り言を言っておりました。


 するとハルは「君は世間しらずだね。伯爵は確かに貴族で位も低くないが、貴族の中では上から3番目、いわゆる並みでしかないのだよ。」

 「特に君を虐めていたピンク色の髪をした女子はルクセンブルグ公爵家の長女で、名をメアリーという。宰相を何人も輩出している名門だから、誰も彼女には何も言えないのさ。君は彼女に目をつけられて虐めぬかれておかしくなってしまうんだよ。」と極めて冷静に言ってきます。


 「何故?何故そんなひどいことができるの?」と聞くと、「君のミシェルという名前が彼女の妹と同じで、それが気に食わなかったようだよ。」と言われました。


 「そんなことで、そんなことのために私は死ななくてはならないの?」そう思うとまだ涙が止めどもなく流れてきます。


 泣いている私にとどめを刺すかのように、「『君の自殺の真相を知った君の父上や兄上は玉砕覚悟で、ルクセンブルグ公爵家に戦いを挑んで、滅ぼされる。』という未来もある。」とまで言ってきました。


 私だけではなく、お父様やお兄様までそんなことは絶対にさせられません。

 私は何が何でもそんな未来は回避すると心に決めました。


 それをハルに告げると、ハルも少し嬉しそうに頷いてくれました。

 それで冷静さを取り戻したのか、さっきハルの姿が皆に見えていなかったことが気になりました。

 それを聞くと「精霊は深い関係を持った人、例えば加護を受けたとか、これから受ける予定の人とか、そういう人とリンクしている時だけに見えるんだよ。」と教えてくれました。


 それを聞いて私は「じゃ、もう加護は大丈夫ということ?」と無邪気に聞くと、「そんなわけないでしょ。」と冷たくあしらわれてしまいました。

 どうやらハルを助けたので特別の様です。


 ハルにお礼を言うと。ハルは、「今回君に未来視を見せたのは特別だからね、今後はこんなことはしないよ。」と念を押されました。

 

 最後に気になったので、もし私があのまま加護をいらないといっていたらどうしたのか聞いてみました。

 

 「君の記憶を消して、そのまま放置するつもりだった。」

 そう、ハルに言われたときは、精霊はやさしいだけではない、やはり怖いものだと改めて思いました。

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