救国の王女と軍神
女王の代わりに出てきたのは、女王の妹となった第二王女です。
マルグレーテは姉の行為を謝罪しました。王女が民達に膝を付き、頭を下げたのです。
「皆様の苦悩や哀惜に対する謝罪の言葉を私は存じません。ですが、謝らないのは赦されないと知っております」
王女の言葉を民達は静かに聞きます。
「どうか、お願いです。私共に時間を・・・暫しの猶予を下さい」
響くのは王女の声だけです。
「必ず、必ずやこの国を守ります。救います。皆様の苦悩や哀惜に必ずや報います」
王女の言葉は民達の心に届きました。
民達は信じる事にしました。女王ではなく、王女をです。
王女は動き始めます。民達の為に、この国を救う為に様々な事を始めました。
協力を求める為に手紙を書きました。
協力を得る為に頭を下げました。
その礼の為に自身の持ち物をお金に変えました。
王女は王女としての務めを果たそうとしました。
戦場に立つ王は勇ましく誰よりも強いのです。そんな王を民は尊敬しています。
南の国と違い、北の国は王を尊敬しています。
何故なら、北の国の王は民を我が子のように守ります。
王は民の親なのです。父なのです。
北の国の王は南の国の民の事を考えます。北の国の王には分かっていました。
南の国の民の疲弊が南の国の女王の所為だというのは北の国の王にとって直ぐに分かりました。
北の国の王は王女に手紙を送ります。
受け取った王女は微笑みました。




