表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/14

002 1-02 SR Special Right hand.

 今回もあまりサイバーパンクっぽくないかも…。あと文章の構成も変えてみました。

 ――ゴォウッッ!!


 荒れ狂う風が耳朶をたたく。重力に捉われたその身は万有引力に従って、進の体は頭を下にして、落ちていく、落ちていく、落ちていく…。

 「ーーーッ!」

 意味もなく絶叫したくなる衝動を、歯を食いしばって耐え、タイミングを計る…。

 『3…、』

 程なくして最早お馴染みとなった数字が視界の端に表示される。右手はビル側、左手は夜空にそれぞれ向け、空気抵抗を全身に受け、やはり落ちていく。右手を閉じて開いてウォーミングアップ完了。

 『2…、』

 右手に力を込める。

 (右手・筋力増強…)

 …すると、その手は、

 「ーーーーッ!!」

大きく、強く、変化していく。

 (右腕・筋力増強…)

 その変化に耐えるように歯を食いしばる主人を尻目に、右手、そして右腕は変化し続け、今や元のサイズの二まわり程に変化していた。 『1…、』

 と、視界の端に変化が現れる。

 『↓』

 行く先に赤い矢印が表示され、その示す先には壁面に設置された通気用ダクト。上から確認すると、雨よけの屋根が見える。…うん、邪魔。

 右腕を曲げて構え…、

 『0…。』

 (今ッ!!)

タイミングを合わせ通気用ダクト目がけて、一撃を放つ!

 今まで散々風雨を凌いできた強化セラミック製の屋根は完全に破壊された。のみならず、通気用ファンもまたともに破壊された。

 通気用ファンが壊れても異常が察知されないことは調査済み。通気が滞り始めれば別だが、それはしばらく先の話となるだろう。

 右腕を無理矢理突っ込んだ、は良いが、減速を少しもしなかったので無理矢理速度を殺した反動が思いっきり右腕に来ることになる。

 「ーーーーッ!!」

 三度目となる無言の絶叫。

 しかしその一瞬後には眼前に壁が迫ってきた。

 「いいッ!?」

 単純な話、速度を殺したことはいいが、それは右腕のみの話であり、それ以外はそうではない。つまり…、

 「ぬおおぉッ!?」

突っ込んだ右手を支点として速度が落ちていなかったそれ以外の部分、と言うか顔が壁面に衝突…

 ――ダンッ!!

しなかった。間一髪のところで、両足と左手で顔を守ることに成功する。

 しかし打ち据えた手足が痛いのか、くぅぅ、とか、おぉぅ、など呻き声が聞こえるが…。

 下に落ちる前に右手で縁を掴むが、その手は徐々に元のサイズへと戻る。それに合わせて右腕の腕力やら右手の握力が低下していく。

 「おっとっと…」

 ここで落ちたらただの馬鹿だ。慌てて少々痛みの残る左手をダクトの縁に掛ける。そして体を狭い通気孔にねじ込む。体が完全に入ったところでようやく一息。

 「ふぅ…、やれやれ、だ。」

 この侵入方法に賛成したのは確かに自分だ。しかし他の方法は本当に無かったのだろうか。この作戦を立てた弟…三つ子なので上も下もないが…の駆に脳内で愚痴をこぼす。最も、そのおかげで中の警備部に気付かれていないのも確かなのだが。

 …まあ、こんな手段で侵入されるとは思ってもいないだろうが…。

 「じゃ、行くとしますか…」

 いつまで文句を言っても仕方ない。視線で多機能ゴーグルを操作し、このビルの立体マップを呼び出して自分の位置と目的地を確認。

 どうやらこの狭くて暗くて迷路のような通気路をしばらく動き回らないといけないらしい。

 「………。」

 やはり反対しておくべきだったと後悔しつつ、狭い通気路を這うように、否、這いつくばって進み始めた。

 ――右腕は、完全に、元に戻っていた。


 皆さんどうでしたか?次は新キャラこと歩が登場します。予定ですが!少しだけですが!…えー、ではご意見・御感想、及び非謗・中傷ヨロズ承っています。砂糖多めの甘々でお願いします。次回更新は来週の火曜日ぐらいを予定してます。では、皆さん風邪に注意してください。自分はすでになっていて、今もなっています(笑)。ロドリゲスでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ