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たった二人の国  作者: にゃあすけ
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恋敗れた女王

 南の国の女王は北の国の王様に恋をしていました。


「どうして、マルグレーテなの?このエレーヌではなくて?」


 南の国の女王は怒り狂います。そして、決めました。


「私を王妃にしないなら、北の国など滅んでしまえ!」


 南の国の女王は戦争を始めてしまいました。

 南の国にも、北の国にも悲しみが広がります。


「何故、このような事をするのですか」


 王女は女王に問い掛けます。女王は笑い出します。王女は女王が怖くなりました。自分の姉なのにです。

 震える手を握り締め、北の国の未来の王妃マルグレーテは毅然と顔を上げます。南の国の女王を真っ直ぐに見詰めて、離し掛けました。


「このような事はお止め下さい。民は苦しんでおります」

「民?」

「そうです。女王であるお姉さまには民を幸せにする義務があるのです」

「義務?どうして私がそんな事をしなければならない!」




「私は女王なのよ!!」


 エレーヌは叫びます。叫びは呪いとなり、二つの国に降り注ぎます。

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