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伯爵令嬢は精霊の加護を受けることができるか?  作者: 江川 凛
第2章 準備
19/41

課題

 ハルがいなくなっても、とりあえず私はハルに言われたことを忠実に守っておりました。

 マナの吸収は朝晩1セットずつといわれたのですが、自主的に2セット行っておりました。

 というのは、そのくらいしないとあのうつろな目をした私が屋上にいる様が思い出されて、不安で仕方がなかったのです。


 そして、精霊の加護やハルから聞いて話は、私がいじめられて自殺するかもしれないという話を除いてお父様とお母様にお話ししました。

 もともとお二人とも加護については、良い印象を持たれていかなったのですが、これで決定的になってしまったようです。


 やはり自分の娘が駒にされるというはあまり良い気持ちがしないでしょう。

 そして、なおかつ私がやりあう相手が、よりによってあのルクセンブルグ公爵家とくれば、さすがにお二人とも苦虫を噛み潰したようのな顔をなさっておりました。

 

 最初は言葉もなかったお父様ですが、私の不安げな様子を見るや、「心配しなくて良い。私はいつもミシェルの味方だよ。」と言ってくださったときは、本当にうれしくて涙がこぼれてしまいました。


 「そうですね。一番つらいのはミシェルなのですから。私たちも頑張らなくては、私はあなたにできる限りのサポートをしてあげたいと思います。」


 お母さまからも、そう言っていただいたときは、あまりにうれしくて抱きついて声をあげて泣いてしまっておりました。

 国内で1,2を争う公爵家とやりあうことになっても、私を支援して下さるという両親には本当に感謝です。


 なお、お二人と話している時に知ったのですが、ハルが言っていた通り私がマナを注ぎこんだ花は使われることはありませんでした。

 どうやら、お父様とお母様の間で、私が光魔法を使えるということはあまり公にしないほうが良いという話になったようでした。

 おそらくハルは、そうしたやりとりも知っていたのでしょう。

 

 勉強も今まで以上に熱心に取り組むようになりました。

 正直、私はあまり勉強は好きではなかったのですが、やるしかありません。

 家庭教師も変えていただきました。しかし覚えることが多くて本当に大変です。


 散歩も解禁となりました。

 ただ、風のマナを吸収することを覚えたせいでしょうか。少し歩くのが速くなったようです。

 体も軽く調子もよいので、すこしずつ、歩くペースを上げていっております。、


 我が家のお茶会にも出席させてもらえるようになりました。

 これは貴族の矜持を学ばなければならないということを伝えたためです。

 男性であれば、騎士道などを学ぶところなのでしょうが、やはり女子である私にはお茶会からという話になりました。


 ドレスは当然青系統で、今のところ水色をベースにしたものを着用します。お母様とおそろいです。

 これまで遠くから見ることはありましたが、実際にお茶会に出席して、気が付いてたのは、おいでくださったお客様にお母様は本当に気をつかっておられるということです。


 もし、一人で退屈そうになさっている方がいらっしゃれば、さりげなくその方の好きそうな話題をふったり、話の合いそうな方をご紹介したりと結構大変です。

 私はこれまでお茶会とは、ただ単にお茶を飲んで話をすれば良いだけのものかと思っておりました。


 しかし、来ていただいたお客様に気持ちよくなってもらうのが、そして、我がグーテンベルグ伯爵家の良いところを知ってもらうのがお茶会を開催する目的と教えてもらいました。

 そして、できればまた来たい、我が家と末永く交流を持ちたいと思わせなければなりません。


 であれば、来ていたいただ方がいらっしゃる間はそれの方にために誠心誠意尽くさなければなりません。

 とりあえず、幸い私にはまだそこまでのことは要求されておりません。

 しかし、お茶会に見習いの身とは言え、出席させてもらっている以上は、私もホストの一人です。


 舌足らずですが、歓迎の言葉を述べなくてはなりませんし、できるだけお客様のお相手をしなくてはなりません。

 ただ、悲しいことに私の知っていることなど限られているので、お客様の話を聞くことしかできません。ここで思ったのが、私の知識の少なさです。そうなると、本当に勉強の大切さが身にしみます。


 とりあえず今は、私にできることを精一杯するだけです。誠心誠意お客様が話されていることをお聞きする、それを心掛けるようにしております。

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